小倉優子さん大学受験:講師が語る「411日間の軌跡」

小倉優子さん大学受験企画:講師が語る411日の軌跡
目次

はじめに:西岡壱誠

我々は、去年の1月から、テレビ番組「100%!アピールちゃん」並びに「月曜の蛙、大海を知る。」で、タレント小倉優子さんに受験指導を行なってきました。

1年間、弊社カルペ・ディエムの様々な東大生講師や、お付き合いのあるベテラン講師の皆様とともに、受験指導に当たってきました。

その結果は、3月6日月曜日のテレビ放送をご覧いただければと思うのですが、やはりこの企画は、非常に僕らにとっても勉強になるものでした。

3人のお子さんを育てながら、芸能活動もされながら、ガチンコで大学受験をして合格をもぎ取るために勉強した、その小倉優子さんの姿から、我々自身が学んだことが多かったのです。

このページでは、その小倉さんの努力の過程を間近で見ていた東大生講師たちから、みなさんに我々が感じたこと・学んだことを共有させていただければと思います。

画像提供:MBS/TBS系「月曜の蛙、大海を知る。」

現代文担当:布施川天馬

僕が現代文を担当したのは短い間でしたが、小倉さんの目覚ましい進歩が見て取れるようでした。

元々、小倉さんは現代文の成績は悪くありませんでした。持ち前の空気を読む力が合いまって、特に選択肢式であれば、かなりの正答率をたたき出してくる印象がありました。一方で、知識的な面については大きな不足を感じられていて、漢字の語彙、熟語の知識、どれをとっても現役受験生としては今一歩劣るようでした。

ですので、小倉さんについてはとにかく言葉の知識を覚えていただくことを優先して教えることにしました。さらに、読解は元々できていましたが、その応用編として、筆者の主張を途切れなく読み進めてもらうために、読んだ文章の100字要約も欠かさずに行うようにしていました。

これらのトレーニングによって、小倉さんの国語力は飛躍的に上昇したように思います。特に、漢字や言葉の知識については、まだまだ完ぺきとは言えないながらも、受験勉強を始めた当初とは比べ物にならないほどの量を蓄えられています。

この一年間、特に他の教科でも追われている中で、現代文に一定の時間を割き続けたのは素晴らしいことです。様々忙しい身でありながら、まる一年間勉強に割いたその底知れない忍耐力と対応力が印象的でした。一年間、お疲れさまでした。

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古文担当:松島かれん

小倉さんは日々お仕事やご家庭での家事育児など大変お忙しくされているにも関わらず、他科目と同様、古文助動詞や読解に関しましてもたくさんの勉強に励まれておりました。

助動詞の識別は覚えなければならないことが多いだけでなく、助動詞が深く身についていないと読解に進むことができないという難しさもあります。そのため、早い段階での習得が欠かせず、多い時には毎日助動詞の試験を作成させていただいておりましたが、小倉さんはいつも試験にご丁寧に取り組んでくださいました。数ヶ月に及ぶ日々の積み重ねの成果は着実に結果に現れ、試験直前期には共通テストと同じ形式の問題で40点を超えることもありました。

小倉さんに古文の助動詞や読解をお伝えさせていただくなかでとても印象的だったことがあります。それは、「少しでも分からないことに出会われたら、その物事を決して、分からないままにしない」というご姿勢でした。少しでも疑問に感じられたことはその場でご質問くださったりと、勉強に真摯に向き合われるお姿に大変感銘を受けると同時に、たくさんのことを小倉さんからお教えいただいたと感じております。

私自身に至らなさも多く、小倉さんにご迷惑をおかけしてしまった瞬間もあったと感じておりますが、お忙しいなかでも、どんな時も勉強にまっすぐ取り組まれる小倉さんのお姿を近くで拝見させていただけたこと、心から幸せに思っております。そして何より、小倉さんに尊敬の気持ちでいっぱいです。改めまして、この場をお借りし、小倉さんに深く感謝申し上げます。

小倉さん、411日間本当にお疲れさまでした。小倉さんに出会えて、私は本当に幸せです。本当にありがとうございました。また、お目にかかれますことを心待ちにいたしております。

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漢文担当:奥村亮太

12月から共通テストまでの2ヶ月足らずの間、漢文を担当させていただきました。
漢文は文章が全て漢字で書かれているため、初めは漢字の知識が不足していて、内容が全くつかめず点数も半分以下という状況でした。そこでまずは『漢文早覚え速答法 共通テスト対応版』に載っている重要漢字を覚えていただくことから始めました。

覚え始めた頃はなかなか記憶が定着せず苦しまれてましたが、諦めることなく何度も復習をされていました。テキストにはびっしりと勉強した形跡が残っていて、これほどの回数をこなしていた人は僕の知る限りいません。最終的には確認テストで何度も満点をとりました!

また勉強し始めのころは、答えの選択肢を一つに決め切ることができず、試験時間内に全ての問題を解ききれないことが多発していました。しかし、わからなくても絶対に試験時間内に解答しきると決めて演習を積むことで、迷うことなく全ての問題に解答できるようになりました。本番に似せた演習では正答率が8割を超えることも多くなり、満点を取れた回もありました!

漢文がテストで占める点数はそう多くはないのですが、それでも小倉さんは毎日欠かすことなく努力し続けてくださり、その熱心な姿勢に感動を覚えました。月並みな言葉ではありますが、小倉さんの受験を通じて講師である僕もまた勉強になることがたくさんありました。短い間ではありましたが、ありがとうございました。

日本史担当:9浪はまい

小倉さんに本格的に日本史を教え始めたのは8月ごろでした。まず基本的な流れを覚えるため、『スピードマスター日本史問題集―日本史B』を使用教材に設定し、毎週のように範囲を4章分の240語と設定して、50問の書き取りテストを行いました。

テストは毎回20~25/50程度の解答率でした。途中で参考書を使ってのテストをやめ、9月〜12月にかけて明治時代〜昭和時代までの講義を行いました。ただの暗記ではなくて、時代の流れや空気によって流行や人物の行動が変わってくることに重点を置いて講義を展開していき、共通テスト前には過去問で60~70%程度の得点が取れるようになりました。

日本史は日々コツコツ勉強を続けることが鍵になります。その中で、家で歴史の漫画を読んだり、ビデオを見たり、CDを聴いたりするといった地道な勉強が実を結んだ形となります。

一年でここまで日本史の学力を上げた人は自分含め、私の記憶にはありません。小倉さんの努力の賜物です。

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英語担当:チャクラボルティ ティティー

私は、11月から共通テストまでの短い間ではありますが、英語を担当しておりました。

はじめは、長文を小倉さんが英文和訳しながら読み進める形で、精読に力を入れた授業を行っていました。基本的な単語力と構文に関しては、11月の時点でかなり身についており、自力で共通テスト程度の文章の意味を読み取ることはできている状態でした。ときどき単語などを混同したり忘れてしまったりすることがありましたが、小倉さんが記憶をたどって正解を探り出すために、すぐに正解を教えずに少し待つようにしていました。

12月は、『入門英文解釈の技術70』という教材を用いて、構文を復習しながら、共通テストより少し複雑な英文の解釈を練習しました。12月末からは、共通テストに向けた実践的な練習に移りました。

小倉さんにとって、最大の壁は、時間との闘いでした。限られた時間内で正解にたどり着くには、速読はもちろん、迷いを捨てて自信をもって解答することが求められます。また、100%理解できないときでも、割り切って読み進める必要があります。小倉さんは、なかなか自分の解答に自信をもつことができず、スピーディーに読み進めることに躊躇してしまっていました。

しかし、練習を重ねるうちに、完全に英文を理解しきれなくても、正解することができるという経験を積み、少しずつ自信を持てるようになったように見えました。

小倉さんの受験指導を通して、私が最も感銘を受けたのは、小倉さんの授業中の集中力です。4時間の授業で、ほとんど休憩を挟むことなく机に向かい続ける姿勢には、小倉さんの並々ならぬ意志が感じられ、大学生の私にとって勉学の原点に立ち返るいい機会となりました。

講師コメントを随時更新予定です!

おわりに

この一年の小倉さんの勉強の頑張りは目を見張るものがありました。

10代の時に勉強をしていなかったことがコンプレックスであった小倉さんは、かつての時間を取り戻すように、猛然と勉強に取り組まれました。朝5時に起きて、仕事や育児をしながら毎晩夜遅くまで勉強を続けるその姿は、受験生の鑑でした。

高い頂を目指す過程で現状の至らなさに苦しみ、嘆いた経験は、全身全霊で努力をしないと得られる類のものではありません。それ自体が、大勢の人が味わうことのできない、何よりも尊い経験なのだと思います。

何のために受験があるのか。
何のために勉強をするのか。
なぜ頑張ることができるのか。

我々、講師たちもまた、小倉さんにこうしたことを考えさせていただき、勉強させていただいた一年でした。
小倉さん、本当にお疲れ様でした。(文責:9浪はまい)

画像提供:MBS/TBS系「月曜の蛙、大海を知る。」

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講師は現役東大生!偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠をはじめとして、地域格差・経済格差など、さまざまな逆境を乗り越えた現講師たちが、生徒に寄り添って対応します。

ご相談から受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

教育事業や出版事業での取り組みを様々な媒体を通して発信しています。自社メディア「カルペディア」では、「人生を”ちょっと”前のめりに」をテーマに、教育・学習を取り巻く様々な疑問・関心について記事を掲載しています。

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