東大入試で出題される英語問題は、その難易度、問題の分量に対して試験時間が短いことで知られています。
そのため、この入試を攻略するためには単語を見た時に少し考えてから思い出すのではなく、すぐに思い出さなければいけません。
そこで今回、本記事では現役東大生である著者がその問題をクリアすべく、行っていた勉強法について紹介します。
単語力を鍛えて英語読解のスピードを上げよう
これを読んでいる日本語を母語とする多くの方々はappleという英語から、0.1秒でりんごという意味またはりんごの絵をイメージするでしょう。
そのためappleが出てくるような文(例:The apple is a kind of fruit.)を読んだ時に、appleではつまずきにくいと思います。
しかしこれが例えばappleではなくもっと難しい英単語だとどうでしょうか?
The persimmon is a kind of fruit. (柿は果物の一種です。)
馴染みのない単語が出てくると同じ構文であっても理解に時間がかかりますよね。
そのため英語を素早く読解するためには文法力に加えて単語力が必須となります。
読解スピードを上げるための2つの勉強法
英単語を覚える時、単語帳に書いてある和訳と一対一で覚えると思います。
例えばcontroversialという単語を覚えるとしましょう。辞書的な意味は「物議を醸す」。
この単語はappleとは異なり、慣れるまではおそらく意味を思い出すのに時間を要するはずです。
そしてリーディングをするとなると、文脈を踏まえcontroversial、すなわち「物議を醸す」とはどんなことなのかを頭でイメージして理解する必要があります。
つまり日本語話者が英文を読む時、controversial→物議を醸す→状況を頭でイメージする。という三つの過程があり、controversial→「物議を醸す」の過程に時間を要すれば要するほど内容理解が遅くなってしまうのです。
では早く内容を理解するにはどうすればいいのか。大きく二つの方法があります。
①和訳が瞬時に出るようにする。
これは非常にシンプルで、appleという単語を見たらすぐに「りんご」という和訳が思い浮かぶようにする方法です。
繰り返し英単語から瞬時に翻訳する訓練を積むことで、英文の中で出てきても詰まることなくスムーズに読むことができますね。

②英語から日本語を介さず意味を脳内でイメージする。
appleを例にとってみましょう。appleという英単語を見たらすぐにこれを頭にイメージするのが①ですね。

日本語のりんごという訳が出るより先に視覚的なイメージとして頭に浮かべる。すると内容を理解する上でいちいち訳す必要がないので早く読み進められます。
これができる人にとって、appleはりんごではないわけです。
ではそのように単語を覚えるにはどうすればいいのでしょうか。
英単語は「語源」に注目して覚えよう
私は「語源」で単語を覚えるという勉強法を実践していました。
語源と言う言葉を聞いたことがあるでしょうか?多くの英単語には語源というものがあります。
日本語で近いものをあげるなら漢字の成り立ちでしょうか。鳴と言う字は口と鳥が組み合わさり、鳥が鳴くと言う意味になりますね。
これと似たことが英語でもあるのです。
例えばimportという単語を考えてみましょう。
こちらは要素で分解すると im(in):中へ、port:運ぶ となり、よく英単語帳で書かれる訳は「輸入する」です。
しかしimportの意味は「輸入する」だけではありません。例えば次の例文を見てみましょう。
Don’t import personal feelings into an objective discussion.(客観的な議論に個人的な感情を持ち込むな)
この例文ではimportを持ち込むという意味で使っていますね。そのため、import=輸入するという一対一の覚え方をしていたらまず訳は文脈に合わなくなります。
import=中へ運ぶというイメージさえ覚えていれば、「輸入する」であれ「持ち込む」であれ、とりあえず「中にものが入る」という状況は理解でき、そこから派生して文脈に即した訳をすることができます。
加えて、語源を覚えると他の関連語もまとめて覚えることができます。
例えばimportの対義語exportは、in(中へ)↔︎ex(外へ)という関係から「輸出する」という意味になります。
port(運ぶ)という意味から~able(可能である)を組み合わせて派生すればportable(携帯可能な)。この単語はポータブル充電器など、カタカナ語としてかなり浸透していますね。
このような派生を図にするとこのようになります。

ちなみに序盤でご紹介したcontroversialも、日本語訳された「物議を醸す」ですら簡単ではないため、
語源で分解してみると contro:反対、versial:言葉、言う となります。
反対の対立する意見が飛び交う、物議を醸すような状態に結びつきます。なおcontroはコントラストを連想すると覚えやすいですね。
このように語源を用いると単語をその核となるイメージで覚えることができます。中にはこじつけのようですぐに消化できない語源もありますが、語源を意識する単語の覚え方は非常におすすめです。
なおこのような覚え方は河野玄斗さんのこちらの動画でも紹介されているので参考にしてみましょう!
まとめ
今回紹介した①②の勉強法を使うことで、単語を覚えつつ英文読解も早くすることができるでしょう。加えてリスニングでも活きるということを強調させていただきたいです。
リーディングは遅かれ早かれ自分のペースで読むことができますが、リスニングはそうはいきません。「今の単語なんて意味だっけ?」と、数秒でも意識を音声から離して終えば、内容に追いつけなくなることはざらにあります。
英語を読み聞きする際はできるだけ早く意味を理解することが重要です。理想はネイティブのように理解することですが、それは日本語話者にとって簡単ではありません。
そのため単語を勉強するときから意味を思い出すスピードを意識しましょう。単語を覚えたか覚えていないかという以上に、覚えているなら何秒で意味を言えるのかと言う面で精度を上げることが英語上達の一つの手段になるはずです。
今回の内容はこちらのYouTube動画でも紹介されているのでぜひ合わせてご視聴ください!


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