皆さんはchatGPTを使ったことがありますか? 課題やレポートをchatGPTを使って提出する学生がいたりと、ニュースでも話題になっているchatGPTですが、実際ChatGPTには何ができて、何が得意なのか理解している人は少ないのではないでしょうか。
この記事ではChatGPTには何ができるのか、そしてどのように利用されているのか、具体的な授業への活用方法をご紹介します。
ChatGPTとは
ChatGPTとは、一言で表すと、まるで人間と話しているかのような自然なやり取りをAIとできるチャット型のツールです。OpenAI社が2022年にリリースしてから、その発展は目覚しく、誰にとっても使いやすいツールであることから世界中で多くの人が使うようになりました。
ChatGPTの驚くべき点は、言語処理能力の高さにあります。さまざまな活用法が提案される中、今一際注目を集めているのが教育現場での応用です。
学校の宿題がChatGPTに解かれてしまい、生徒自身の学びを妨げてしまうかもしれないとして話題になったこともありました。ですがChatGPTが質問応答、要約、翻訳、アイデア提案、ブレインストーミングに対応できることを逆手にとり、授業や学習に応用できる方法もあるのです。
ChatGPTができること
まずは、実際にChatGPTには何ができるのかご紹介していきます。
作文 / 英作文の添削
ChatGPTは高い言語処理能力を持っています。生徒が書いた英作文をChatGPTに打ち込んで、文法やスペルの間違いを指摘させたり、別の表現や単語を提案させたりすることもできます。
最終的な言葉の言い回しや情報の正誤は人間が判断しなくてはなりませんが、日常生活で書くような英作文はChatGPTを使うだけで十分なクオリティのものが出来上がります。最終的に先生が添削するとしても、一度ChatGPTを通しているので細かなミスはなく、先生の負担も大幅に減少するでしょう。さらに、英作文に限らず、日本語の作文など多言語に対応しているのもChat GPTの良いところです。
プログラミング学習
プログラミング学習においても、ChatGPTは非常に役立ちます。エラーコードが出ても人間が確認するにはエラーを探すためにそれぞれのコードを読み解くだけで時間がかかってしまいます。ですがChatGPTを使えば、コードを入力するだけで原因を分析し、正しいコードを提案してくれます。
またChatGPTは24時間いつでも動かせるので、プログラミング学習を止めることなく、効率的な勉強をサポートしてくれます。
議論を促進する
議論の途中で煮詰まってしまったり、もっと多くの意見を知りたいときにChatGPTの助けを借りることができます。道徳や国語の授業など物語の登場人物の心情を推察する場面は多くあります。従来のインターネット検索と違い、ChatGPTでは長い文章の入力や学習が可能です。ストーリーのあらすじを入力し、ChatGPTなりの意見を聞くことでより議論の行き詰まりを解消できるかもしれません。
また探究活動において、生徒が問い・仮説を立て、検証していく過程で、必要な文献や資料を集める際にChatGPTの意見を聞くことでヒントを得ることもできるでしょう。
例題の作成
ChatGPTを効果的に用いると、生徒一人一人に合わせた問題を作成することが可能です。これまで時間的な制約から、生徒の学習レベルに合わせた問題の作成は難しいという意見が多い状況といわれてきました。しかしChatGPTを用いれば、生徒のレベルに合わせた練習問題を時間をかけずに作ることができます。正答や考え方も出力できるので解説の作成などの負担も大幅に減少させることができます。ただし、数学の高度な証明や計算はまだ精度が甘いので、その点には注意が必要です。
また、テスト問題の作成のサポートにも活用できます。共通テストでよくみられる対話形式の問題や、選択問題における誤答選択肢の作成には意外と時間がかかってしまいます。大筋や大切な部分は、自分自身でやりつつ、一部をChatGPTに指示するだけで問題作成の負担を減らすことができます。
実際の活用例
道徳の授業で議論を活発にするものとして導入した学校があります。
ある物語を途中まで読み聞かせ、その後「自分ならどうする?」と投げかけて主人公の気持ちになって次の行動を考える授業です。そこで児童の意見を一通り聞いたあと、「AIならどうするか聞いてみましょう!」とChatGPTに同様の質問を打ち込みました。そこで出た意見をさらにクラスで話し合ったのです。議論を重ねていく中で、生徒たちはAIの出した答えだとしても、必ずしも正解ではないことに気がつきました。大事な論点を見落としていたり、議論が堂々巡りになってしまっていたり、議論すればするほどChatGPTの穴が見えてきたのです。
このように、授業を通してChatGPTの使い方と精度、そして自分たちの頭で再検討することの大切さを伝えることもできます。
授業で使用する際の注意点
さまざまな使い方を紹介してきましたが、ChatGPTは新しい技術な分、十分な規制があるわけではありません。この技術を利用する上で少なくとも次の3つのことには注意が必要です。
必要に応じて許可を取る
大学の授業などでChatGPTを使用する分には大丈夫ですが、OpenAI社の規定によるとChatGPTは13歳以上の人が利用可能で、18歳未満の人が使う時には保護者の同意が必要です。
小学生にChatGPTを用いた授業をする際は、各々が動かすのではなく先生が代表して動かすようにしましょう。中高生はそれぞれが動かして構いませんが、授業へ導入する前に保護者の方へ同意をいただくようにしてください。
ファクトチェックの必要性を伝える
ChatGPTは便利ですが、完璧ではありません。質問の内容や投げ方によっては間違った情報が出てくることもあります。例えば、ある分野の先行研究の論文をChatGPTに聞いたところ、全て架空の論文が出てくることもあったそう。
そのため、ChatGPTの意見や答えを参考にすることはあっても、鵜呑みにしないようにするのが大切です。もしChatGPTによる意見をそのまま用いるのであれば、自分でもう一度調べ直してから使用するようにしましょう。ChatGPTが間違った答えを出すプロンプトをあらかじめ用意して、生徒の前で実演し、ファクトチェックの重要性を伝えるのもいい方法かもしれません。
ガイドラインを作成する
非常に便利な技術ではありますが、よく言われているように「ズルできる」技術でもあります。ChatGPTで作成した文章を課題として提出しない、学習にChatGPTを用いた場合は報告する、など生徒の学年や状況に合わせたルールをあらかじめ提示しておくことが必要です。
まとめ
いかがでしたか?ChatGPTは非常に便利ですが、まだまだ新しい技術であり、使い方の正しいガイドラインがあるわけではありません。ChatGPTに全てを任せるという使い方ではなく、あくまで自分自身が主導となり、時間がかかってしまう作業やサポートから活用し、業務効率をあげていくツールとして考えるのがおすすめです。
百聞は一見にしかず!ChatGPTは無料で基本的な機能を使うことができるので、一度試してみてもいいかもしれません。
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