カルぺ・ディエム講師の永田耕作(教育学部4年生)、橋本匠(教育学部2年生)が、2023年10月14日に金沢高等学校の高校1年生を対象に「難関大合格プロジェクト」というワークショップを開催しました。
「難関大学合格プロジェクト」とは?
「行ける大学」を目指す学生がたくさんいて、「安定思考」で生きる若者が増えて、「指示待ち・周りと同じように」で行動する人が多い。
失敗したくないと考えて、自由にこの瞬間を楽しむ人が少ないと思います。
そんな中で、僕たちは「やりたいこと」に挑戦してもらえるようなお手伝いをしたいと考えています。
本プロジェクトでは、生徒たちが「行きたい大学」を見つけ、ゴールまでの道のりを一緒に描き、年間を通して継続的なサポートを実施します。
偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠をはじめとして、地域格差・情報格差など、さまざまな逆境を乗り越えた東大生講師が指導に携わります。
金沢高等学校では、1年生に対して対面とオンラインを合わせて年間10回、2年生に対して対面で年間5回の講義を行なっています。今回は久々のオンラインでの講義ということで、スライドの接続や生徒への積極的な問いかけなど、双方向の授業を意識して行いました。
本記事では、このプロジェクトの様子を、実際に講義やワークショップを担当した永田がレポートします!
文章を通して、作者の想いを読み取る
受験生時代から国語が得意教科だった橋本講師。国語の勉強で何をすればわからないと困っている生徒に対して、まずこのように問いかけます。
「文書を書く理由って、なんだと思いますか?」
「みんなが相手に何かを話すときって、なんでそれをしていると思いますか?」
生徒は思い思いに考え、その意見を伝えます。「自分の想いを伝えるため」「楽しむため」色々な意見を出してくれました。
この「文章を書く理由」は、ズバリ「伝えたいことがあるから」なのです。
国語という教科は、よく「現代文・古文・漢文」という3つに分けて話をされることが多いのですが、この理由に関しては3つとも同じだ、と橋本講師は語ります。それが「江戸時代以降の日本語」か、「江戸時代以前の日本語」か、「古代中国語」かによって分けられているだけなのです。つまり、「相手の伝えたいことを文章を通して理解する」という本質は変わらないのです。
もちろん、漢字や文法を学んだり、文章の構造を把握したりすることはとても重要です。しかしそれは、「伝えたいことを理解する」という目的のための一つの手段にしかすぎません。文章の種類は問わず、その文章を通して作者の想いを読み取ることに集中して、国語の勉強に取り組んでほしい、と橋本講師は伝えました。
疑問文から読み解く古文
実は、古文の疑問形には、作者の想いがたくさんつまっているのです。
高校生時代は競技かるた部に所属し、古文が特に大好きだった橋本講師。百人一首に載っている有名な和歌である、
「かくとだに えやは伊吹の さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを」
を使いながら、古文の文章の読み解き方について説明していきました。
これは古文に限った話ではありませんが、言語には「疑問文」というものがあります。「あなたは本を読んでいますか?」「その本面白い?」「その本いくらする?」というようにその種類はさまざまです。この疑問文の中には、明確な答えがあるものもあれば、「今の試合めちゃ面白かったことない!?」というような答えが求められていないものもあります。橋本講師は、この「発言者が相手に答えを求めていない疑問文」の読み取りが古文では特に大事になる、と伝えました。
例えば上の和歌では、「えやは伊吹の」という部分がこの「発言者が相手に答えを求めていない疑問文」に当たります。これを古文では「反語」といい、「〇〇だろうか、いや〇〇ではない」と訳されることが多いです。この本質は、「〇〇ではない」というところにあるのです。僕らが日常で感動したことを相手に伝えたい時に、「〇〇だったことない!?」と言うのと同じで、その感情を強調して伝える文化が古典の時代からあったんだ、ということを橋本講師は生徒に伝えていました。
国語だけじゃない!
講義の最後に、橋本講師は自分の自己紹介のスライドをもう一度生徒に見せて、次のように話しました。
「普段の自己紹介の中にも、伝えたかったメッセージがたくさん隠れています。皆さん見つけられていますか?」
自己紹介には、講師の写真や所属学部、得意教科や苦手教科、高校生のときの部活などが書かれています。そこでも、「教科の話から高校生の時のエピソードに繋げよう」「競技かるた部というところを強調して古文の話をしよう」などと言った思惑が隠されているのです。
国語は、まさに僕たちの生活に直結している教科です。僕たちは意識することなく、毎日日本語を読んで、聴いて、書いて、話しています。だからこそ、自分の意識の持ちよう次第で多くのことを吸収できる教科なのです。皆さんも、机に向かっている時間以外も国語について学べる時間だ、という意識を持って国語の力を伸ばしていってください!
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講師は現役東大生!偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠をはじめとして、地域格差・経済格差など、さまざまな逆境を乗り越えた現講師たちが、生徒に寄り添って対応します。
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