お仕事の内容や学生時代からの歩みなど、ここでしか聞けない内容を盛りだくさんでお届けします。
今回は、愛知県の公立中学校で勤務をされている 熊谷 雅之(くまがい まさゆき)先生にインタビューをしました。
中学校教諭として活動しながら、『教師は学校をあきらめない! 現場発信 子どもたちを幸せにする教育哲学』を執筆し、全国で講演も行う熊谷先生。その教育観は“生徒と共に学ぶ”ことを第一にした実践的なスタイルにあります。哲学対話や生成AIを取り入れるなど、ユニークな授業方法で、生徒一人ひとりの考える力を育てる熊谷先生に、教育にかける熱い思いを伺いました。
プロフィール

熊谷 雅之 (くまがい まさゆき) 先生
愛知県の公立中学校、高等学校を卒業し、創価大学へ進学。
大学では、ダンス部に所属し、数多くの全国大会で入賞。教員採用試験は中学校社会科で受験し、東京都と愛知県で現役合格。そして地元愛知県で教員となる。
その後は、市内の教育論文コンクールで最優秀賞を受賞。
教師も生徒と一緒で「学ぶ立場」にいる
ーー本日はよろしくお願いします。さっそく熊谷先生の本を読ませていただいて感じたんですけど、「子どもに直接聞こう」っていう姿勢、すごくいいなって思いました。先生は普段から生徒たちとどんな風にコミュニケーションを取られているんですか?
「ありがとうございます!そうですね、僕は基本的に生徒に教えるというよりも、一緒に学ぶ立場だと思って接してます。だから、教える・教えられるっていう関係じゃなくて、共に学ぶっていう姿勢がすごく大事だと思っているんですよね。」
ーー素晴らしいですね!生徒たちの意見を聞くことで、授業の内容がどんどん深まっていく感じなんですね。
「そうなんですよ。子どもたちの方が詳しいことも多いですし、聞けば答えが返ってくるんですよね。だから僕は、生徒の中に“学びの答え”があるって思ってます。」
ーーなるほど。でも、そうやって生徒たちに頼ることって、最初は難しくなかったですか?私が先生の立場だったら、怖いなと思ってしまうのですが…
「確かに最初は『ちゃんと答えてくれるかな?』とか不安があったかもしれない。でも、やってみるとすごく素直に応えてくれるんです。だからやっぱり、こっちが“聞く姿勢”を持っているかどうか、それが一番大事だと思いますね。子どもたちが学びの主役なんだから、聞けば一番早いんですよ。」
教師の魅力を全国に伝えるために本を出版
ーー熊谷先生、先生の著書の話もぜひ聞きたいんですけど、そもそもなぜ本を書こうと思ったのですか?
「僕、教師って仕事が社会でちょっと誤解されてるなっていつも思ってたんですよ。たとえば、ニュースとかで問題を起こした先生がいると、そのせいでまるで全ての先生がそうだ、みたいに見られることがあるじゃないですか。でも実際は、めちゃくちゃ頑張ってる先生がたくさんいるんですよね。だけど、そういう部分ってなかなか伝わらない。教師っていうのは、やりがいのある仕事なんだぞって伝えたくて。本を書くことで、そういうことをもっと知ってもらいたいなって思ったんです。」
ーーそのイメージを覆すために本を書こうって決断するのって、すごいことだと思います。
「ありがとうございます(笑)。やっぱり僕が『この仕事って楽しいんだよ』って伝えるのは、僕の役割だなって感じたんですよね。それに、僕がこうやって感じているやりがいや楽しさって、生徒たちが教えてくれたものでもあるので、それを言葉にして形に残したいと思いました。」
ーーその熱い思いが詰まった本を、さらに広めるためにクラウドファンディングにも挑戦されたんですか?
「そうなんです。やっぱり本って書いただけじゃダメで、読んでもらって初めて価値があるものだと思うんですよね。でもその一方で、正直、日本だけでも1億人以上の人口がいる中で、僕の本を読む人なんてほんの一部なんですよ。だから、自分から動いて広めないと誰も読んでくれない!って思って、クラウドファンディングにも挑戦してみました。」
ーー実際、どんな風に広める活動をされたんですか?
「もう地道にやるしかないんですよ(笑)。書店を回ったり、講演会で本を紹介させてもらったり、直接声をかけたり。地元の先生たちにもSNSとかで告知したりして。でも結局、反応が一番良いのって、直接LINEとかDMを送ることなんですよね。だからめちゃくちゃ手間はかかるんだけど、それが一番確実だなって思いました。」
ーー熊谷先生の熱い思いが伝わってきました!その本を読んで、たくさんの人が教師の魅力に気づいてくれるといいですね。
「そうですね。それが少しでも伝わったら嬉しいです。」
教師って「つらい」じゃなくて「楽しい」
ーー熊谷先生とお話させていただく中で、本当に生徒と向き合うのが楽しいというのが伝わってくるのですが、教師として働く中でどんなところにやりがいを感じますか?
「そうですね、やっぱり生徒からの『ありがとう』とか『楽しかった』っていう声をもらうと、めちゃくちゃ嬉しいです。子どもたちが授業を通じて『わかった』とか『おもしろかった』って言ってくれる瞬間って、やっぱり一番のやりがいですね。嬉しいことで卒業後も生徒から『就職どうしよう』とか『進路の相談したい』って連絡をもらうことがあります。。そういう時に『この子たちの人生にちょっとでも関われたんだな』って実感すると、やっぱり教師ってめちゃくちゃいい仕事だなって思うんです。」
ーーそういう直接的な「ありがとう」が返ってくる仕事って、他にはなかなかないですもんね。
「本当にそうですね。どんな仕事も誰かのためになってるのは間違いないんだけど、教師ってその『ありがとう』を直接もらえる仕事だから、すごく恵まれてるなって思います。超大金持ちになるわけでもないし、世間的に成功者って言われるような職業じゃないかもしれないけど、でも僕にとってはめっちゃいい仕事だなって思いますよ。」
ーー教師として働く中で「余裕がない」と感じる場面もありますか?
「そうですね。昔は本当に忙しい時代もありましたけど、今は働き方改革も進んで、少しずつ改善されてきてると思います。ただ、精神的な面での余裕っていうのはまた別の話で、そこが課題ですよね。先生たちが余裕を持って働けるようになると、もっと子どもたちにもいい影響が出ると思います。だから、僕も自分自身で『どうやって余裕を作るか』をいつも考えてます。生徒と向き合う時間が一番大事だと思ってるので、それ以外のことはなるべく効率よく片づけるようにしてますね。」
子ども達の未来を支えられるのが教師の魅力
ーー先生のお話を伺っていると、本当に教師というお仕事が好きなんだなと伝わってきます。最後に、先生が考える「教師という仕事の魅力」について教えていただけますか?
「いやー、やっぱり楽しいですよ。この仕事って、子どもたちと一緒に成長できるのが本当に魅力なんです。たとえば、授業を通じて生徒たちが『わかった!』って顔をする瞬間とか、卒業後に『先生、進路の相談に乗ってください』って連絡をもらう時とか。僕が彼らの人生に少しでも関われたんだなって思えるのが、すごく嬉しいんですよね。で、それがまたエネルギーになるんです。」
ーー先生、これから教師を目指す人や、現場で頑張っている先生たちに向けて、何かメッセージをいただけますか?
「そうですね、僕はやっぱり、先生っていう仕事はもっともっと素敵な仕事だって思ってほしいです。社会的に厳しい目が向けられることもあるけど、実際には子どもたちの未来を支える本当にやりがいのある仕事なんですよ。だから、現場の先生方には、ぜひ自分が感じる楽しさややりがいを忘れないでほしいなって思います。それが子どもたちにも自然と伝わると思うので。で、教師を目指してる人には『好きなように生きていいから』って言いたいですね。僕自身もそうだけど、誰かがこうなってほしいっていう型にはまる必要は全くないんです。自分がやりたいことを見つけて、それを全力でやる。それが教師としても、人としても一番楽しい生き方だと思います。」
ーー「好きなように生きていい」って素晴らしいメッセージですね。熊谷先生の話を聞いて、教師って本当に素晴らしい仕事だなって感じました。今日は本当にありがとうございました!
「こちらこそ、ありがとうございました!すごく楽しかったです!」
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