カルぺ・ディエム講師の永田耕作(教育学部4年生)、松島かれん(農学部4年生)を含む大学生講師メンバーが、2023年7月31日と8月1日に明豊高等学校の高校1・2年生を対象に「夏合宿特別セミナー」という講義やワークショップを開催しました。
明豊高等学校では、「九大専科クラス」というクラスを昨年度から設立し、その授業や面談などに幅広く我々が関わらせていただいています。今年度も、年間を通して計4回学校に訪問し、1年生2年生それぞれに授業をしたり、一緒にワークをしたり、ちょっとしたレクリエーションを行ったりしています。
今回はその年間講義の2回目で、夏休みに行われたということもあり、大学生と一緒に協力するグループワークや、1年生と2年生が対決する体育館でのスポーツ大会など、とても盛りだくさんな2日間となりました!
本記事では、前半後半の2本に分けて、今回の夏合宿2日間の様子をプロジェクトリーダーの永田が紹介しています。前半の記事を読んでいない方は、ぜひこちらからお読みください!
前半記事のリンク
〜夏休みは自分の「好き」を極める時間〜
2日間にわたった今回の講義。2日目の午前中は、現在東京大学の農学部に所属し、海にいる生き物について研究している松島講師が、実際の自分の具体例も紹介しつつ、高校1年生に対して夏休みの過ごし方について話していきました。
「私も高校生の頃は、得意なことなんて一つもなかったんです。」
そう語る松島講師。運動はあまり得意ではなく、勉強も模試で偏差値30台をとってしまうような高校生だったようです。そんな彼女が、なぜ東大生になれたのか。というよりも、なぜ東大を目指したのか。そのきっかけが、高校1年生の夏休みにあった、と彼女は続けます。
彼女の講義を聴く生徒の目はとても輝いていました。後から彼女に質問に行く生徒の中には、「自分もなかなか得意なことが見つからなくて、自分に自信が持てないんです」「私は音楽が好きだから、音楽のことをもっと学べるところが知りたいです」というような声がありました。人それぞれ夢中になれること、好きなことは違って、自分に自信を持つきっかけも違います。だからこそ、いろんな話を聞いて自分なりの答えを見つけてほしいと思います。
〜九大専科のディベート対決!?〜
2日目の午後、つまりこの夏合宿の最後の時間では、2年生の九大専科のクラスでのディベートが行われました。その内容は、「九大専科の生徒が成績を上げるために重要なのは、予習か、復習か」というものでした。九大専科の生徒はあらかじめ予習チームと復習チームに分かれ、2ヶ月以上も前から実際に自分たちが予習復習を行うことで準備をしてきました。
また今回は、夏休み特別編ということで、後輩である1年生が実際のディベートを見に来て、ジャッジをする、というルールが加えられました。2年生の生徒はとても緊張していた様子でしたが、かなり白熱した議論が繰り広げられていました。
九大専科の2年生の自主性を重んじて、ディベート準備のためのデータ収集やスライド作成の方法については、可能な限り指示を減らし、自発的に行動することを促していました。そのため、1年生や先生方に発表できるほど、体裁の整った形でディベート準備が完成するか不安でした。しかし、生徒自身が各チームでリーダーを選出したことで、生徒たちがリーダーを中心に、学校内外で準備を進め、一部の生徒に関しては、こちらの想定を超えるレベルで成績変化を生み出すことが出来ていました。九大専科の生徒らが、ほぼ全ての工程を自分たちだけの力で、明確なデータをもとに、ディベートを完成させたことは、こちらの期待値を上回る結果でした。
また、1年生の反応も驚きでした。当初は1年生に聴衆としてディベートの判定をお願いするだけの予定でしたが、1日目に行った明豊村ワークでの1年生の自立した姿勢を見て、急遽1年生にも反対尋問の機会を設けることにしました。『レクリエーション後の活動だったため、1年生が疲労感を抱いていても、少しでも主体的になれる工夫を』と思っての変更でしたが、思いの外、1年生がこちらの想定以上に真剣にディベートに参加してくれたため、学年を超えた刺激が理想的な形で生まれました。2年生の成長はさることながら、1年生の批判的思考力には驚かされました。今後も継続的に1年生×2年生での活動を実施できるのではないかと期待させるような会でした。
生徒の中でも、「悔しかったからまたディベートをしてリベンジしたい」「自分もこのようにクラスのみんなと議論をしてみたい」というような前向きな感想が多く生まれ、とても意味のある時間になりました。
今回は、前半後半の2本にかけて明豊高校での講義について紹介しました。次は秋の講義となりますので、またよろしくお願いいたします!