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規模の大きい学校の方が推奨値未満の割合が大きい
文部科学省は4月24日、全国の公立小中高校のうち、文科省が設けたインターネットの通信速度の推奨値を満たしている学校は全体の2割にとどまると発表しました。通信速度の推奨値は、全ての授業で多数の児童生徒が同時に高頻度で端末を使っても通信に支障が生じない状態として設定されています。
学習用端末を1人1台配布するなどして教育のデジタル化を推進する「GIGAスクール構想」を進める中で、動画をスムーズに見れないなど通信速度の遅さを指摘する声が上がっており、文科省が実態調査に乗り出しました。本調査は全国の教育委員会(約1,800)と全ての公立小中高校(約32,000校)を対象に、2023年11月から12月にかけて行われました。
調査に回答した約30,000校のうち、通信速度が推奨値を満たした学校は6503校(約21.6%)にとどまりました。児童生徒61〜120人規模の学校では43.1%が基準値を満たしていた一方で、456〜560人規模の学校では5.8%と、大規模な学校ほど割合が少ない結果となりました。十分な通信速度が確保されない可能性が高い「共用回線」を使っているケースが全体の約95%を占めており、文科省の担当者は調査や契約の見直しを求めています。
日本経済新聞社「学校のネット速度、8割が基準達せず 文科省調査」日本経済新聞、2024年4月24日(最終閲覧日:2024年4月24日)