※本稿は、東大カルペ・ディエム(著)、西岡壱誠(監修)『東大生が教える「戦争の終わり方」の歴史』(星海社新書)の一部を再編集したものです。
どうして戦争はなくならないのだろうか
昨今、歴史的・宗教的・地理的な理由により世界中で様々な戦争が起こっています。
特に最近ではなかなか終わりの見えないロシア・ウクライナ間の戦争や、長年の歴史的背景があるハマスとイスラエル間の戦闘のことが皆さんにとっても記憶に新しいでしょう。
過去にも現在でも多種多様な戦争が世界中で起こっており、またおそらく長きにわたる将来においても世界から戦争が全く無くなることはないでしょう。
それでは戦争はなぜなくならないのでしょうか?また一つの戦争はなぜ、あるいはどうやって終わりを迎えるのでしょうか?
私たち東大カルペ・ディエムの東大生が真剣に考えてみました。
どうしたら戦争は終わるだろうか?
「戦争はどちらかが勝てば終わるだろう」と言いたくなる人もいるかもしれません。
たしかにそれはそうかもしれません。しかし歴史を振り返ると、単純な軍隊の勝ち負けで戦争が終わるというだけでなく
戦争には非常に多種多様な終わり方があるのです。
南軍の首都の陥落により終結したアメリカ南北戦争、双方激しい消耗戦になり現在も領土問題が燻るフォークランド戦争、ヨーロッパ最大の宗教戦争であり世界初の国際条約でもって終結した三十年戦争、……
私たちは歴史上の様々な戦争から特に31個ピックアップし、それを「軍隊の勝利・敗北」・「領土の占領や戦力の枯渇」・「宗教問題が関わり、長期化したり特徴的な終わり方になった」・「両者の妥協によって終わった」・「複数国が関わって複雑化した」という5つのパターンに分けて戦争の終わり方に関する分析を行いました。
そして最終的に、現在も続いているロシア・ウクライナ間の戦争について私たち東大カルペ・ディエムの東大生たちが終わり方の予想を提示します。
世界史上の意義としても重要であると思われる戦争を31個選び取っているため、学校で世界史を学んでいる学生の皆さんは学習内容と照らし合わせながら読むのも面白いでしょう。
また世界史を学校で学んでいるわけではなくとも、現在も世界中で起きている様々な戦争問題について皆さんが考えるときにはこの本がきっと一つのヒントになると思います。
東大生が教える「戦争の終わり方」の歴史
著者:東大カルペ・ディエム 監修:西岡壱誠
出版:星海社新書(2023/10/25)
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