まず、この記事を見ている現役生のみなさん。浪人を視野に入れることをやめましょう。浪人は「なりたくてなる」ものではなく、「なりたくないけどなってしまう」ものです。浪人を選択肢に入れると、ずるずると失敗を積み重ねてしまうリスクが高い。「必ず現役で受かる」を前提にして、受験に臨んでください。ここから先の文章は、「惜しくも現役時に希望大学に入れなかった」人で、「諦めきれないから1年だけ浪人したい」人に向けて、書かれています。現役生の方向けではないので、そうした人は、これから下を読む意味はありません。勉強に戻ってください。
浪人の成功率を上げる方法
さて、ついに浪人してしまった皆さん。まずは一年間お疲れさまでした。長い人生、そういうこともあるでしょう。これからも臥薪嘗胆の日々が続きます。あなたの選択は「若い時分の一年間を代償として、受験のギャンブルにもう一度手を出す」ことです。なぜ自分が勉強しているのか。頑張っているのか。何をすべきなのか。すべては、今の思いにこそ答えがあります。浪人することを恥じないでください。そして、浪人することに甘えないでください。浪人してしまった人が成功するためには、実力を磨き続けるしかない。一度堕ちてしまったことに甘んじず、常に牙を研ぎ続けるようにして下さい。
成功率が高い勉強方法
大学受験を有利に進めるための浪人計画
浪人生の第一志望の合格率は、10%前後だと言われています。ここからは、成功率を上げるために、どのような計画を立てるべきか、勉強をすべきかを考えましょう。まず、前提として浪人しているのですから、遊びに行くとかリラックスするとか、そうした邪念や雑念を捨ててください。本当なら働いていてもおかしくない年齢なのに、無理を言って勉強させてもらっている身分なのです。社会人が朝から晩まで働くように、浪人生は朝から晩まで身を粉にして勉強し続けるべきでしょう。
あなたの心は、夏休み頃に揺らぎます。夏になると、自分の同級生たちが遊び惚けている様子が、SNSを通じて目に入ってきます。そうした様子を見れば見るほど、遊びたくなる。でも、ここで折れてしまっては、成功できるはずもありません。夏や冬など、世間がイベントに浮かれるような時期には、敢えてスマートフォンを封印するとか、SNSアプリを削除するとか、そうした対処をした方がいいかもしれません。
浪人中の効果的な勉強法
浪人中の効果的な勉強法は、すなわち基礎から学びなおすことです。浪人生の一番の弱点こそ、基礎。一年間勉強しているのだから、自分には基礎がしっかり身についていると思いがちなのです。
しかし、本当に基礎が身についているでしょうか? 自分の共通テストの点数を、各大学から課された入学テストの得点開示を見てください。そこについている数字は、あなたが他の受験生よりも点数がとれなかったことを示していますよね。その数字は、果たして満足いくものでしょうか? その数字をより良くしていくためには、何が必要でしょうか?
特に共通テスト。基礎がいらないと豪語するのであれば、せめて85%程度は取れていてほしいものです。あなたの共通テストの得点率は、何%ですか?その点数で、本当に基礎がいらないのでしょうか?
せっかく一年あるのですから、春くらいは基礎固めから始めましょう。
浪人生が注意すべき大学選びのポイント
浪人するにあたって、「せっかく浪人するんだから、志望校をひとつレベルアップさせよう」なんて考えていませんか? あなたは一年前の自分の様子を忘れたのですか?
思い出してください。あなたは、いま自分が「レベルが低い」と切り捨てたその大学を受験して、見事に入学拒否されているわけですよね。では、あなたはその元第一志望の大学を本当に「レベルが低い」と切り捨てられるレベルにいるのでしょうか? 私はそうは思いません。浪人したからと言って、実力が劇的に伸びるとは考えられません。奇跡を願うのはやめましょう。そろそろ現実を見るときです。
浪人後の進路選びのための情報収集方法(大卒と高卒の年収の差という現実)
ここまで浪人はろくなものではないと語ってきました。ただし、将来のために浪人する選択を、私は尊重します。そもそも、大卒と高卒では生涯年収に数千万単位の違いが生まれることがわかっています。平均年収で見てみると、大卒の年収が500万を超えるときでも、高卒の平均年収は300万ちょっとだったりします。
年収200万の差は大きい。月当たりにして、15万ちょっと変わってきます。もちろん、手取りにするともっと差は少なくなりますが、あなたの浪人の選択肢は、あなたの手取りを10万以上上げるものになるかもしれないのです。
これが東大や京大、早慶などの一流大学になったら、大変なことです。これらの大学は、卒業生の平均年収が1,000万近い。平均がそれだけあるということは、それ以上稼いでいる人がゴロゴロいるということです。仮に年収1,000万のサラリーマンになれれば、月当たりの手取りは60万ちょっと。普通のサラリーマンの2~3倍の金額を一か月で稼げます。
浪人は大きな可能性を秘めた選択です。だからこそ、今は腐らず前だけを向いて愚直に進み続ける真摯な態度が必要です。
浪人を悩む高校生に向けた成功事例
浪人を経験して大学合格した先輩の声
浪人を経験して大学に合格した人は、みんな揃って「浪人してよかった」と言います。それは、浪人することによって、現役で合格していたらできなかったような経験ができたからです。
みなさんは、自分のペンが走らなかったら人生が詰んでしまう感覚を味わったことはありますか? 自分の脳みそが回転しなければ、一年以上積み上げたものがすべてパーになってしまう。そんな修羅の道を歩んだことはあるでしょうか。
修羅場を経験すればするだけ、人間には度胸が付きます。浪人を成功させることができれば、大抵の物事には動じなくなるでしょう。だからこそ、覚悟をもって歩むべき道です。
浪人中のモチベーションを上げるコツ
モチベーションを上げるコツは、とにかく勉強を続けることです。勉強を途切れさせると、正気に戻ってしまいます。狂気的な意欲をもって、机にかじりつき続ける。これこそが、浪人成功の秘訣でしょう。
また、「落ちてしまったらどうなるか」を徹底的にシミュレートするのも一つの手です。私の場合は、落ちたらそのまま家業のお煎餅屋を継ぐことになっていました。父と母の働きぶりを見ていても楽な仕事ではありませんでしたし、今の暮らしぶりからなんとなく生涯年収も想定できました。このシミュレートこそ、「そんな暮らしをしたくない、もっと成りあがりたい」という思いがわいて、浪人を突破するためのガソリンになってくれたと思います。
志望校に合わせた浪人スケジュールの組み方
とにかく勉強し続ける以上のことはありませんが、成功を念頭に置くのであれば。夏休みあたりまでには模試でC判定くらいはとりたいところです。まずはここでC判定をとることを目標に進みましょう。
次に気を付けるべきは10月11月頃の模試。ここではB判定~A判定をとりたいところです。ただし、現役生の伸びは後半にこそやってきます。ここでA判定が取れたとしても、それはあくまで10月11月時点の現役生の実力であり、試験本番の彼らの実力はそこから大きくかけ離れていることを念頭に置きましょう。
まとめ
浪人は最低の選択肢です。勘定に入れるべきものではない。現役生の時点から浪人を視野に入れている人は、間違いなく受験に失敗します。その受験では心がすでに負けている。そんな人を入れるほど、入試は甘くありません。戦いの場にいることを忘れている人に勝利はもたらされない。
ただし、どうしてもやり直したい思いがあるのであれば、浪人することもいいでしょう。その浪人は、あなたの覚悟だけではなく、あなたを支援してくれる親や兄弟、保護者の皆様の覚悟と熱意があってこそ、もたらされているひと時の幸運であることを自覚しましょう。本来であれば、文句をたれずに働かなくてはいけないところを、情けで勉強させていただいているのですから、感謝するのは当たり前です。
そうして、もしもあなたが浪人生活を成功させたのであれば、今度はあなたが恩を返す番です。これまで支えてくれた周りの人に、無上の感謝をもって報いましょう。
繰り返しますが、浪人は覚悟ができていないならすべきではない。浪人するしないの前に、本当に悪魔と契約する覚悟ができているか、もう一度確認してみましょう。
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