※本稿は、西岡壱誠(著)『東大ドリル – “なぞなぞ”&“身近なテーマ”で楽しみながら「自分で考える力」を鍛える』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。
これからの時代で求められるのは「知識量」ではなく「思考力」
牛乳といえば日本では北海道で生産されているイメージを持つ人が多いですが、東京のスーパーやコンビニで売られている牛乳は、群馬県・栃木県などの北関東で作られたものが多いです。なぜ北関東の牛乳が多いのか答えなさい。
一見するとただのクイズのような問題で、これが解けるか解けないかでは「頭のよさ」は測れないと考える人も多いと思います。しかし実は、この問題が解けるか解けないかで、「これからの時代に対応できるかどうか」がはっきり分かれるのです。
もったいぶらずに答えを言ってしまえば、牛乳って腐りやすいですよね?みなさんも賞味期限を気にして牛乳を購入すると思います。そう考えると、牛乳の消費量が多いであろう東京は、北海道からみると少し距離がありますよね。だから、東京に近い地域で牛乳を作ることで、少しでも賞味期限が長く鮮度の良い牛乳を店頭に並べようとしているのです。
・・・聞いてしまえば、なんということもありませんよね?
この問題を解く上で必要な知識は1つしかありません。それは近郊農業の知識です。つまり、「市場となっている都市の近郊で農作物を作ることで、鮮度を維持したまま出荷できる」ということです。これは小学生の社会の時間で誰でも習う内容です。
しかし、それを知っていたとしても、その持っている知識を問題解決に活かすことができず、解けなかった人も多いと思います。繰り返しにはなりますが、
この問題が問うているのは「考える力」、つまり「思考力」なのです
この本をいいなと思ってくださった皆さんに向けて
『東大ドリル』という名前のこの本はいいなと思ってくださったみなさんの中には、もしかしたら
・この本の問題を解けば、東大生並みにすごくいろんな知識が身につくんじゃないか?
・知識を増やすために、この本を読んでみようかな?
と考えて手に取ってくださった方もいるかもしれません。しかし、この本はそのような、何かに役立つ知識をまとめた本ではありません。
というのも、東大生をはじめ、頭のいい人に対して抱いているイメージとして物知りというものがあります。色んなことを知っている人のことを僕たちは頭がいいと呼びがちです。しかし、「頭のよさ」とは実は、知識だけに現れるのではないのです。
AIが普及し、ネットでなんでも調べられる今の時代における真に頭が良い人というのは、
勉強・暗記した知識や情報をど活用するのがうまい人
なのです。
なにもこれは一人の意見ではありません。
僕の入学式の日に、当時の東大総長が
「私たちは知識の量ではなく、基本となる知識を柔軟な発想によって使いこなす力こそが学びへの備えとして最も大切だと考えています。そのような期待も込めて(入学試験を)出題させていただきました」
と。
勿論、最低限の知識は前提となります。しかし、真に東大生が秀でているのは知識を活用できる能力なのです。
この本は、そんな知識を活用できる能力を育むため、アウトプットを重視したドリルになっています。
中に書かれている問題がすぐに解けなくても問題ありません。「解けない」「分からない」と苦戦することが、皆さんの思考を深めてくれるのです。
東大ドリル – “なぞなぞ”&“身近なテーマ”で楽しみながら「自分で考える力」を鍛える
著者:西岡 壱誠
出版:ワニブックス(2019/4/27)
公式サイトにて、カルぺ・ディエムが提供している具体的なサービスを紹介中!
カルペ・ディエムでは、学校様・保護者様のお悩みに対応した講演・講座・ワークショップをご提案&実施しております。
生徒の皆さんの大学選び&学部選びのワークショップ、モチベーションアップを目的とした講演、探究学習授業、長期休暇の学習合宿、難関大学合格を目指した通年プロジェクトなど、さまざまなプランをご用意しています。
講師は現役東大生!偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠をはじめとして、地域格差・経済格差など、さまざまな逆境を乗り越えた現講師たちが、生徒に寄り添って対応します。
ご相談から受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。