講義と生徒同士でのグループワーク
復興庁は9月24日から2025年3月までに、「福島の復興」をテーマにした出前授業を、13都道府県の中学・高校14校で順次実施します。「福島の復興はどれくらい進んでいるのか」、「震災を風化させないためにはどうすべきか?」、「どうしたら風評の影響を払しょくできるのか?」など、「福島の復興」をテーマにした講義と生徒同士でのグループワーク・発表を行います。
同庁では2022年度から、全国各地の中学・高校に同庁職員を派遣して、より多くの中高生に復興の取り組みについて理解を深めてもらうための「出前授業」を行っています。昨年度の8県8校から13都道府県14校に拡大し、2024年度は北海道、秋田県・千葉県・東京都・福井県・山梨県(2校)・長野県・三重県・大阪府・岡山県・徳島県・香川県・熊本県の中学・高校で授業を行います。
OUTSOURCING TECHNOLOGY「復興庁、全国の中学・高校で『福島の復興』をテーマにした出前授業を実施」ICT教育ニュース、2024年9月18日(最終閲覧日:2024年9月18日)
東大生の考察:東日本大震災の教訓を伝える意義
2011年3月11日、東日本大震災という未曾有の災害が発生しました。巨大な地震と津波により、多くの人命が失われ、地域社会や経済に甚大な被害をもたらしました。さらに、福島第一原子力発電所の事故によって、多くの人々が故郷を離れることを余儀なくされました。それ以来、福島を中心とした東北地方は、一丸となって復興に向けた努力を続けています。
しかし、それも今から13年前の出来事となりました。現在の中学生や高校生にとっては、まだ幼かったか、もしくは生まれていなかった頃の出来事であり、自身の体験として経験していないものです。彼らにとって震災や復興の過程は、過去の出来事の1つとしての認識に留まってしまうかもしれませんが、だからこそ実際に何が起きていたのかを伝えていくことが重要です。
日本は地震などの自然災害が頻繁に発生する国です。過去の災害から教訓を学び、次に備えることは、私たち全員の責任です。どのような被害が発生し、どのように復興が進められてきたのかを後世に語り継ぐことは、実際にその災害を体験した世代が果たすべき役割です。震災を知らない世代にこそ、過去の災害の教訓を伝え、未来を見据えていけるような講義を行うことが求められています。