受験生にとっては大きな山場だった夏が終わり、少しずつ入試本番の日が近づいてきます。模試の返却が重なり、心が折れかけることもあるのではないでしょうか。
東大生である筆者も、現役時代は何度もくじけそうになりました。そんな中で私を救ってくれたのは、数々の名言でした。そこで今回は、受験時に参考にしたい名言を、東大生の実体験付きでご紹介します!
受験生が名言を参考にするメリット
みなさんは自分が参考にしている、大事にしている名言はありますか。そもそも名言や座右の銘を持っておくことは必要なのでしょうか?
受験勉強や試験勉強中、やる気が落ちそうなときにモチベーションが上がる名言は数多くあります。まずは受験生が自分の糧に名言を持っておくメリットをご紹介します。
勉強のやる気がうまれる
なかなか自分の点数があがらず、勉強を放り出してしまったり、モチベーションがなくなってしまうことはありませんか。そんなとき、先生や家族、友人のちょっとした一言に救われた経験もあるのではないでしょうか。
同じように、先人たちの言葉は心に響き、心に火をつけてモチベーションを維持できます。毎日自分の目に入るところに名言を書いておけば、やる気を失うことなく勉強に取り組めます。
自分の悩みが解決される
受験期はただでさえストレスがかかっているものです。模試やテストの点数が上がらなくて悩んだり、このままの勉強法を続けていていいのか不安になることが多いと思います。
そんなときに今の自分に自信を持ち、前を向いて勉強を進めるために名言が必要なのです。勉強に対して前向きに取り組めるようになったり、不安になって志望校を下げてしまうこともなくなります。
受験時の最大の敵は自分だと言われていますが、そんな自分に勝つためにも大切にしている名言は必要です。
受験のモチベーションを上げる名言
まずは、やる気がなくなったときに参考にしたい名言を紹介していきます。
「君が諦めるときは、他の誰かが勝利するときだ」-コービー・ブライアント(バスケットボール選手)
コービー・ブライアント氏はNBAのバスケットボール選手で、マイケル・ジョーダンの後継者とも言われていました。史上最高のスコアラーの一人であり、彼が残した伝説は数え切れません。
この言葉は受験勉強にも当てはまるのではないでしょうか。今諦めてしまったら、自分の代わりに誰か他の人が志望校に合格するかもしれません。そう考えると、不思議と勉強したいと思えるのではないでしょうか。
「自分自身を裏切らない努力の姿勢が未来の結果として現れてくる」-羽生善治(将棋棋士)
羽生善治氏は、かつて天才中学生棋士として知られ、25歳で将棋界史上初の七大タイトル制覇、57歳で全ての永世資格を達成し将棋界初の永世七冠となるなど、将棋界に衝撃を与えました。
幼い頃から努力を重ねた彼のように、自分自身に正直に努力を続けると、自分にとって最高の結果が得られるように感じられます。
喜びとは勝利それ自体にではなく途中の戦い、努力、苦闘の中にある。-ガンジー(政治指導者)
ガンジー氏はインド独立の立役者として、民衆暴動やゲリラ戦の形をとらず「非暴力、不服従」を提唱し、インドのイギリスからの独立運動を指揮しました。
受験においては、最終的に合格することももちろん大事ですが今自分たちが一生懸命勉強している時間にも価値があるのです。今現在の努力の意義を思わせてくれる言葉です。
ガンジー氏自身が経験した苦労からこの言葉が生まれたと思うと、自分も受験勉強を頑張れるように思えます。
不安を解消してくれる名言
ついメンタルが落ち込んで、勉強が手につかなくなってしまったり、悲観的になったり、八つ当たりをして自己嫌悪になったり。そんな不安定な時に心の支えになってくれる名言をご紹介します。
“Life can only be understood backwards, but it must be lived forwards.”-セーレン・キルケゴール(哲学者)
セーレン・キルケゴールは、デンマークの哲学者で、「実存主義の父」とも呼ばれている思想家です。
受験勉強をしていると、ついつい前回の模試の結果を気にして落ち込んだり、自分はダメだと思ってしまいます。この言葉は、過去の結果にとらわれることなく、前を向いて勉強を続けていくことを後押ししてくれる力があります。
自分ならできると信じれば、半分は達成されたようなものだ。-セオドア・ルーズベルト(第26代アメリカ大統領)
セオドア・ルーズベルト氏は進歩党の創設者であり、第26代アメリカ大統領でもあります。 また政治家としての業績と同じくらい、軍人、作家、ハンター、探検家、自然主義者としても活躍した、多才な人としても知られています。
自分が志望校に合格できるのかどうか不安になる局面も多いかと思います。しかし、自分自身が「自分ならできる!」と信じれば、受験の道のりの半分は終わっていると言っても過言ではありません。何よりも自分自身を信じることが大切なのです。
東大生が実際に参考にしている名言
ここからは現役東大生にアンケートをとり、実際に参考にしていた名言を紹介していきます。受験期に参考にしたものもあれば、今でも大事にしている言葉もあり、さまざまでした。それぞれの東大生のコメントとともにご紹介します!
「努力だ、勉強だ、それが天才だ。誰よりも、3倍、4倍、5倍勉強する者、それが天才だ。」-野口英世(医師、細菌学者)
「高校受験の時期にであい、勇気とエネルギーをもらった言葉です。人よりも圧倒的に勉強することでしか天才とは闘えないと言われているようで、受験期のみならず定期テストの時にも自分を奮い立たせてくれました。」
野口英世氏は、伝染病などの原因となる細菌を研究した学者でありその有名な功績としては梅毒スピロヘータと神経性疾患との関連の解明にあります。1000円札に描かれていたことから知っている人も多いのではないでしょうか。
数々の功績を残した、いわゆる「天才」といえる彼でさえ人の何倍も勉強していたと思うと、自分も人に負けないよう勉強しようと思えてきます。
「9割が手術前の準備で決まる。手術は、手術する前に終わってしまっている。」-山高篤行(医師)
「NHKの番組「プロフェッショナル」での言葉。当時医師に憧れつつ高校受験を控えていた自分は、この回を録画し何回も何回もみて、山高先生の研究熱心な姿と上記の言葉に勇気をもらっていました。試験会場に着く前に誰よりも勉強してやるという気持ちにさせてくれます。加えてこの言葉を思い出せば、試験会場でも自分を信じて自然と落ち着くことができました。」
受験期にやる気がなくなったときに気持ちを奮い立たせてくれる言葉です。志望校に合格できるかどうかは、試験本番でのパフォーマンスではなく、その前の勉強にあると思うと、普段の学習の意欲が出てきます。
「いいかい、英語はね。どれだけ教えないか、だよ」
「これは、自分が教わっていた英語の先生から,人前で講義をするようになったことを伝えたときに言われたことです。自分が誰かに新しい情報を伝えるときに肝に銘じている言葉。全部を教えたからその人ができるようになるわけではないし、もしかしたら本当のことを言わない方がその人がちゃんと学ぶことができるかもしれない。ずっと残ってる言葉です。」
「疲れたふりをするな」
「疲れていても頑張れる気がしてきます。受験期であっても模試の後に遊びに行っている人なども周りにいたので、そういう人たちを見て、疲れているふりをしているんだろうなと思っていました。そちら側にならなかった理由はこの言葉のおかげかもしれません。」
この言葉を聞いてひやっとする人もいるのではないでしょうか。連日勉強をしていると「これだけ頑張って疲れたし、少し息抜きしようかな」と思ってスマホやゲームをして時間が過ぎる、スタバで勉強するつもりだったのについ友人と話してしまい勉強できなかった経験も多いと思います。
本当に疲れているときは休めばいいですが、大抵の場合は気の緩みや甘えです。つい手を抜いてしまいそうなときにこれを思い出せば、自分を律することができるでしょう。
「置かれた場所で咲きなさい」
「日本一の受験”生”でありたいと思って勉強をしたのはこの言葉があってこそなのかもしれません。」
ついつい志望校に合格した後のことばかり考えてしまう受験生も多いかと思いますが、そうではなく今置かれた環境で最高の自分であろうと考えられるすてきな言葉です。この言葉があれば、受験期もつらくて早く過ぎ去ってほしい時間ではなく、毎日を充実して過ごせるでしょう。
「半人前の夢を笑える一人前を見たことがない」
「東大だ!京大だ!と周りの人に言って笑われることもありましたが、この言葉のおかげでそういったものに全く無関心になって学問をすることができました。」
自分の実力より高い目標を掲げると、最初のうちは無謀だと笑われてしまうかもしれません。しかし、笑ってくる人の意見など瑣末なもので全く気にする必要はないのです。周りの意見に流されて志望校を変えたり、気を病む必要などないことを思い出させてくれます。
まとめ
いかがでしたか。この記事で挙げられているものでなくとも、自分が尊敬する人の名言があると、受験も前向きに乗りこえられます。ぜひ、お気に入りの名言を見つけてみてください。