みなさんこんにちは！メディア事業部の橋本です。
今回は、競技かるた第65期～第67期名人である粂原圭太郎さんに特別にインタビューさせていただきました！
題して、「第65期～第67期かるた名人位に聞く！最強への道」。
粂原さんの競技かるた人生や最強に至るまでの練習方法について伺いました。
競技かるたの練習をしている全ての人や、競技かるたに興味がある人におすすめです。
粂原圭太郎（くめはら・けいたろう）
京都大学経済学部卒業。
京都大学に首席で合格後、2014年から3年連続で『最強の頭脳 日本一決定戦 ! 頭脳王』 日本テレビ系 )FINALIST。小学生の頃より小倉百人一首競技かるたを始め、2019年～2021年の3年間、日本一の座「名人位」につく。
現在は論理力、記憶力、没頭力を同時に上げるエキスパートとして全国各地で講演活動も行っている。オンライン個別指導塾「となりにコーチ」の代表講師として、小学生から社会人まで受講生95.7％の成績アップに成功。「1ヵ月でTOEIC（R)550点から750点にアップ」「1年で偏差値35が70にアップし、一流大学に合格」「3ヵ月で定期テスト200位から2位に浮上」など事例多数。2022年、一人一人の記憶の特性を診断する「認知特性」の研究者として、「本田式認知特性研究所」の立ち上げメンバーとなる。学習参考書をテーマにした漫画『ガクサン』（講談社）監修者。JADP認定メンタル心理カウンセラー（R)。『科学的アプローチで勉強がとまらなくなる ストレスフリー勉強法』（ダイヤモンド社）、『京大首席合格者が教える とまらなくなる勉強法』（SBクリエイティブ）など著書10冊。
粂原さんの競技かるたの道
かるたを始めたきっかけは、地元のかるたでした。群馬県出身の粂原さんは、群馬県民の方のほとんどが経験すると言われる上毛かるたに熱中します。小学4年生の時に優勝し、そこから競技かるたに道を切り替えます。
競技かるたへと道を変えた背景には、上毛かるたは中学3年生までという雰囲気があったのと、競技かるたの戦略性に興味を惹かれたことが関係しています。競技かるたと上毛かるたの大きな違いの1つに、「送り札」の概念があります。競技かるたでは、相手の陣の札を取ると、自分の陣から1枚札を送ります。ここで、どのような札を送るかによって試合の内容が変わってきます。
競技かるたを始めた粂原さんは、地元のかるた会に所属し、そこで熱狂的にかるたをプレーします。
順調にB級まで昇級しますが、その上のA級になるかというところで壁が訪れます。練習では、A級選手を倒しており、かるた会の先生にも後少しと声をかけてもらっていましたが、道のりは遠かったとのことです。
その中でも諦めず全国各地の大会に参加することによって、ようやくA級に昇級しました。かるたをやめたいと思った時もある中で、その気持ちを乗り越えたのです。支えたのは、かるた会の先生の過去の話や苦労話でした。
かるたが粂原さんを支えたことも在ります。ある時、塞ぎ込んでいた粂原さんは友達の勧めでかるたの大会に出場します。そこで運よく勝てたことをきっかけに元気になることができました。
かるた界が粂原さんに大きな影響を及ぼしているように、粂原さんもまた、かるた界に大きな影響を及ぼしています。
今回、粂原さんと共に取材に応じてくださった高井さんもその1人です。
漫画『ちはやふる』に憧れてかるたを始めた高井さんは、かるたの練習をする中で、もっと強くなりたいと考えます。その過程で、強くなる方法を探していると、粂原さんのnote記事と出会います。練習方法やかるたに対する考え方などがきめ細やかに言語化されているこの記事を読んで、高井さんはかるたに対する見識を広めるとともに粂原さんの名前を知ります。
そこから団体戦の大会をきっかけに出会い、仲良くなったそうです。今回も、かるたに関する取材ということで、一緒に来てくださいました。
粂原さんにとってのかるた人生は「悪友であり親友」だと語ります。
しんどい時もしんどくない時もずっと一緒に生きてきた。悪いことをしていた時期もかるたはそこにいた。自分のかるたのスタイルも相手に合わせて勝っていくスタイルなため、そこも「悪」だな、と。
今後、もしかしたらかるたをしないかもしれないし、続けているかもしれない。でも、かるたから完全に離れる、ということだけはないと確信している。かるたをしてなくても、かるたと共に在ります。
かるたって…
ここでは、取材の時に盛り上がったかるたに関する疑問について紹介します。
テーマは、「かるたって高身長の方が有利なの？」です。
橋本：まだ身長が伸びていなかった中学生のころとかは、相手陣の下段の方までなかなか手が届かず、取りづらかった記憶があります。今も、身長が大きい人はブロックできていいな、なんて思ってます。
粂原：身長が高いと有利だと思われがちなのですが、実はそうでもないのです。競技かるたにおいては、札を並べるには87cmという決まりがあるので、身体が大きいとかえって使いづらくなるのですよね。構えの時点で身体がはみ出してしまうみたいに。
橋本：それはたしかに自陣とかは取りづらそうですね。でもやはり敵陣の方はむしろ取りやすそうなのですが、
粂原：小さい方がむしろ思いっきりとび出せるのが良いですよ。大きいとバネがないので、身体の負担は少ないですが、スピードが出にくいです。その点小さい方が、飛び出す力でスピードがついてとても早い取りへとつなげることができます。
橋本：なるほど、確かに中学生の頃はほぼ立ち上がる勢いで飛び出しながら取っていました。
粂原：さらに身体が大きいと縮こまらないといけないので、身体が本来もつ力を弱めなければいけないなんてことにもなります。身体が大きくても、有利とは言えないと思います。
かるたの練習方法について
第65期～第67期名人位の練習内容も聞かせていただきました。
基本的な練習は、実際の大会と同じように試合形式で実施しているそうです。この点は大多数のかるた経験者と同じだと思います。
試合形式とは別に、1人で行う練習もしているそうです。それが払いの練習。普段生きている中で、畳の上を払い飛ばすようなことはなかなかしません。そのため、畳の上の札を払い飛ばすイメージを持つことがとても重要だと話します。自分のイメージ通りに札を動かせるかどうかを常に考えながら払いの練習をしています。
この歌を知ってほしい！
最後に、百人一首の中で、粂原さん一押しの歌を紹介します。
あひみての のちのこころに くらぶれば むかしはものを 思わざりけり
恋愛における会う前と会った後のどきどき感を歌っています。会って結ばれた後のドキドキ感の方が、会う前よりも大きいです。この感情の高まりの歌を聴いていると、自然と自分の経験も思い出されて感化されそうですね。
ちなみに、語呂合わせなら「あい昔」で覚えることができますよ。
終わりに
競技かるた経験者である筆者も楽しませていただきながら、取材しました。自分のかるたに対する疑問や、感覚で捉えていたものが、粂原さんの言葉で輪郭を持った言葉として整理され、かるたをまたしたくなりました！
粂原さん、お忙しい中取材させていただきありがとうございました！
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