【試し読み】現役東大生の世界一おもしろい教養講座 正しく未来を見通すための「地理的思考」入門

※本稿は、西岡壱誠(著)『現役東大生の世界一おもしろい教養講座 正しく未来を見通すための「地理的思考」入門』(実務教育出版)の一部を再編集したものです。

「教養」ってなに?

皆さんは「教養」という言葉を聞いて何を思い浮かべるでしょうか?

ここ日本で「教養」、あるいは「リベラルアーツ」といった言葉がよく使われるようになって久しいですが、「教養が豊かである」ということが具体的にどういうことなのか、これを読んでいる皆さんはきちんと説明できるでしょうか?

テレビでは東大生や芸能人がクイズ番組でその多種多様な知識を披露し、ネットでも「ファスト教養」という名目で投稿されている動画が乱立しています。

それでは「教養」というのは「幅広い知識がある」ということなのでしょうか?

この本はその答えにはっきりと「否」を突き付けるものです。「教養」が「幅広い知識がある」ことであるならば、そんなものはAIに任せてしまえばよいでしょう。この本で取り上げる「教養」というのは「幅広い知識がある」ことではなく、「知識同士を結び合わせて活用できる」ことです。

「無関係にみえるもの」をつなげる

しかし、そのように言われてもいまいちイメージできないという方もいるでしょう。この本ではそのように既存の知識を結び合わせて考えるロールモデルとして「地理的思考」というのを掲げています。

本書に記載されている具体例を少し見てみましょう。

「メキシコ湾の油田事故が起きたのは中国が急速に経済発展したからだ」、「キムチが辛くなったのはキリスト教が日本にもたらされたからだ」、「イギリスが世界の覇権を握ったのはカトリックが離婚を禁止したからだ」、「岡本太郎の「太陽の塔」が生まれたのはフランスがワインの名産地だからだ」……

一見すると頭に「?」しか浮かばないようなものばかりですが、「地理的思考」こそがこのように一見全く無関係のものを結び合わせることを可能にするのです。

ここではこれ以上詳細に述べることはできませんが、少しでもこれらの具体例が気になった方は、ぜひ自分で「なぜこうなるのか?」を考えてみてください。その上でこの本を手に取って、「ここは自分の考えとあってた!」とか「これとこれはそんなつなげ方ができるのか!」、あるいは「ここはちょっと違うんじゃないか?」とか、そのような活用の仕方をぜひやってみてください。そして気づいた頃には、あなたにも本物の「教養」が備わっているはずです。


現役東大生の世界一おもしろい教養講座 正しく未来を見通すための「地理的思考」入門

著者:西岡 壱誠
出版:実務教育出版(2019/6/20)

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この記事を書いた人

教育事業や出版事業での取り組みを様々な媒体を通して発信しています。自社メディア「カルペディア」では、「人生を”ちょっと”前のめりに」をテーマに、教育・学習を取り巻く様々な疑問・関心について記事を掲載しています。

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