【学期末事業レポート】金沢高等学校 難関大合格プロジェクト

カルぺ・ディエム講師の永田耕作が、2023年度の1年間にわたって石川県にある金沢高等学校の高校1年生、2年生を対象に「難関大合格プロジェクト」という講義やワークショップを開催しました。

「難関大学合格プロジェクト」とは?

「行ける大学」を目指す学生がたくさんいて、「安定思考」で生きる若者が増えて、「指示待ち・周りと同じように」で行動する人が多い。
失敗したくないと考えて、自由にこの瞬間を楽しむ人が少ないと思います。
そんな中で、僕たちは「やりたいこと」に挑戦してもらえるようなお手伝いをしたいと考えています。

本プロジェクトでは、生徒たちが「行きたい大学」を見つけ、ゴールまでの道のりを一緒に描き、年間を通して継続的なサポートを実施します。

偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠をはじめとして、地域格差・情報格差など、さまざまな逆境を乗り越えた東大生講師が指導に携わります。

今年度も年間を通して学校を訪問して講義をしたり、オンラインにて質問対応を行ったりしました。

イベントの様子を実際に講義やワークを担当した永田がレポートします!

各講義の導入

本記事では、今年度の活動をざっくり振り返っていきます。

1年間の全講義の様子はこちらからご確認いただけます!

目次

「僕たちは使い勝手の良いAIです」

初回の講義では「そもそもなぜこの講義を受けるのか?」という話をします。

理由はシンプルで、目的意識がなければ、ただ話を聞いても自分の活力に変えることは難しいからです。金沢高校では、「使い勝手の良いAI」というワードを用いて我々カルペ・ディエムの講師たちが生徒の皆さんに対して何を提供できるか伝えました。

親身になって教えてくれる先生や、丁寧な解説が載っている参考書、静かに勉強ができる空間、これらはすべて、自分の学習能力を高めてくれるものではありますが、これらのリソースがあれば頭が良くなる訳ではありません。重要なのは、その環境を積極的に、主体的に使っていくことなのです。

カルペディエムの講師を使い勝手のいいAI!?

勉強をするのは誰のためでもなく自分のためです。自分の可能性を広げ、将来自分がやりたいことを叶えられる可能性を高めるためです。そのために、我々をAIのように使いこなして、自分の力にしてほしい、ということを第一に話しました。

自分の将来を考えるシート

各講義のはじめには、生徒一人一人にワークシートを記入してもらう時間を設けています。年間複数回の講義があるため、なんとなくでその講義を受けるのではなく、全体を通しての目標を決めて、それを達成できるように目的意識を持って講義を受けてもらいたいからです。

今回金沢高校で行ったのは、こちらの「自分の将来を考えるシート」でした。(一部抜粋して表示しています)

自分の将来を考えるシート

このワークは、まずは自分の頭で考え、その後調べて書いてもらうようにしています。この世の中には、大学も、学部も、職業もそれぞれ多種多様なものが存在します。自分の頭にあるものだけでなく、友達と話したり本やネットで調べたりした情報も含めて、十分な選択肢から目標を考えていくことが重要だと知ってもらうためです。

ちなみに最後の「自分の目標」は、基本的にどのようなものでもOKにしています。もちろん勉強に関すること以外でも大丈夫です。テストで何点とる、何位とる、といった目標でも良ければ、ピアノのコンクールでどんな賞を取る、など趣味や習い事の目標でも構いません。ただ、一つだけ大事なルールを設けています。

それは、目標に必ず「数字」を入れることです。

数値化されていない目標は、達成できたかどうかが曖昧になります。例えば、「テストで良い点を取る」という目標は、何点取れば達成できるのかは人によって変わりますよね?70点を良い点と捉える人もいれば、80点でもまだまだダメだと感じる人もいるでしょう。そのような個人の主観に依った目標にしないために、重要なのは「数学で80点を取る」「クラス順位5位以内になる」といったような「数値化された目標」にすることなのです。どんな目標も尊重しますが、「数字」を入れるルールだけは徹底しています。

学部プレゼンバトル!

金沢高校での年間講義の中で一つの目玉イベントとなっているのが、「学部プレゼンバトル」です。この内容はいたってシンプルで、我々大学生メンバーが自分が実際に学んでいる「学部」の授業内容や魅力について10分間のプレゼンを行い、どの学部が魅力的かを生徒にジャッジしてもらう、というワークショップになります。

学部プレゼンバトルの様子

同じ大学に通う大学生でも、学部によって日々やっていることは大きく変わります。そして、それは学部の名前を聞いたり、少しネットで調べたりしただけでは想像もできないような幅広い学びなのです。

例えば、僕は現在教育学部に所属していますが、そのことを周りに話すと、「つまり先生になるんだね」と返されることが非常に多いです。しかし、実は東京大学の教育学部は、卒業後に教員になる人が3%しかいないのです。その理由を紐解いていくと、そもそも教育学部は「教員養成」を行うための学部ではないパターンもある、ということが分かってきます。このような、その学部で実際に学んでいる人しか伝えられないような「生」のエピソードを生徒に伝え、生徒個人の進路選択に活かしてもらう、という人気の講義となっています。

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受講した感想

各回の講義では、講義後にアンケートを実施しています。そこでの生徒個人の感想を、一部抜粋して共有します。

・自分の受験・勉強に対する意識の低さがわかった。とてもタメになることをたくさん知れて良かった、有意義な時間になった。

・東大生の方たちが漫画や小説の一節から言葉などを引用してくることが多かった印象があったので、そういうことが増えたらより学習意欲が湧くと感じました。

・土曜の午前はダラダラしがちなので、その時間を使って東大生の話を聞けるのはとても良い経験でした。

さまざまな種類や内容の講義を、それぞれの生徒が自分に合った方法で吸収してくれていることが、アンケートからも伝わってきました。

おわりに

この春からも、金沢高校では引き続き「難関大合格プロジェクト」を展開していきます。実際に学校に行って講義をできる回数は限られていますが、講義が行えていない時間も、生徒のテストの解答を添削したり、模試の結果を分析したりなど、ただ講義をするだけに止まらないアプローチを積極的に行なっていこうと考えています。


公式サイトにて、カルぺ・ディエムが提供している具体的なサービスを紹介中!

カルペ・ディエムでは、学校や保護者のみなさまが抱える懸念やニーズに応える形で、講演・講座・ワークショップを提案し、それらを実施しております。

生徒の皆さんの大学選びや学部選びのワークショップ、モチベーション向上を目的とした講演、独自の探究学習授業、長期休暇中の学習合宿、難関大学合格を目指した通年プロジェクトなど、さまざまなプランをご用意しております。

私たちの講師は現役東大生で 偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠をはじめ、地域格差や経済格差などの多様な逆境を乗り越えた講師たちが、生徒の皆さんに寄り添って全力でサポートいたします。

ご質問やご相談だけでも結構ですので、お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

教育事業や出版事業での取り組みを様々な媒体を通して発信しています。自社メディア「カルペディア」では、「人生を”ちょっと”前のめりに」をテーマに、教育・学習を取り巻く様々な疑問・関心について記事を掲載しています。

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