東大生が高校時代にやっていた!受験につながる課外活動

東大生が高校時代にやっていた!受験につながる課外活動

今回の記事は、現在東大2年生の私が高校時代にやっていた課外活動についてお話ししようと思います。大変だったことや嬉しかったこと、そして今に繋がっていると感じたことをたくさん盛り込んだので、ぜひ参考にしていただければと思います。

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目次

 実際の活動内容

私は高二の春から秋まで、inochi学生プロジェクトという活動に参加していました。高校生と医学部の大学生が5人1チームになって、約五ヶ月かけてヘルスケア課題解決プランを提案するというプログラムです。私たちの年のテーマは、「発達障害と、共に歩める社会を作る。」というもので、発達障害の方やその支援者が抱える課題を探り、解決策を考案しようと奮闘していました。

具体的な活動としては、チームを結成したのち、ヒアリングやインタビューを通して課題や現状を理解した後、課題の仮説を立てて解決策を創出し、プロトタイプを実践する、というものでした。私たちはその過程の中で、専門家や当事者、学校の先生や発達障害の子をもつ母親など、たくさんの方のお話を伺うことができました。その中で、「気づいていないけど、本当に困っていること」を見つけ出そうとしていたのです。私たちが話し合って、これが課題に違いない!と思っていることでも当事者は問題視していなかったり、何かしらの手段を用いて自身で解決していることも多く、本当の課題を見つけ出すことが非常に難しかったです。

苦労しながらも、最終的には発達障害の特性のある女性の課題に対して解決策を提案し、審査員賞をいただくことができました。プログラム終了後も、私たちの提案した解決策と似たような事業を展開しようとしている会社の社長に、私たちの案を提案して意見をいただいたり、さまざまな経験を重ねることができました。

よかったこと

課題設定から解決案創出、プロトタイプ実践まで一通り実践できたことは、かけがえのない経験になっています。いわゆるデザイン思考の考え方を用いて活動していましたが、今まで使ったことも考えたこともないようなフレームワークを用いて課題に対する解決案を発散、収束させる経験は、普段経験することがないのでとても充実していました。

このプログラムを通して、自分たちでリサーチすることの大変さや大切さを知ることができました。またそれ以上に、実際に現地へ赴いて生の声を聞かないことには、どれだけ論理を詰めても空想論にしかならないことを痛感しました。

自分達が高校生だったこともあり、インタビュー先の方は非常に好意的に接してくださいました。しかし、その中で自分たちの失礼な言動については指摘してくださり、色々な人に話を聞き、議論をするコミュニケーションスキルや、必要最低限の礼儀作法を身につけられたのも、今に活きる大切な経験となっています。

大変だったこと

大変だったこととしては、勉強との両立やチームワークが印象に残っています。

私は高校二年生の時にプログラムに参加し、応募時の選考や、プログラム終了後の活動などを合わせると、10ヶ月以上活動していました。私は高校受験で中高一貫校に編入したので、そもそも勉強が他の生徒よりも遅れていたうえに、当時から東京大学を目指して勉強していたので、他人と同じ勉強量ではだめだ、と焦っていました。しかし、inochiの活動中は毎週定例会議があったほか、朝や放課後など、チームメイトと集まって毎日議論をしていました。普段は自習に使っていた時間を話し合いにあてたり、休日や放課後にヒアリングのために移動したりと、自分の時間がどんどん減っていくことがとても辛かったです。勉強量が減少したので、成績も目に見えて下がり、模試の成績も今までよりは悪くなってしまいました。

睡眠時間などを削っても効率が落ちるのみで根本的な解決にはならなかったので、早い段階から先生や活動に関係のない友人に相談して、アドバイスやメンタルのケアをしてもらっていました。各科目の先生に無理のない範囲で取り組めるスケジュールを一緒に考えてもらい、この勉強量なら次の模試はこのレベルまで下がるかもしれないけど、このくらいの点数が取れていれば巻き返せるよ、という明確なラインを決め、気分が下がりすぎないようにしていました。

それでも、活動がうまく行かなかったり成績が悪くなったときには、それをチームメイトのせいにして怒りや不満をぶつけてしまうこともありました。例えば、朝の自習の時間に会議を開こう、と約束していたのに、普段朝の自習にこない友人が寝坊で連絡もなく遅れてきてしまうことが続きました。私や別の子はその時間に自分の勉強を中断し、inochi関連の作業をやっていましたが、全員揃っていないので議論を進められず、ただ時間が奪われたと感じてしまっていました。それが熱量の差に感じてしまい、一時期はチームの雰囲気が悪くなってしまったこともありました。最初は「友達なんだから察してよ!」と思っていましたが、結局は言葉にしないと何も伝わりません。最終的に思っていることを全部伝えるために、第三者を入れて話し合い、それぞれの考えの共通しているところ、異なっているところを確認しあい、それぞれ折り合いをつけて活動を進めることができました。

課外活動と受験勉強

勉強との両立の難しさについて少しだけ言及しましたが、課外活動は学校の勉強や受験勉強の弊害としてみられることも少なくありません。しかし、私は課外活動をして得られたものの方が大きいと思っています。

進路決定について

私は、この課外活動を通じて、東京大学を第一志望に確定しました。元々東京大学に興味はあったのですが、そこまで東大で学びたい理由を見出せずにいました。しかし、この活動の中である男性と出会ったことで、東京大学で学びたいと強く思うようになりました。

あるとき、発達障害の自助会に参加させていただくことがありました。その会では当事者が月に一回集まって雑談をしたり、悩みを共有して解決法を教えあったりしていました。彼は何回か自助会にきているようで、発達障害の当事者とも顔見知りでしたが、男性はそれらの話に積極的に入るわけではなく、ずっとメモをとったり、たまに質問をしたりしていました。彼は非常に熱心に発達障害のことを「勉強」しているように見えました。

会が終わった後に少し話を聞いてみると、彼や彼の周りの人に、明確に発達障害の特性を持つ人がいる訳ではないようでした。彼はすでに定年を迎えていて、今は特に仕事はされていませんでしたが、昔発達障害の方と一緒に働いていて、うまくサポートしきれない部分や理解できない部分があって、ずっとそれが心に残っているとおっしゃっていました。図書館などで文献を読んでもわからないから、こうやってたまに勉強させてもらいにきているんだとおっしゃっていて、何歳になっても自分に妥協せず、知的好奇心に従って積極的に行動している姿が非常にかっこよく見えました。

その会の中で私が東京大学を志望しているという話をしたら、別れる際に、「もし合格したら私の後輩になりますね」とだけ、伝えてくださいました。彼のように生きることが、現時点での私の長期的な目標になっています。

受験勉強について

課外活動は正課以外の活動なので、受験勉強に直結する部分は少ないと感じる方が多いと思います。確かに、直接受験に役立つ知識が増えるわけではありません。しかし東京大学をはじめとする多くの大学では深く思考することを求める問題を出題しています。そういった問題への取り組み方と、こういった形の課外活動で用いる考え方は共通する部分が多いのです。問題文を噛み砕いて色々な方向から考え、自分に取り組めそうな観点から考えてみる練習を積むことは必ず勉強にも繋がります。

また、課外活動を通してさまざまな人に出会うことで、勉強へのモチベーションも上がります。私の場合は、前述した東京大学の大先輩との出会いもそうですが、自分よりも年下の参加者が鋭い意見を出していたり、厳しい状況下でも活動を続けている方をみると、自分も努力をし続けないといけないと強く思っていました。私が個人的に目標にしていた人たちはいまだに活躍している話を聞くので、自分にとって刺激になるひとと出会えることも魅力の一つです。

 卒業後の繋がり

卒業後、私は東京大学に、チームメイトの友人は国公立大学の医学部と、海外大学に進学しました。また、当時大学一年生と三年生の医学部生がメンターとして加わってくださっていました。活動中はもちろんですが、活動が終わっても定期的に個人的にだったり、チーム全体で会っています。

当時の活動を知っているかけがえのない友人や先輩は、私の弱みや思考の癖、そして強みやいい所を一番に理解してくれているといっても過言ではありません。進路に詰まったり悩んだりしたときに意見をもらえるかけがえのない存在になっています。それぞれ場所が離れてしまい、気軽に会うことは難しくなってしまいましたが、それでもそれぞれの居場所で今まで以上に色んなことに積極的に挑戦している様子を聞いて大きな刺激をもらっています。

まとめ

いかがでしたか。こちらの記事と併せて、みなさんの課外活動の参考になれば幸いです。


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この記事を書いた人

東京大学で薬学や心理学を中心に勉強しています。高校時代に発達障害の方とその支援者を中心に様々な人と関わってきた経験があり、人と話しその人の人生を知るのが好き。ボカロとお笑いが大好き。

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