【講演レポート】筑陽学園高等学校 永田講師登壇「勉強の楽しさを知ろう!」

【講演レポート】筑陽学園高等学校 永田講師登壇「勉強の楽しさを知ろう!」

カルペ・ディエム講師の永田耕作講師(教育学部3年生)が2023年3月8日、「勉強の楽しさを知ろう!」という題目で、福岡県にある筑陽学園高等学校の1年生10人に講義を行いました。

50分間の講義の中で、永田講師の経験なども交えながら数学を学ぶことで得られる視点を紹介し、勉強を通じて自分の興味のあるトピックを見つけることの意義についても触れました。

本記事では、この講義の様子をメディア事業部の亀田がレポートします!

目次

東大生は高校生の頃から勉強が好きだった?

東大生って高校生の頃から勉強が好きだったんでしょうか。私、亀田自身は好きでしたが、永田講師はそこまで好きではなかったようです。そんな永田講師も今では、教育学部に進み、勉強の楽しさを伝える活動を行っています。

永田講師はこのように言います。「僕も最初は楽しく思えなかったけど、勉強することの面白さや魅力に気付いて東大を目指すようになりました。今日は皆さんに、勉強が好きになれた過程について紹介できれば良いなと思っています。」と。

新幹線にはなぜ2人席と3人席があるの?

そんな導入で始まる講義。まず永田講師はこんな質問を生徒たちに投げかけます。

「新幹線って2人席と3人席に分かれてて、一見バランスが悪くみえるよね?なんでこんな分け方にしてると思う?」と。

生徒同士で活発な議論が進み、「1人ぼっちにならないように」「グループで来た時のために」「3人家族が一列で座れる」など、さまざまな意見が出ました。

「この理由は、どんな人数のグループでも近くの席に座れるように、というJRさん側の優しい心遣いなんです。みんな色んな角度から答えを出してくれたけど、実はこれは、数学1Aの『整数の性質』の分野で勉強した内容を使っているんです。数学の言葉でいうと、『0以上の整数x,yを用いて、2以上の自然数は必ず2x+3yの形で表せる』ということなんです。皆さんもJRも知らず知らずの内に高校で習った数学を生かしているんです。」

モンティ・ホール問題

永田講師の話は続きます。皆さんはこんな問題を知っていますか?

モンティ・ホール問題の説明
モンティ・ホール問題の説明②

これは有名なモンティ・ホール問題と言われるもので、実はこれ、扉を選び直す方が得策であることが知られているのです。生徒たちにディスカッションしてもらうと、いろいろな意見が飛び交いました。「これどっちを選んでも確率は変わらないのではないか。」「最初の直観を信じた方がいい。」「いや変えた方が良いだろう。」

永田講師は次のように解説します。

「1.最初に扉を選ぶ時点ではその扉がアタリの確率は1/3で、これは決まっている。
2.扉を変えない場合、最終的にアタリを引けるのは、最初にアタリを選んでいないといけないから、アタリの確率は1/3。
3.一方、全体で確率の和は1にならないといけないから、扉を変えた場合のアタリの確率は2/3になる。」

と、文章で説明しても、本当かな?と思ってしまいますよね。それもそのはず。この問題は1990年代アメリカのクイズ番組で採用されて、ある雑誌で「変えた方が良い」と回答したコラムニストに対し、数学者を含むありとあらゆる方面の人々から「この回答は間違っている」と批判が殺到した、という過去を持つ問題なのです。

「一見難しそうにみえる問題ですが、実は数学IAの『場合の数と確率』で習うように、全てのパターンを書き出してみると、ちゃんと数学的に納得できるんですよね。もしよかったら『ベイズの定理』というワードで調べて見て欲しいです。」

勉強は楽しい!!

「勉強をするってのはモノを知ることなんですよね。モノを知るってことは、それを相手に話したり、突き詰めたり。日常で感じたりすることです。そうすると、勉強って楽しくなるんですよ。さっきの整数の問題とか確率の問題とか、まあワークの時間だからやるか、ってことで楽しく取り組んでもらったと思うんだけど、例えば確率の勉強をしたことが無かったり知識がないと、同じ場面でも出来ることが少なくて、こういった取り組みも楽しめないんだよね。」

「だからこそ、僕は『勉強っていうのは、自分の人生や日常生活を楽しくするツール』だと思っています。確かに課題をこなしていく勉強が楽しいか、と言われると賛否はあると思う。なんだけど、突き詰めれば、自分が思う『面白いこと、楽しいこと』に必ず繋がると思うんですよね。」

「まずは好きなモノから始めて欲しいなと思います。好きなモノだったら覚えたりするのも苦じゃないよね?そこから自分が何に興味があるのか、探してみてください。」

勉強は役に立つ!!

もう少し身近な例に置き換えてみたいと思います。例えば「同じ値段のMサイズとLサイズのピザ、どっちがお得?」って考えたことありませんか?この問題を考えるには、「円の面積の求め方。」を使います。

「もちろん、Lの方がお得だよね。世の中のママとかパパってこういう計算だけ早いよ。ほんとに。うちの母親は勉強嫌いだけど、こういうのだけはバッチリ合わせてくるんだよね。」

「じゃあもう一問。20%OFFと20%増量、どっちがお得?」

20%OFFと20%増量を説明するスライド

これらは1つ1つだけとって見れば地味なことかもしれないけれど、、日常に潜む疑問を「疑問」と思う、そしてどうしたいかを考えること自体が勉強の醍醐味だと、永田講師は熱弁します。

「数学以外でも構わないです。この薬に含まれてるこの成分はどうして効くんだろうとか、紅茶の『ダージリン』ってどういう意味なんだろう、とか。色んなところに疑問を持って欲しいです。これこそが勉強を楽しめるようになる近道なんです。」

勉強は自信になる!!

最後に、永田講師は高校時代の辛かったエピソードを話します。

「俺は硬式野球部をずっとしてて高校でも頑張ろうと思ってたけど、現実は甘くなかった。後輩の練習のサポートをする日々が続いて、正直辛かった。でも、最終的には『自分が主役の時、それを支えてくれている脇役の人の存在の大切さ』に気付けたんだよね。」

「これって受験でも同じで、親や先生や同級生の色んな人に応援されていることへの感謝を忘れないで欲しい。その感謝の上で、『自分のために』努力して『自分の力で』目標を達成して欲しい。受験は全てではない。でも、勉強を頑張ることで自分の努力が報われる経験をして欲しい。その経験は必ず君たちの自信になるから。」

永田講師より

今回講義を担当させていただきました永田耕作です。今回は、「勉強の楽しさを知ろう!」というテーマの講義だったため、勉強は「楽しい」「役に立つ」「自信になる」の3つのパートに分けて、自分が実際に体験したことも例に織り交ぜながらお話しさせていただきました。

講義の中で、新幹線の話やピザの話をはじめとして、さまざまなクイズを出しながら勉強に結びつけて話していましたが、このようなクイズ全てに全員が「楽しさ」「面白さ」を感じるとは中々ないんじゃないかと自分は思っています。日常の中のどのようなものに疑問を持ち、どのようなことを深掘りするのが楽しいのかは人それぞれなのです。そのため、今回の僕の講義を聞いてくださった生徒の中で、「この話はあんま共感しなかったけど、この話はすごい面白かったな」というように、何か一つでも、一部分でも吸収してくれれば嬉しいなと考えています。

これは実際に講義でも生徒にお話ししたのですが、実は授業や講義、ワークショップというのは、その時間で何ができたかよりも圧倒的に、その後継続的に自分が行動できるかが大事です。そのため、「今日から、そして明日から、自分がどのように進んでいくか」を考えられるような講義になっていれば良いな、と思います。

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この記事を書いた人

大学では理学部物理学科に所属。高校時代に生徒会長をした時の楽しさが忘れられず、学祭やイベントの運営に携わって仕事をすることが、至極の楽しみ。カルぺ・ディエムでは出版編集部に所属し、よりクオリティの髙い書籍を出すことを意識している。趣味はピアノとゲームとスラック。

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