※本稿は、西岡壱誠(著)『名作に学ぶ 人生を切り拓く教訓50(アルク)の一部を再編集したものです。
時代を超えて愛される「名作」から学ぶ
時代を超えて多くの人に読まれている作品や、国や人種を超えて多くの人から愛されている作品のことを、「名作」と呼びます。
有史以来、さまざまな作品・書籍が生まれており、今現在でも日本において年間7万冊もの本が作られています。
しかし、そんな中でも多くの人々が何度も手に取り、時代や国の垣根を超えて心を奪っているような「ほんの一握りの至高の作品」、それこそが「名作」と呼ばれるものなのです。
その作品の中には、人類の叡智や歴史を超えて残しておくべき世界の真理など、たくさんのメッセージが込められています。
本書では、名作50作をピックアップした上で、その名作で作者が伝えたかった教訓や言いたいこと、そしてそれに対する東大生たちの解釈を交えて解説しました。
もちろん、僕たちの解釈だけを押し付けるつもりはありません。
読者みなさんが、どう思うか・何を受け取ったか、そんな解釈を付け加えながら楽しんでもらえると幸いです。
この本で紹介している名作
本書では、教訓の内容を5つにカテゴリー分けして紹介しています。
ここでは、Chapter1「人間関係・相手とうまく生きるための教訓」から『月と六ペンス』(サマセット・モーム作)を試し読みしてみましょう。
『月と六ペンス』では、若くしてロンドンの文壇にデビューした私が、ストリックランドという男と出会うことから始まる。
このストリックランドという男は、結婚して子どもが2人いたのだが、ある日家族を残して蒸発してしまう。
なんでも、「自分は絵描きになりたい」という夢を捨てきれないらしい。
5年後、ひょんなことから、ストリックランドが素晴らしい作品を作っていることを知ったが、本人は自分の作品に対しての他人の評価を全くといって良いほど気にせず、しまいには、タヒチ島に移住し、自分が描きたい絵を描き続ける始末。
彼は晩年、ハンセン病を患い視力を失うが、それでもなお理想の表現を追求し続け、最後には自宅の壁に絵を描き続けた。しかし、彼の最高傑作は、遺言により、彼の妻によって燃やされたのである。
彼は、生涯をかけて1つの世界を創造し、その世界を自らの手で破壊するという、芸術家として完璧な人生を全うした。
そんな本作からは「本物の幸せとは何か・自分が真に幸せならば、誰から否定されようとも関係ない」そんな教訓が得られると、私は考えています。
『月と六ペンス』は読みやすく、そして読み応えのある作品ですので、気になった方は原著もチェックしてみてくださいね。
名作に学ぶ人生を切り拓く教訓50
著者:西岡 壱誠
出版:アルク出版(2024/10/18)
Chapter 1「人間関係・相手とうまく生きる教訓」が分かる9冊
『モンテ・クリスト伯』 アレクサンドル・デュマ
『山椒魚』 井伏鱒二
『こころ』 夏目漱石
『ラーマーヤナ』 伝 ヴァールミーキ
『鼻』 芥川龍之介
『恩讐の彼方に』 菊池寛
『月と六ペンス』 サマセット・モーム
『夏への扉』 ロバート・A・ハインライン
『猫の事務所』 宮沢賢治 COLUMN 1 紙派か、電子書籍派か?
Chapter 2「恋と愛・誰かを愛するための教訓」が分かる10冊
『若きウェルテルの悩み』 ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
『源氏物語』 紫式部
『刺青』 谷崎潤一郎
『伊豆の踊子』 川端康成
『雪国』 川端康成
『檸檬』 梶井基次郎
『銀河鉄道の夜』 宮沢賢治
『星の王子さま』 アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
『愛するということ』 エーリヒ・フロム
『嵐が丘』 エミリー・ブロンテ
COLUMN 2 どんなふうに本を読んでいるか?
Chapter 3「社会と個人・社会の教訓」が分かる11冊
『1984年』 ジョージ・オーウェル
『砂の女』 阿部公房
『変身』 フランツ・カフカ
『ロビンソン・クルーソー』 ダニエル・デフォー
『トゥルーマン・ショー』 ピーター・ウィアー(監督)、アンドリュー・ニコル(脚本)
『ジキル博士とハイド氏(の奇妙な時間)』 ロバート・ルイス・スティーヴンソン
『罪と罰』 フョードル・ドストエフスキー
『人間失格』 太宰治
『神曲』 ダンテ・アリギエーリ
『羅生門』 芥川龍之介
『草枕』 夏目漱石
COLUMN 3 僕が本を読み直す理由
Chapter 4「現代にも続く問題・強く生き抜くための教訓」が分かる9冊
『ハーモニー』 伊藤計劃
『カラマーゾフの兄弟』 フョードル・ドストエフスキー
『堕落論』 坂口安吾
『ライ麦畑でつかまえて』 J・D・サリンジャー
『ブラック・ジャック』 手塚治虫
『動物農場』 ジョージ・オーウェル
『デカメロン』 ジョヴァンニ・ボッカッチョ
『ガリバー旅行記』 ジョナサン・スウィフト
『7つの習慣』 スティーブン・R・コヴィー
COLUMN 4 ライトノベルやポップカルチャーから学ぶこと
Chapter 5「戦争や個人間の争い・強さと弱さについての訓」が分かる11冊
『金閣寺』 三島由紀夫
『マハーバーラタ』 伝 ヴィヤーサ
『老人と海』 アーネスト・ヘミングウェイ
『斜陽』 太宰治
『SLAM(スラム) DUNK(ダンク)』 井上雄彦
『蟹工船』 小林多喜二
『西部戦線異状なし』 エーリヒ・マリア・レマルク
『車輪の下』 ヘルマン・ヘッセ
『戦争論』 カール・フォン・クラウゼヴィッツ
『ドン・キホーテ』 ミゲル・デ・セルバンテス
『ハムレット』 ウィリアム・シェイクスピア
COLUMN 5 本はいつ読んでいるか?