宇都宮短期大学附属高等学校 アカデミックマインド 第6回

宇都宮短期大学附属高等学校 アカデミックマインド 第6回

カルぺ・ディエム講師の橋本講師(教育学部3年)、永田講師(教育学部4年)、布施川講師(文学部4年生)、縹講師(理学部4年生)が、2023年9月26日に宇都宮短期大学附属高校普通科特進コースの1年生を対象に「アカデミックマインド育成講座」という講演会を開催しました。

アカデミックマインド育成講座とは?

AIなどさまざまな技術が発達する中、これからの世代に求められるのが「思考力」です。

大学入学共通テストや大学入試でも「自分で考える力」が試されるようになっています。本講座では、現役東大生と一緒に「身の回りにあふれる疑問」と「五教科の勉強」を結びつけた課題に取り組み、自ら問いを立て、仮説を作り、検証する一連の思考法「アカデミックマインド」の獲得を目指します。

勉強がより楽しく、身近な存在になるだけではなく、獲得した思考法を大学受験の問題に応用していく講座です。

本記事では、イベントの様子を実際に参加した講師の永田が紹介します!

目次

構文を取ることの大切さ

「英語を読む上で大切なのは、構文解釈をすることです!」

講義の冒頭で、橋本講師はこのように生徒に話します。

これまでアカデミックマインドでは、物事を分解して考えることの重要性を伝えてきました。もちろんこれは英語の長文の文章読解でも同じです。一つの文章をそのまま考えるのではなく、できるだけ細かく分解して、一つ一つの内容を押さえながら文章全体の構造を把握していくことが必要になるのです。

橋本講師は、ウォーミングアップでこんな例を出しました。

「『I see cute cats.』という文章の構造把握をしてみよう!」 生徒は困惑の表情を浮かべます。こんな文章、一瞬で訳せるよ!と答える生徒も少なくありませんでした。もちろん短い文章であれば、あるいは単語数の少ない長文問題であればいちいち構文を取らずとも流れで理解していけるでしょう。しかし、そのような「感覚的」な解き方では太刀打ちできない場合があるのです。

主語と動詞はどこ?

“Frank talks between an adolescent and his parents often reveal that the adolescent is basically willing to rely on his parents for protection in many situations.”

この文章の主語と動詞は何か、それぞれ答えてください。

1つの長い文章から、S(主語)とV(動詞)がそれぞれどこになるのかを探すという問題です。文章の全体を訳す必要はありません。興味のある人はぜひチャレンジしてみてください。

この問題に対し、実に8割以上の生徒が

「主語:Frank    動詞:talks」

というふうに回答しました。この記事を読んでくださっている方の中にも、直感でこのように思った人はいるんじゃないでしょうか。

しかし、実はその回答は正しくありません。もし「talks」がこの文章におけるV(動詞)なのだとすれば、その後に出てくる「reveal(明らかにする)」という動詞はどのような用法をされているのでしょうか?このように文章全体を見てみると、辻褄が合わないことが分かります。

この文章の実際の主語は「Frank talks(砕けた会話)」になります。この文章においては「talk」は「話」という名詞として使われていて、「s」は三人称単数現在形を表すものではなく、複数形を表すものとして付いているのです。 どうでしょう?このような例を見ると、「感覚」ではなく「構造把握」で文章を読む必要性が伝わるのではないでしょうか。実際に講義を受けた生徒たちも、主語と動詞を読み間違えないように構文を理解しよう、という気になったようでした。

大学入学共通テストに挑戦!

講義の終わりには、ここまで学んできた「構文を取る」ことを応用し、昨年度の大学入学共通テストの問題に取り組んでもらいました。高校1年生にとって大学入学共通テストの問題はかなりレベルの高いものです。しかし皆、怯むことなく積極的に問題に立ち向かっている様子が印象的でした。

大学入学共通テストの問題は非常に文章量が多いので、一つ一つの文章で構文を丁寧にとっていては時間内に全部問題を解くことができません。そのため、問題を見て必要なところをピックアップした上で、その文章を噛み砕いていくことが大事であると生徒に伝えました。実際に英語が苦手だった講師たちも3年生の終わりには、本番で実際に解くスピードとほぼ変わらない速さで、問題の内容を理解することができていました。

おわりに

アカデミックマインドの視点は全ての教科の勉強に活かすことができます。皆さんも勉強に限らず、日常生活の中で「常に疑問を持ち、課題を分解し、より深く物事を理解できる」ようにしてみてはいかがでしょうか。


公式サイトにて、カルぺ・ディエムが提供している具体的なサービスを紹介中!

カルペ・ディエムでは、学校様・保護者様のお悩みに対応した講演・講座・ワークショップをご提案&実施しております。

生徒の皆さんの大学選び&学部選びのワークショップ、モチベーションアップを目的とした講演、探究学習授業、長期休暇の学習合宿、難関大学合格を目指した通年プロジェクトなど、さまざまなプランをご用意しています。

講師は現役東大生!偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠をはじめとして、地域格差・経済格差など、さまざまな逆境を乗り越えた現講師たちが、生徒に寄り添って対応します。

ご相談から受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

教育事業や出版事業での取り組みを様々な媒体を通して発信しています。自社メディア「カルペディア」では、「人生を”ちょっと”前のめりに」をテーマに、教育・学習を取り巻く様々な疑問・関心について記事を掲載しています。

目次