東大生の思考法を使って解き明かす!「厄年」って何?

正月になると、神社やお寺でよく見かける「厄年」の案内。

「今年は厄年だから気をつけてね」というのを一度は耳にしたことがあると思います。

でも、よく考えると不思議です。

なぜ特定の年齢だけが“厄年”と呼ばれるのでしょうか?

今回は、そんな疑問を東大生の思考法「アカデミックマインド」を使って考えてみましょう!

目次

まずは問いを分解してみよう!

「アカデミックマインド」の考え方では、まず抽象的な問いをより具体的な問いに分解します。

今回の「厄年って何?」という疑問は、次の2つのより具体的な問いに分けられます。

・厄年は、いつ・どこで生まれた考え方なの?

・なぜ男女で厄年の年齢が違うんだろう?

厄年は、いつ・どこで生まれた考え方なの?

問いを分解した後は、それぞれの問いに対して仮説を立てて検証していく、というのが「アカデミックマインド」の次の考え方です。

まず思いつくのは、このような仮説です。

「厄年って、昔の占いみたいなものなんじゃない?」

確かに、現代の私たちの捉え方は

“厄年=運が悪くなる年”と認識しているような気がします。

しかし、ここで1つ疑問が浮かびます。

もし本当にただの占いなら、どうして長年、しかも全国で同じ年齢が“厄年”として残っているのでしょうか?

そこで、次の仮説を立ててみます。

「昔の人は、この年齢で“何か大きな変化”が起きていることに気づいていたのでは?」

実際に調べてみると、

厄年の考え方が広まったのは平安時代ごろの日本だと言われています。

平安時代では、医療や福祉がほとんど整っておらず、

・病気やけがが命に関わる

・出産のリスクが非常に高い

・仕事や家庭の中で、失敗がそのまま大きな責任につながる立場になる

という時代でした。

つまり、人生の中で大きな変化が起きる年齢ほど、トラブルが起こりやすいと考えられます。

そのため厄年は、占いというよりも、

「この年齢では、生活や体に大きな変化が起きやすい。だから、いつもより気をつけよう」

という、当時の人たちにとっての“注意の目印”だったのではないか、と考えられます。

なぜ男女で厄年の年齢が違うんだろう?

代表的な厄年は、次のように知られています。

男性:25歳・42歳・61歳

女性:19歳・33歳・37歳

先ほどの問いに対して立てた仮説より、これらの年齢では大きな変化があったのではないか、と伺えます。

これらの年齢で、それぞれどのような”変化”があったのでしょうか?

ここでも、仮説を立てて考えてみましょう。

男性 25歳

平安時代では、10代で大人扱いはされるものの、25歳ごろになると仕事・家・一族の判断や失敗を本格的に背負う立場になると考えられます。そのため、重要な決断を求められる場面が増えていたのではないでしょうか。

男性 42歳

家や仕事の中心として多くの役割を担い続ける中で、医療が発達していない時代には、無理の積み重ねが体調不良や病気として表に出やすかったのではないかと考えられます。

男性 61歳

仕事を次の世代に引き継ぎ、経済的にも体力的にも不安定になりやすい時期だったと考えられます。立場の変化と体力の低下が同時に起きることは、当時の社会では大きなリスクだった可能性があります。

女性 19歳

結婚や出産が現実的になる年齢が比較的早く、19歳ごろは初めての妊娠・出産を経験する人も多かったと考えられます。出産の成功率が低い時代において、この時期は特に命のリスクが高かったのではないかと考えられます。

女性 33歳

出産や育児が重なるだけでなく、家の中で担う役割も増えていったと考えられます。

体力の回復が追いつかない中で無理を重ねることで、不調やトラブルが表に出やすい年齢だったのではないでしょうか。

女性 37歳

出産期の後半にあたり、体への負担が蓄積しやすい時期だったと考えられます。

医療が未発達な時代では、回復の遅れや体調悪化がそのまま深刻な問題につながりやすかった可能性があります。

このように考えると、男女で厄年の年齢が違うのは運の差ではなく、当時の社会の中で担っていた役割や、体にかかる負担のタイミングが違っていたからと考えられます。

まとめると…

厄年は、「不幸が起きる年」を予言するものではなく、昔の人たちが自分たちの経験から

「この年齢は、生活や体に大きな変化が起きやすい」

と感じていたポイントに目印をつけたものだったと考えられます。

医療が発達していなかった時代には、病気やけが、出産、役割の変化そのものが大きなリスクでした。

だからこそ、特に無理をしやすい年齢が厄年として意識されていたのでしょう。

また、男女で年齢が違うのは、当時の社会で担っていた役割や体への負担の違いを反映した結果だと考えられます。

さらに問いを深掘りすると…

ここまで考えると、さらにいくつかの新しい問いも浮かんできます。

・なぜ”厄年”という科学が発達した現代には合わなそうな風習が続いているんだろう?

・もし厄年が「変化が大きい年齢」だとしたら、現代では厄年にあたる年齢は変わっているのではないだろうか?

・厄除けって何のために、どんなことをしているんだろう?

このように「さらに問いを立てる姿勢」こそが、東大生が大切にしている「アカデミックマインド」の第一歩です。

<アカデミックマインドとは> 

今回の問いに対する考え方のように、1つの問いを「分解」し、「仮説」「検証」する一連の思考法を、「アカデミックマインド」と呼んでいます。 

AIなどさまざまな技術が発達する中、これからの世代に求められるのが「思考力」です。共通テストや大学入試でも「自分で考える力」が試されるようになっています。 

カルぺ・ディエムでは、現役東大生と一緒に「身の回りにあふれる疑問」と「五教科の勉強」を結びつけた課題に取り組み、自ら問いを立て、仮説を作り、検証する一連の思考法「アカデミックマインド」の獲得を目指す講座「アカデミックマインド育成講座」を実施中です。 

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この記事を書いた人

東京大学教育学部基礎教育学コース。群馬県渋川市という地方の高校から10年ぶりに東大合格。幼い頃から将棋をやっており、大学の部活でも大活躍中。趣味は頭が良さそうと思われるかなと思い読書と言っている。ボカロが結構好きで、特にorangestarは毎日聞いているが、声が低くてカラオケで歌えないので奮闘中。

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