親子で話そう!高校受験っていつから対策すべき?

親子で話そう!高校受験っていつから対策すべき?

皆さんこんにちは。教育事業部の永田です。

いよいよ今年度も終わりですね。

ちょうどこの前、2月25日、26日にかけて国公立大学の二次試験が行われ、まさに受験シーズンでしたね。そこで今回の記事では、もう一つの受験、ズバリ「高校受験」について紹介しようと思っています。

僕は愛知県出身で、自分が住んでいる学区の小中学校に通っていたので、高校受験が人生で初めての「受験」になりました。おそらく、高校受験を受ける人はそれが初めての受験になる人が多いと思います。しかし、毎年大々的に報道される大学受験とは違って、情報が調べても出てこなかったり、どの問題集を使えば良いかが分からなかったりする人もいるでしょう。

今回はそんな方のために、「この記事さえ読めば高校受験に安心して挑める!」となる記事を書いてみました。受験に少しでも不安がある方は、ぜひ今から一緒に高校受験の基礎知識について確認していきましょう!

目次

そもそも高校ってどんなところ?

高校受験やその対策についての話の前に、大前提として「高校」とはどんなところなのかの説明から入りましょう。高校受験を受ける中学生のために、いくつかのポイントで中学と高校を比較しながら解説します!

中学と高校の違い

①義務教育かどうか

まず1つ目は、義務教育かどうかです。これがやはり一番大きな差と言えるでしょう。

義務教育とは、日本国憲法の第26条で定められている「教育を受ける義務」のことです。

正確にいえば、親に対するその子など、保護している子供に対して教育を「受けさせる」義務とされていますが、日本ではすべての人が中学校までの義務教育課程を修了することが義務づけられています。中学受験などを行わずに地元の公立中学に進む場合、入学に際して試験はなく、全員が入学できます。さらに、授業料は無償で、成績や出席日数にかかわらず卒業できることが保障されています。

一方、高校は義務教育ではありません。中学校のように誰でも入れるわけではなく、行きたい人が入試を受けて入ることになります。つまり、ここから先は皆さんが自分の意思で学ぶということです。

高校での教育は義務付けられていないため、成績があまりにも悪い場合や、欠席日数が多すぎると、留年・退学になることがあります。そして、中学校までは無償であった授業料も、基本的には有償になります。

②授業の種類の多さと時間の長さ

2つ目は、授業の多さ、長さです。

中学校よりも学習指導要領で定められている勉強量が増えるため、それに比例して授業時間も長くなり、授業の内容も濃密になります。今までは「国語・数学・英語・理科・社会」という名前で授業が行われていた主要5教科は、高校ではさらに「現代文」「古典」「物理」「化学」などと細分化されます。内容が多くなったから、科目をより細かく分ける必要が出てくるのですね。このようにボリューミーになった学習指導要領を全てカバーするためにも、授業時間が5分10分伸びたり、中学校ではなかった「7時間目」「8時間目」が登場したりすることもあります。

中学校の授業ではおそらく、クラスメイトと同じ授業を受けていたでしょう。しかし、高校では目指す大学により異なる授業を自分で選択するようになります。これも、中学校からの大きな変化点ですね。大学や学部・学科によって必要な受験科目が異なるため、自分で必要な科目を選択する必要があるのです。

③部活動や課外活動の扱われ方

中学校と高校では、部活動や課外活動の扱われ方にも大きな違いがあります。

高校では部活動の頻度や引退時期などは学校や部活によって違い、部活動に力を入れているいわゆる「強豪校」は、毎日のように朝早くから夜遅くまで部活動に励み、全国大会などに出場して実績を作るところもあります。

もちろん例外もありますが、中学校の部活は顧問の先生がいてはじめて練習ができたり、対外試合ができたりしたと思います。しかし、高校では生徒の主体性が重視されるようになります。そして、練習試合のために県外まで遠征をしたり、長期休みに合宿をしたりすることもあります。

僕も高校時代は硬式野球部に所属して毎日練習に励んでいましたが、そのような経験は仲間との絆を深めることにつながるので、高校選びの際は部活動についても検討してみることをおすすめします。

さて、ここまで中学と高校の違いについて、3つ大きなポイントを挙げて説明しました。他にも様々な違いがあるので、最初は全く新しい生活に慣れずに大変なこともあるでしょう。しかし、高校はその分スケールの大きい楽しいことがたくさんできるので、思いっきり楽しんでほしいと思っています。

そんな高校ですが、皆さんは「私立」「公立」という言葉を聞いたことはありますか?
ここで挙げた「私立高校」「公立高校」という区分以外にも、「大学附属の高校」「共学の高校」「男子校」「女子校」など、高校にはさまざま区分があります。それによって受験のシステムや学校生活も大きく変わってくるので、ここからは高校の区分について簡単にではありますが説明します!

高校にはどんな種類がある?

ここからは、高校の種類についての話です。

僕は愛知県出身で、愛知県立明和高等学校という地元の公立高校に進学しました。ここに「愛知県立」とあるように、都道府県や市などが作った高校のことを「公立高校」といいます。それに対して、民間の団体や人が作った高校を「私立高校」といいます。これは、大学などでも同じ区分がありますね。

また、公立・私立の分け方とは別で、「共学・男子校・女子校」という区分もあります。高校には、男女両性の入学が認められている学校もあれば、男子のみ、女子のみなど片方の性別の生徒の入学のみ認められている学校もあります。近年では、性的マイノリティの方への配慮が色々と話題になっていますが、それでも各都道府県に「男子校」「女子校」は存在しています。それぞれの区分によって学校内で行われることや、課外活動の幅広さなどが変わるので、事前に調べておく必要があるのです。

もちろん学校の授業や行事のスケジュールも変わりますが、ぶっちゃけた話をしてしまうと、私立と公立で一番違うのは「学費」です。東京都教育委員会によると、都立高校(つまり公立高校)の授業料は年間118800円と定められています。それに対し、東京都にある私立高校の授業料は平均して475000円と、およそ4倍もすることが分かります。もちろん学校によって多少の差はありますが、皆さんのイメージ通り、私立高校は公立高校よりも学費がかさむのです。
それに加えて、入学金や制服なども大きな差があります。全国の公立高校の入学金は基本的に一律で5650円なのに対し、私立高校では10万円を超える入学金が課されることもあります。さらに、制服も私立高校の場合は学校指定の場所で買う必要があるため、より費用が高くなるのです。

ここまで説明すると、「私立高校はお金がないと通うことができない」というイメージを持ってしまう人もいるでしょう。しかし、その状況を改善するために様々な取り組みが行われています。

例えば、東京都は私立高校の授業料実質無償化を今年度までに達成させる見込みで活動を進めています。また、学校ごとに特待生制度というものもあり、成績優秀者は授業料が免除されるような仕組みも整えられています。つまり、お金がないから私立に行けない、と完全に決まってしまうわけではないのです。

学校ごとにこのような情報は大きく変わってくるので、自分が行きたい高校にどのような制度があるかは常にチェックするようにしましょう!

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都道府県によって変わる入試形態

さて、ここまで学校の区分や授業料などについて紹介していきました。ここからは、入試の方式や日程についてです。といっても、都道府県や私立・公立の区分などによっても大きく変わってくるので、いくつかの例を抜粋して説明しようと思います。

まず、高校入試は多くの場合、1月〜3月上旬の間に行われます。ざっくりですが、私立高校の推薦入試が1月に、そして私立高校の一般入試が2月の上旬に行われ、公立高校の入試が2月後半〜3月上旬に行われる日程となっています。

僕が実際に経験した愛知県の公立高校の入試は3月6日、9日といったスケジュールでしたが、これはかなり遅い方の日程のようで、今年の東京都の公立高校(都立高校)の入試は一律で2月21日に行われたようでした。この情報だけを見ても、都道府県で大きく変わってくることが分かりますね。入試で出題される問題の形態や、配点についても見ていきましょう。もちろん私立高校はその学校独自の問題を出題しているのですが、実は公立高校でも都道府県によってさまざまな出題傾向や配点のルールがあるのです。

高校受験においてしばしば話題になるのが、「内申点」についてです。内申点とは、調査書に記載されている学習活動の数値化された評価点のことを示します。この調査書とは、学校にいる生徒一人一人の学習活動や学校生活について教員が記載した文書のことで、進学先や就職先の選考資料として用いられます。基本的には、国語数学英語理科社会の主教科5つと、美術・音楽・体育・技術家庭科の副教科4つを合わせた9つの教科にそれぞれ5段階の評価がつき、合計45が最高点となるうちのいくつか、という記載になります。この内申点が高校受験の合否に関わってくるのですが、どのくらいの割合で関わってくるのかも受ける学校によって変わってくるのです。

原則として、当日の試験の出来と、内申点の比重をおおよそ7:3として点数計算をして、合格判定を行うことが推奨されています。しかし、内申点が5割、6割くらいを占める学校や、そもそもその割合が公表されていない学校も、地域によっては存在します。また、内申点は基本的に1年間に3回、つまり中学校生活3年間で9回出されるのですが、3年生の最後の内申点しか使わない学校もあれば、3年生の3回の内申点の平均を使う学校も、さらには1.2年生の内申点まで関係してくる都道府県も存在します。皆さんが受ける学校によっては、すでに合否を分ける戦いは始まっているのです。

自分が受けると決めている学校や、気になっている学校がある人は、ぜひその学校の入試制度を細かく調べてみることをおすすめします。

高校受験までの流れをチェック!

ここまで、高校受験の仕組みについて解説していきました。ここからは実際に、高校受験に向けてどのような勉強をしていけば良いのか、具体的な勉強法を含めて紹介します!

おそらく、一番多くの人が気になるのが、勉強の開始時期でしょう。これに関しては様々な意見がありますが、僕は中学1年生から、常に勉強を受験勉強に繋げる意識が重要だと考えています!

高校受験で出題される問題は、もちろん応用問題もありますが、基本的には中学校の学習指導要領に基づいています。これに掲載されていない単元の問題を出題することはできません。つまり、「習ったことしかテストに出ない」のです。であれば、学校の授業をきちんと聞いて受験勉強に活かす方が賢いと思いませんか?

塾に行ったり、参考書を購入したりするのは、学校で習った知識を強化する、補足するためにはとても効果的です。実際僕も、塾には行っていませんでしたが、各教科の参考書は何冊も買って取り組んでいました。しかし、そのような「補足」的な学習がメインとなってしまい、学校の授業、教科書に書いてある内容の理解が疎かになってしまっては本末転倒なのです。

そのため、「いつから勉強を始めるのか」のアンサーは、「今から」ということになります!日頃の授業から常に受験を意識して勉強や復習を行いつつ、3年生になったタイミングで本格的な受験向けの参考書を買って対策をしていくことをおすすめします。

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模試の風景

模試の活用方法

受験が近づいてくると、入試対策用の模擬試験、通称「模試」を受ける人が増えてくるでしょう。実はこの模試、きちんと意識して受けるかどうかによって、効果が10倍、いや100倍変わるのです!

今回は、模試を受ける前、受ける当日、そして受けた後のポイントを簡潔に紹介していきます。

①模試を受ける前にやること

模試を受ける前に、まず模試の出題範囲や試験時間などの情報を確認しましょう。もちろん、模試は本番の試験ではないので、点数が悪くても全く気にすることはありません。というより、自分が全受験生のどこに位置しているのか知るために点数よりも偏差値を気にするようにしましょう。しかし、「出題範囲が思っていた場所と違った」「時間配分を間違えてしまい、10問以上白紙になってしまった」などと、本来の自分の実力が出せないのは非常に勿体無いです。その理由は、自分の実力が正確に判断できないからです。

模試は、自分の現在地を把握するためにあります。そこで「できること」「できないこと」を確認して、その先の予習や復習に活かしていくのです。そのため、受ける前に自分の実力を発揮する準備をしておきましょう!

②模試を受ける際にやること

模試当日も、気をつけるべきことは変わりません。答えを書く場所を間違えたり、時間配分を間違えたりしないように注意して挑みましょう。できない問題は、今の時点ではどうしようもないので、自分がどの問題でつまずくのか、どの単元が苦手なのかを分析しながら解き進めましょう。解答用紙は回収されてしまうので、問題用紙に自分がわからなかったポイントや悩んだ部分を書いておくと、後から復習するときに見直しやすいかもしれません。

実際に僕は、悩んだ選択肢の番号に〇をつけるということをやっていたので、実践してみることをおすすめします!

③模試を受けた後にやること

最後に、模試を受けた後のポイントを紹介します。ちなみに、ここが「圧倒的に」大事なので、必ず押さえておきましょう!

模試を受けた後は、必ず「すべての」問題を復習してください。よく、間違っていた問題だけを解き直す人もいますが、個人的には合っていた問題も見直すことをおすすめします。なぜなら、合っていた問題も、たまたま選択肢が当たったものや、考え方は違うけど答えが一緒になったものなどが存在するからです。

模試が終わると、分厚い解説書が配られます。そこには、もちろんその問題の解説も載っていますが、英語であれば重要単語の説明や、数学であれば類題や考え方の説明など、他の問題に応用できるような情報がたくさん載っているのです。厚みに気が重くなりがちですが(笑)この解説書を読み込むことで、模試を何倍も活用できるようになります!

まとめ

さて、ここまでいくつかのパートに分かれて、高校受験について紹介していきました。

もちろん、学校によって試験の日程や方式は変わりますが、共通点もたくさんあったのではないでしょうか。どんな学校を受験する場合においても、学校の授業での学習を疎かにしないことはとても重要になります。日々の勉強の積み重ねが、皆さんの志望校合格につながります!

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この記事を書いた人

理系で東京大学に入学したが、教育をより深く学びたいと思い現在は教育学部に所属。高校まではずっと野球部に所属し、大学でも野球を続けている。趣味はピアノと旅行で、旅先のストリートピアノで流行の曲を弾くことが一番の楽しみ。

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