共通テストまであと1カ月となりました。受験生のみなさんは、各科目で1点でも多く取れるようにと、過去問や予想問題演習に取り組んでいることでしょう。
共通テスト対策なんてひたすら問題を解けばいいんでしょ?と思っている方がいるかもしれませんが、過去問や予想問題はいかにしっかり「復習」するかが非常に大切になってきます。また、科目別に出題傾向を把握したり、新課程試験の情報を集めたりすることも安定した点数を取るために重要です。
今回は、みなさんが残りわずかな時間を有効活用して得点を少しでも上げられるように、現役東大生ライター碓氷明日香が過去問の使い方と科目別の勉強法を徹底解説します!
共通テストの過去問・予想問題の使い方
共通テストの対策として、過去問や各予備校が出している予想問題を解いている方が多いことでしょう。その際、問題を解いたあと、丸つけをして点数を出して終わり、という勉強法になってはいないでしょうか。
これは共通テストだけの話ではありませんが、過去問を使って対策をするとき、「復習」が何よりも大切です。ここでは、過去問や予想問題の使い方について詳しく説明します。
80点の壁・90点の壁を超えるために
過去問演習を繰り返しているうちに、ある程度基礎知識がついていれば、各教科、比較的簡単に60点、70点に乗せることができます。しかし、そこからさらに点数を上げるためには一定時間がかかると言われています。これが「80点の壁」「90点の壁」です。
この壁を着実に超えていくために大切なのは、「過去問を解く前に目標を立てること」「解いた後、もう何点取れたな、という計算をすること」この2つです。
必ず、過去問や予想問題1回分を解く前に、その前に解いた時の点数よりも何点か高い目標点数を掲げてください。今回で80点の壁を超える!などの目標でも構いません。そして解いてみる。具体的な目標を掲げるだけで、それに向かってどこで何点取ればいいのか考えて解くことができるようになり、徐々に点数は上がっていきます。
そして、解き終わったら、間違えたところの解説をじっくり読み、これを覚えていればこの問題は取れたな、次は絶対に取るぞ、と考えるわけです。本来取るべき問題が確実に取れていたら、この点数が取れていたんだ……を繰り返すことで、点数は伸びていきます。
間違いノートを作ろう
過去問演習に欠かせないのは「間違えた問題を分析すること」です。なぜ間違えたのか、何を知っていてどう考えれば解けていたのかを分析して、次に生かすことで、似たような問題は間違えづらくなります。
そして、ただ頭の中で分析するだけでは、大量の知識に埋もれて忘れてしまいますよね。だから、「間違いノート」を作りましょう。間違えた問題を貼り、間違えた原因と次に間違えないための対策を書いておきます。そしてそのノートを、過去問演習のたびに見返すのです。そうすれば、それまでに間違えたことを意識しながら問題を解くことができるので、きっと点数が上がるはずです。教科ごとにそれ専用のノートを用意しておくと見返しやすいですよ。
東大生が教える!科目別対策法
今回から新課程入試ということで、大きく変更になった科目や新しく追加になった科目などがあります。それぞれ、特に何を意識して対策すればいいのか、東大生が解説します。
国語
まず国語ですが、センター試験から共通テストに変わって以来、資料読解が中心の問題が出題されるようになりました。ただ、基本的に求められる読解力は変わりません。対策としてセンター試験の過去問も使えるでしょう。
新課程試験で大問数が増えることになっているので、資料や長文を速く読むことが求められます。そのため、これまでの過去問を10分短い時間で解くという勉強法がおすすめです。
数学
1Aは基本変更点はありません。過去問や予想問題を繰り返し、時間内に解き終わるための速度感を身につけましょう。基礎知識を教科書などで確認することも大切になってきます。
2BCは大問が1問多くなるのに対し、時間は10分しか増えません。元からスピード勝負の数学が、さらにスピードを求めてきているというわけですね。もちろん、解くスピードを上げることも大切ですが、正確性>=スピードです。正しい答えを最速で導き出すことを意識して、繰り返し練習しましょう。
数学の新課程入試について、詳しくは以下をご覧ください
英語
リーディングについて、近年明らかに文量が増えてきていて、英語力だけでなく情報処理能力が求められる試験になってきています。いかに素早く正解を見つけられるか、自分なりの工夫が必要です。今年度からはエッセイの添削問題やその他新しい形式の問題が出題されるかもしれませんが、重要なのは論理を捉えることで、対策方法は他の問題と変わりません。
リスニングについて、特に変更点はないとされています。日本語で問題についての説明がなされている間にどれだけ先読みができるかが勝負の分かれ目です。どのタイミングでどこまで先読みできたら高得点が取れるか、過去問や予想問題で1回ごとに自分のスピードと点数の傾向をチェックしておくと、本番での目安となります。
地歴公民
科目の選び方がかなり複雑になりましたが、出題に大きな変更はなさそうです。しかし、共通テストに変わってから、総合的な判断力・資料読解力が試されるような試験になっていて、新課程入試ではさらにこの2つの力の重要性が高まってくると考えられます。過去問でも対策にはなりますが、複雑な資料読解に太刀打ちできるように、予想問題も十分にこなした方がいいでしょう。
地理の新課程入試に関して、詳しくは以下をご覧ください
理科
科目の捉え方が若干変わったようですが、これまでと大きな変更はありません。ただ、新課程になり、用語がいくつか変更になっているため、既卒生は注意してください。(他の科目では、既卒生用の試験が用意されているものもありますが、理科は経過措置は取られていないので、現役生と同じ問題を解くことになります。)
基礎知識が十分に入っているかどうか、会話やグラフから正しく情報を読み取れているか、そこから何の知識を結集させて計算するのかなど、過去問を解いた上で間違えた問題をしっかり分析して次に生かすのが大切です。
情報
今年度から新しく追加された「情報」。過去問が存在しない分、対策が難しいと思いますが、大学入試センターの試作問題や各予備校が出している予想問題を使って十分に演習しましょう。志望校にもよりますが、既卒生も「旧情報」を受験しなければならず、勉強は基本必須です。
知識や常識で答える問題と思考力が問われる問題でくっきり2種類に分けることができます。自分が苦手な方を重点的に対策すると効率がいいでしょう。
情報の新課程入試に関して、詳しくはこちら
まとめ
いかがでしたでしょうか。問題を解きっぱなしにせず、科目ごとの試験の特徴を抑えて、それに合わせた対策をこなせば、あと1カ月でかなり点数を上げることができます。諦めず、1点ずつ着実に高めていきましょう。
また、試験が大幅変更になる年というのは、難易度が高くならない傾向があります。もちろん、今年度がどうなるか確証があるわけではないですが、あまり気負わず、できることを精一杯やる、という姿勢で臨むことをおすすめします。
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