※本稿は、西岡壱誠(著)『教えない技術 「質問」で成績が上がる東大式コーチングメソッド』(星海社新書)の一部を再編集したものです。
「教える」ことが子供に悪影響を与える?
本書の「教えない技術」というタイトルを見て「?」となった方も多いかもしれません。
「教えない技術」といわれても、普段学校や家などで勉強するお子さんを相手にしているとき、先生や家族の方はどうしても何か口出しをしたくなるものです。
具体的な学習内容について、よりよい学習法について、普段の生活について、大人や教師としての経験がある分、できるかぎり色々なことを「教え」たくなってしまうのが心情というものでしょう。
しかし時には、そういった親切心からくる「ティーチング」がむしろ子供にとって逆効果になってしまう恐れがあります。やる気が削がれたり、自身がなくなったり、あるいはかえって成績が下がってしまったりと、そういった悪影響を先生や家族の方が与えてしまう可能性があるのです。
それではそういった副作用を上手く回避できるような、何か「ティーチング」以外の方法があるのでしょうか?
「コーチング」が子供を伸ばす
それこそが本書が推奨する、「コーチング」という術です。
「コーチング」が「ティーチング」と違うのは、例えば何か特定の問題があったとき、その答えを相手に「教える」のではなく、どのようにしたらその答えにたどり着けるのかの「ルート」を示唆することです。
この「教えない技術」である「コーチング」こそが生徒のやる気を削がず、自発的に伸びることを可能にする術なのです。
そうはいっても、そんなことはもうやっているという方も多いでしょう。勉強している内容の具体的な答えではなく、「勉強法」を教えることが「コーチング」であるとしたら、それは既に広く普及された教育方法の一つです。
だからこそ本書ではさらにその先、つまり「「勉強法」すらも自発的に構築していくことができる」ことを目指します。普段お子さんについつい口酸っぱく言ってしまうという方、すぐに生徒に「正しい答え」を教えてしまいたくなるという方、あるいはより効率的な教育法を知りたいという方、ぜひ本書を手に取ってみてください。
「コーチング」を中心とした新時代の教育メソッドが、この本のなかにあります。
教えない技術 「質問」で成績が上がる東大式コーチングメソッド
著者:西岡 壱誠
出版:星海社新書(2023/12/20)