※本稿は、桜木健二・相生昌悟(著)『東大入試徹底解明 ドラゴン現代文』(文英堂)の一部を再編集したものです。
「現代文」が得意とはどういうことか
皆さんは「現代文」は得意でしょうか?
例えば「数学や物理が得意」、あるいは「英語や歴史が得意」という人はそれなりにいますし、皆さんもそういった人のことはイメージしやすいでしょう。
しかし「現代文」が得意といった人はあまり聞きません。それはなぜでしょうか?
おそらくこのことについては多種多少な解釈が可能でしょうが、一つ理由を挙げるとするならばそれは「現代文が得意」ということがどういうことなのかを上手くイメージできないからでしょう。
このことは恐らく「現代文」という科目それ自体へのイメージとも関わっています。つまり、「現代文は対策してもあまり点数に直結しない」、「現代文に具体的な勉強法は特にない」、「ある程度頭がはたらく人ならだいたい皆文章は読める」といったような「現代文」に対するある種の偏見です。
この本はそのような「現代文」に対する偏見をぶっ壊し、「現代文」の問題を解く道筋をこれでもかというほどはっきりとさせる、そのために書かれた本です。
現代文は、建築物だ!
タイトルにもあるように、この本は漫画『ドラゴン桜』や東大入試で実際に出題された過去問を取り上げながら、現代文攻略への道筋を読者と共に歩みます。
そしてその道を歩む前に、この本の内容のキーともなる重要な言葉が掲げられます。
それは「現代文は、建築物だ!」という言葉です。
「文」という材料をもとに、明快な「論理構造」のもとで「文章」を組み立てる。それこそが「現代文は、建築物だ!」という言葉の所以であり、それさえ理解すれば解けない「現代文」の問題などない。
このことを徹底的に読者に伝えるために、本書は例題解説の前に論理構造をもとにした「全体構造図」を載せています。文章の細部まで徹底的に、厳密かつわかりやすく描きなおされた「現代文」は、まさに美しい「建築物」のように壮観です。
本書を手に取った方はぜひ例題と「全体構造図」をそばに置きながら、自分なりの回答を作るために手を動かしてみてください。
あなたの「現代文」に対するイメージが、根本から覆るはずです。
東大入試徹底解明 ドラゴン現代文
著者:桜木健二・相生昌悟
出版:文英堂(2022/10/4)