子どもが「勉強嫌い」になったときはどうする? 親が取れる解決策とは!

子供の勉強嫌いの対処法と解決策

皆さんは勉強が好きでしょうか? 勉強が大好きという方はあまりいらっしゃらないかもしれませんね。ですが、悲観することはありません。ある程度大人になってみると、勉強が大好きになるパターンもあるからです。

実際に、僕、布施川天馬も、もともと勉強が大嫌いでしたが、最近英会話塾に通い始めました。すると、あんなに苦手で嫌いだった英語のコミュニケーションが、ものすごく面白くて、今では塾通いにハマってしまっています。このように、後になって実は勉強が楽しくなっていたということもあるかもしれません。

しかし、いまお子さんが勉強嫌いで困っているという親御さんからしたら、そんなことを言われても関係ありませんよね。直近のテストや大学受験の成績、結果が気になるのですから、「いつかは好きになれるよ!」なんて的外れな回答でしかありません。

そこで今回は、「どうすれば勉強が好きになれるのか」「どうすれば前向きに勉強と向き合っていけるのか」について、東大生の考える解決法をお伝えいたします!【2025.7.18更新】

目次

勉強嫌いな人の特徴と対応策

友だちの間でも、きょうだいの間でも勉強が好きな人と嫌いな人で大きく分かれます。ではその差はどこからくるのでしょうか?

一概には言えませんが、勉強嫌いな人には以下のような特徴があります。

勉強を強制されている

お子さんがなかなか勉強しないと、つい「勉強しなさい!」「そんなに勉強しなくて大丈夫なの?」と声をかけていませんか。保護者として心配になるお気持ち、とてもよく分かります。しかし、実はその言葉が、かえってお子さんのやる気を削いでしまっているかもしれません。

これは「心理的リアクタンス」と呼ばれる心理効果が関係しています。人は「〇〇しなさい!」と命令されると、自分の自由を奪われたように感じて無意識に反発したくなるのです。たとえ本人のためになることでも、「言われたからやりたくない」という気持ちが芽生えてしまいます。

もしお子さんが机に向かおうとしないなら、その背景に目を向けてみましょう。子どもがなかなか勉強しないときは、わからない箇所があったり、きょうだいは遊んでいるのに自分ひとりだけ勉強するのが寂しい、不公平だと感じている可能性があります。

そんな時は、命令するのではなく、お子さんが「勉強してみようかな」と思える環境づくりを試してみてはいかがでしょうか。例えば、自分も一緒に勉強してわからない箇所を解消したり、隣で別の作業をするなど、子どもが机に向かいやすくなる環境づくりを心がけましょう。

大切なのは、勉強を無理強いするのではなく、お子さんの気持ちに寄り添い、孤独にさせないことです。少しの工夫で、お子さんの学習への姿勢が変わるきっかけになるかもしれません。

つい先延ばしにしてしまう

勉強よりもゲームやSNSを優先してしまう子どもも多いのではないでしょうか。現代はより手軽な娯楽に溢れていますが、それによってついつい勉強よりもゲームなどを優先してしまうことが多いです。
また「今勉強しないとテストで点数が取れないかもしれない」という不安からも逃げて勉強を後回しにしてしまう傾向があります。これによって勉強嫌いが加速することもしばしばあります。

こういう子どもには強制的に勉強をさせるのは逆効果かもしれません。だらだら机に座っているだけでメリハリがなく、余計に時間を使ってしまうことになりかねません。10分間だけ勉強を始めてみるだったり、プリント一枚だけ解いてみるなど短期的な目標を立てるのが効果的です。

生活習慣が乱れている

寝不足だったり運動不足だったり、生活習慣が乱れていると集中力が落ちてしまいます。特に夜型の人は注意が必要です。最近ではiPadなどのタブレット端末を用いて勉強する人も増えてきていますが、寝る直前に電子機器を使ってしまうと睡眠の質が落ち、結果として睡眠不足になってしまうのです。

夜型の人であっても、朝の方が脳が活性化しており勉強効率が高いことが知られています。朝早く起きるのが苦手だと感じている人こそいつもより一時間だけでも早寝早起きするように気をつけてみてください。

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子どもたちはいまではなく未来に絶望している

「どうすれば勉強する気になるのか」……。それは、「子どもと真剣に将来について話し合ってみること」がカギです。

どうして将来について話すことが勉強時間に関係してくるのか? 皆様に考えていただきたいことがあります。
10段のはしごを想像してみてください。下段は最悪の生活を、上段は理想の生活を表しているとしたとき、今のあなたは何段目にいますか?そして、5年後のあなたは何段目にいると思いますか?

いったいどうしてこんな質問をしたのか? それは「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)」の調査による、「”今”の人生の満足度はどれくらいなのか?」という質問に関係しています。先の質問において、はしごの段数とは、すなわち幸福度のことを表していました。「いまははしごの何段目?」という問いは「現状満足しているか?」という問いに、「5年後はどこにいるか?」という問いは「未来に対してどこまで希望を持っているか」という問いにそれぞれ対応しています。

「現状満足しているか?」という問いに対する日本人の平均的な回答は2005年で27位でした。しかし、これが2020年には61位まで落ち込んでいます。さらに「”5年後”の人生の満足度はどれくらいなのか?」は、もともと70位であったのが、2020年には122位にまで落ち込んでいるのだそうです。これは、すなわち「日本人全体の現状に対する満足度と、未来に対する期待感が落ち込んでいる」ということを表しています。

この幸福度は、世界的にみても低い基準にあります。しかも、それだけではなく、年長者よりも若者の方が低い幸福度になる傾向にあるといいます。すなわち、日本人の若者は、いまではなく未来に絶望しているのです。

そんな状況で「未来のためになるから」と言われて勉強する気になるでしょうか? 僕はそうは思いません。勉強するためには、将来に希望を持つことが大事なのです。

(参考:朝日新聞SDGs Action!, 「世界幸福度ランキング】日本の幸福度、2023年は47位に上昇 トップは6年連続の…」2023, https://www.asahi.com/sdgs/article/14866028

将来に希望を持つために

そのためには、まず親御さんが、子どもよりもこの世界に長い年月を生きている年長者という立場から「未来の素晴らしさ」について話してあげる必要があります。いま頑張ったらどれくらい素晴らしい未来が待っているのか、お子さんに実感させてあげる必要があるのです。

ですから、勉強しない我が子に対して、まず親御さんがすべきなのは「勉強しなさい」と口を酸っぱくして何度も繰り返すことではありません。そうではなくて、「君は将来どうやって生きていきたいの?」と将来について話しあうことなのです。

将来の進むべき道がどのようなものであれ、肯定してあげることも必要です。あまりに否定されると、結局「未来は閉ざされている」という印象を与えてしまうことになりかねないからです。

そのうえで、将来の夢について進むのであれば、どんな道を進むべきなのか、どのような道を進めばその夢にたどり着くことができるのかを一緒に真剣に考えてあげてみてください。そうすることで、若者の未来に立ち込めている暗雲が徐々に晴れていきます。子どもたちの前に立ちふさがる「勉強しない理由」が晴れていき、「勉強するべき理由」に代わっていくのです。

最後に

いかがでしたでしょうか?勉強しない理由は、実は将来の夢と密接にかかわっているということに意外さを覚えた方もいらっしゃるかもしれませんね。

ですが、勉強が将来の道を切り開く手段である以上、未来の目的地について見据えることができていないと、やる気も入りようがありません。ですから、子どもが勉強しないと悩まれている親御さんは、ぜひお子さんと将来について真剣に話し合ってみてください。

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文責:布施川天馬/カルペ・メディア事業部


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この記事を書いた人

教育事業や出版事業での取り組みを様々な媒体を通して発信しています。自社メディア「カルペディア」では、「人生を”ちょっと”前のめりに」をテーマに、教育・学習を取り巻く様々な疑問・関心について記事を掲載しています。

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