【試し読み】東大生と学ぶ語彙力

※本稿は、西岡壱誠(著)『東大生と学ぶ語彙力』(ちくまプリマー新書)の一部を再編集したものです。

語彙力はなぜ大事なのか?

「頭が良くなりたい!」「でも、頑張ってもあんまり成績上がらないんだよな!」
そう思ったことはありませんか?

僕はあります。めっちゃあります。なぜなら、僕は小中高ずっと、東大合格者なんていない学校の学年ビリで、赤点ばかり取っている、「勉強できない子」だったからです。東大を目指して必死に勉強を始めた時、やはり一番の悩みになったのが、「どうすれば成績が上がるのか」ということでした。一念発起して勉強に向き合い、頑張って平日3時間勉強しても、大好きだったゲームと漫画を封印して1週間で50時間勉強しても、あんまり成績が伸びなかったのです。
「なんで自分はこんなに勉強ができないんだ。やっぱり勉強ができるかできないかは、生まれつきの才能なのか?!」と悩んで、僕はある行動に出ました。僕のその当時の実力にはまったく見合っていない、東大受験生しかいないようなめちゃくちゃレベルの高い塾の講習に行き、東大を受験する人はどんな人たちなのか探ってみたのです。

そこで、僕はあることに気づきました。
「あ、この人たちと自分とは、そもそも使っている言葉自体が全然違うわ」と。
頭のいい人たちは、慣用句も四字熟語も、ことわざも専門用語も、日常会話のレベルからずっと使っていました。

「もしかして、普段使っている言葉の差や知っている言葉の量の差が、学力の差になっているんじゃないか」、そう思って観察していくと、自分の仮説は当たっていました。

言葉の知識=語彙力こそが、頭の良さを作る源泉

このことに気づいたのです。教科書や普段の授業に登場する言葉の意味をぼんやりとしか理解しておらず、その状態で勉強していえるものだから、基礎がガタガタで、何時間勉強しても穴の開いたバケツに水を入れるかのように何もうまくいかなかったのです。
東大を受験する人たちや、東大に合格している人たちは、みんなこの語彙力に長けています。言葉をよく知っているだけでなく、漢字の勉強をしっかりしているから、「この言葉はこういう意味だろう」という類推もうまく、どんな勉強をしてもどんどん知識を吸収できるのです。

ということで、東大受験者の語彙力の高さに気づいた僕は、各教科の勉強をする前に語彙をたくさん学習しました。すると、あんなに上がらなかった成績が一気に上がって、最終的に東大に合格できたのです。

言葉の力が身につけば、教科書に書いてあることも、先生のいうことも、よりクリアになって、より理解しやすくなると思います。

頭が良くなるためには、語彙力が必要なのです。

この本について

本書は、そんな僕の経験から、「語彙力をつけるにはどうすればいいか」「頭が良くなりたいなら知っておくべき語彙」をご紹介するものです。

また、本書の執筆にあたって現役の東大生たちにも協力してもらいました。自分たちが受験勉強していたときに知って役に立った語彙や、受験勉強をする「前」に知っておいてほしいと思う語彙、そもそもどんな力のことを「語彙力」と呼ぶのかなど、相談しながら書いていきました。そのため、僕たちの実体験も大いに反映された内容になっています。

そしてもう一つ、本書の特徴として、この本は全体を通して極力簡単な言葉を使って書いています。せっかく「語彙力をつけたい」と思って本書をひらいたみなさんが、立ち止まることなく、最後まで読み通せるような本を目指しました。

この本が、あなたの「勉強を楽しめるようになるきっかけ」になれば、こんなにうれしいことはありません。


東大生と学ぶ語彙力
著者:西岡 壱誠
出版:ちくまプリマー新書(2023/12/10)

目次:
PART1 語彙力はなぜ大事なのか
第1章 語彙力はすべての基礎である
語彙力はランニングと同じ?/意味の丸暗記は語彙力ではない/ぼんやり理解ではもったいない

第2章 実は日本語をみんな知らない
語彙力の勉強は簡単なものから!/「プレーン」ってどんな味?/「プレーン」から広がる語彙力/「信用」と「信頼」はどう違うのか?/小さな違いでニュアンスが変わる/あなたは「変化」を知っているか?/変化には「前」と「後」がある/言葉の使い方を普段から意識する/語彙の勉強は深く狭く!

PART2 5教科それぞれの重要語彙
第3章 数学の理解に欠かせない言葉
「率」という言葉を制す/「累積」ってなんだっけ?/「因数」と「約数」を理解する/「必要」条件と「十分」条件/「数学的帰納法」は「演繹法」􃾗/「定義」「定理」「公理」の違い/数学には二つの「連続」がある

第4章 理科の「ことわり」を言葉から知る
理科の理とはなにか?/理科は筋道を探究する/プラス・マイナスが「陰・陽」のワケ/「蒸発」と「沸騰」の差/頻出する「飽和」をマスターする/「不斉」の「斉」を知る

第5章 社会は用語を一つずつ理解しよう
「資源」をいくつあげられる?/「偏在」と「遍在」は真逆!/「食料」と「食糧」の使い分け/歴史で使われる「回復」は超重要/公地公民の「公」ってなに?/「冊封・朝貢」でわかる東アジア/歴史は「凋落」のくり返しだ!

第6章 英語の語彙力=暗記した単語数?
カタカナ語の元をたどる/「end」は「終わり」だけじゃない!/「フィナーレ」から経済まで/「ターム」から派生する言葉/「フォーム=形」を応用する/「vivid」の「vi」に着目/英語は接頭辞で推測できる!

PART3 実践問題で語彙力を鍛えよう
第7章 日本語↔英語の両面から学ぶ
『人間失格』を英訳してみよう/「あいつら全員同窓会」を英訳すると?/和英辞典と国語辞典を両方使おう!/翻訳の実践問題

第8章 共通テストの新傾向に備える
漢字一字を深く理解する/古語は語彙力の源泉􃾗/漢字一字が持つ複数の意味を理解する問題


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私たちの講師は現役東大生で 偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠をはじめ、地域格差や経済格差などの多様な逆境を乗り越えた講師たちが、生徒の皆さんに寄り添って全力でサポートいたします。

ご質問やご相談だけでも結構ですので、お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

教育事業や出版事業での取り組みを様々な媒体を通して発信しています。自社メディア「カルペディア」では、「人生を”ちょっと”前のめりに」をテーマに、教育・学習を取り巻く様々な疑問・関心について記事を掲載しています。

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