教師のやりがいとは? -教育の現場で感じる喜びと挑戦

教師のやりがいってなに?

教職員を目指している方は、教師がやりがいを感じる瞬間はどこにあるのか興味があることも多いのではないでしょうか?また一方で、教師の仕事は「やりがい搾取である」としてニュースに取り上げられることも多くなっています。

(参考:https://toyokeizai.net/articles/-/784848?display=b)

労働時間が長く、子どもやその保護者への対応が大変だとして負の側面が取り上げられることが多いのが現状です。しかし、どの仕事でも働いている人は「やりがい」を感じながら仕事をしているはずです。

そこで今回は、学年ごとに教師、先生はどこにやりがいを感じているのかについて詳しく調べました。

目次

いつやりがいを感じるか

さっそくやりがいを感じる瞬間について見ていきましょう。やりがいを感じる瞬間は人それぞれですが、その中でも特に多い意見をピックアップしました。

生徒の成長を実感

生徒を一番近くで見ている先生にとって、生徒の成長を感じる瞬間は何よりやりがいを感じる瞬間です。30人近くの生徒と毎日のように関わり、それぞれの児童・生徒が成長する過程を見守り、時にサポートできるのは教師しかいません。

教師の仕事として、勉強を教えて学力を上げることももちろん大事ですが、社会に出るための準備として、人間としてさらに成長させることも大きな役割です。日常で発生する、時に困難な出来事を乗りこえて成長した児童・生徒を見てやりがいを感じることが多いです。

成長を見て己の成長に

教師としての仕事は、もちろん生徒に知識を与えることです。しかし、実際の現場では自分たちが教えること以上に生徒から教わることも多いのだといいます。

毎日のように関わっていく中で生徒の考え方にハッとさせられたり、より効果的に指導するための方法を模索したりする中で、教師自身も大きく成長できるのです。

生徒のさらなる活躍を知った時

卒業後のさらなる活躍を感じられるのも教師の特権ではないでしょうか。長い時間一緒に過ごした生徒が、卒業後に各地で活躍したり、各自の夢を追いかけている様子を聞くと、在学中に真摯(しんし)に向き合って良かったとやりがいを感じるのです。

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【学年別】教師がやりがいを感じる瞬間

教師とひとくくりに言っても、どの年代の子どもと関わるかによって大事なこと、やりがいが変わってきます。保育園から高校まで、一つずつ見ていきましょう!

保育園・幼稚園

保育士や幼稚園教諭は小さな命を預かり、勉強ではなく遊びや生活のことを教えるという点で他の教員とは異なります。責任感が重くはありますが、子どもと密接に関わるからこそ感じられるやりがいが多くあります。

「笑顔」を引き出せたとき

まだ親御さんと離れることに慣れていない子どもも多く、泣き出してしまうことが多い中で、自分が相手をしたり、自分が考えたゲームを通じて子どもが笑顔になってくれたときにやりがいを感じる人が多いです。何より、子どもの笑顔を見ているとこちらの疲れが飛んでしまうほど癒やされるといいます。

また自分が深く関わり、楽しい思い出を増やすことで次第に信頼関係が生まれます。会ったときに真っ先に近づいてくれる子どもを見ると、頑張って良かったと思えます。

保護者に感謝されたとき

子どもがまだ小さいため、保育士や幼稚園教諭は子どもの保護者と密接に関わる必要があります。保護者も慣れない育児のため、わからないことや手の届かないところが多くあります。それに対して、保育士や幼稚園教諭は育児の知識が豊富なため相談を受けたり、園内での指導に対して感謝されることが多いのです。「いつもありがとう」「助かった」などと声をかけてもらった際にやりがいを感じることが多いのです。

小学校

小学校の先生は、最大で6年間も児童に関わる点で特別な存在です。また6歳から12歳までという人格形成に深く関わる期間に関わることができるのは小学校の先生の特権です。

児童が新しいことを覚えてくれたとき

小学校では、文字や四則演算などこれからの学習や生活をしていく上で基礎となるさまざまな知識を教えなくてはなりません。今まで知らなかったことを学んでくれたり、次第に積極的に授業に参加してくれたりするのを感じると大きなやりがいを感じます。

児童が人間として成長したとき

集団生活に不慣れな児童も多く、感情のコントロールも始めは難しい人が多いです。そんな中でけんかをしても仲直りができるようになったり、各行事で全員が力を合わせていく様子にやりがいを感じる先生も多いです。

子どもの成長のためのアプローチ方法や介入の度合いに悩むことも多いですが、こちらが言いたいことが伝わっているのを感じられると、そのぶん喜びが大きいのです。

中学校

中学校は小学校より勉強が難しくなって定期テストがあったり、部活動が始まったりとこれまでとは違う活動をすることが増えてきます。また義務教育の最終課程なこともあり、一人前の大人になるための最後のとりでだとも言えます。そんな中学校ならではの教師のやりがいもあります。

勉強や部活動の楽しさを伝えられたとき

中学校では、勉強においてはより専門性の高い事項を学習する必要があります。そのため勉強が苦手な生徒は投げ出してしまうこともありますが、勉強が苦手な子にも得意な子にも、授業や個別の指導を通して真摯(しんし)に向き合った結果、「授業面白かった」「この単元好きかも」など声をかけられるときにやりがいを感じます。

また部活動の中で生徒と深く関わることも多いです。スポーツや美術など、その部活動の活動内容を心から楽しんでもらうことも嬉しいですが、先輩、後輩の関係性を通じて仲間としての意識が芽生えていたり、成し遂げたことに対して達成感を感じている瞬間に立ち会えると、指導していて良かったと思えます。

生徒が人間として成長してくれたとき

中学校では小学校では経験できないことが多くあります。例えば先輩、後輩の関係性や行事を自分たちで企画することも初めての人が多いです。そのため、困難にぶつかったり、仲が悪くなってしまうこともありますが、それを乗りこえる方法を自分たちで編み出し、集団の一員として活動している様子を見てやりがいを感じるのだと言います。社会に出る上で必要最低限の礼儀や常識を身につける過程は生徒にとって、そして教師にとってもかけがえのない瞬間なのです。

高等学校

高校は自分で選んで来ている生徒が多く、学力ややりたいことがほとんどが同じであることが多いですが、逆にその進路は多種多様です。個別の対応が難しいとも言えますが、その分やりがいも大きいです。

生徒と一緒に成長できたとき

高校生は15〜18歳という子どもと大人の間の存在です。一人ひとりと向き合っていく中で、今までなかった考え方や、高校生ならではの価値観を知ることができます。ダメなところは指摘しつつ、一人の大人として対等に向き合えたときにやりがいを感じると言います。

価値観や専門知識を伝えられたとき

高校生はそのまま就職したり、大学や専門学校に進学したりと多様な進路を歩みます。そのため高校在学期間中に自分の将来の目標を決める必要があります。将来の夢を決める中で、先生自身の専門の知識をいかして指導したり、世の中のさまざまな価値観を伝えていくことが生徒にとってかけがえのないものになります。

そうして成長した生徒が自分の目標をしっかり持ち、卒業後努力しているのを見守ることも教師のやりがいの一つです。

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日々の業務での課題

教師としてやりがいを感じる瞬間は多くありますが、一人ひとりに向き合う中で課題となる瞬間もたくさんあります。そのうちいくつかご紹介します。

自由時間が少ない

生徒それぞれに向き合うには、生徒の数だけアプローチ方法を考える必要があります。また一人でも多くの生徒にとって有意義な授業を作るために授業計画も立てなくてはなりません。しかし、その時間が十分に確保できないことも多いのです。

他の業務量が多く、十分に考える時間が取れないまま時間が過ぎてしまうこともあります。そうならないように持ち帰り業務があったり、隙間時間を使うことで少しでも多くの時間を捻出していくことが必要になります。

保護者との関わり

保護者はいつだって自分の子どもが適切な教育を受けているかどうかを気にします。日常の指導に対しての齟齬(そご)が生まれたり、保護者の要望を全てかなえられないときに、保護者との関係が悪くなってしまうこともあります。直接コミュニケーションを取れる時間が少ないため、書面などでも真摯(しんし)に対応して連携して教育することが必要になります。

まとめ

いかがでしたか。教師のやりがいは、何か特別な出来事が起こった時ではなく、意外と日常のささいなことにあるのです。今後の自分の進路や普段の生活の参考にしてみてください!

参考:教育新聞「教師のやりがいトップは子どもの成長実感 職業観を調査

Teach for Japan「教師のやりがいと課題は?現役教師と教師経験者が考えること!


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この記事を書いた人

東京大学で薬学や心理学を中心に勉強しています。高校時代に発達障害の方とその支援者を中心に様々な人と関わってきた経験があり、人と話しその人の人生を知るのが好き。ボカロとお笑いが大好き。

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