修学旅行向け 大学体験プログラム

大学体験プログラム

大学体験プログラムとは

大学生によるワークショップ型の講義や座談会を通して、大学への期待感を高め、学びに向かう力と、それを社会に生かす力を育むプログラムです。その中で、大学生がどんな風に大学で学んでいるのか、高校までの勉強と大学の勉強がどうつながっているのかを伝え、生徒の内発的動機形成のお手伝いをします。

プロジェクターを準備してスライドを投影して話をする時間もあれば、何か生徒に問題を出して生徒がそれについて考える時間を設けており、双方向での講義を意識しています。ワークの時間では、前後でグループになって活発に議論が行われます。

このプログラムの担当講師達は、大学でさまざまなことを学びながら、サークルや部活動、インターンなど勉強以外の部分にも注力して学生生活を送っています。

そんな講師陣が自分の具体例も交えながら、「個々のやりたいことに応じた色んなコミュニティで活躍して、自分の世界を広げることの大切さ」を伝えています。

本記事では、このプログラムの様子を、これまで複数の学校に対して講義やワークショップを担当した永田がレポートしていきます。

目次

はじめに

皆さんは、修学旅行の思い出はどんなものがありますか?

学校によって学年や時期は異なりますが、多くの子供たちが経験する修学旅行。

普段一緒に勉強をしている仲間や先生と、一緒になって日本の様々な観光名所や、時には海外の都市に向かい、宿泊を伴いながら色んな行程を進めていく学校の大きな学校行事の一つです。

この修学旅行、学習指導要領が改訂され、全ての教育活動に「主体的・対話的で深い学び」を実践することが定められ、特に「体験的な活動」が重視されているなか、コロナ禍を契機にして、修学旅行は従来の「思い出づくりの旅」から「学びの旅」へと変化が加速しています。また、都市部に比べると、人口の少ない地方では、子供たちが多様な情報に触れる機会が圧倒的に少なく、ロールモデルが少ないことで人生の選択肢が狭まってしまうことが考えられます。

カルペディエムでは、その解決策の一つとして修学旅行という学校行事の中で普段馴染みのない土地を訪れ、そこで大学生とのワークショップ型の体験交流プログラムを通して、「学ぶことで選択肢を広げる楽しさ」「失敗を恐れずに挑戦して、自分の世界を広げることの大切さ」を伝えています。

大学と高校の違いは

このプログラムではまず、「大学はどのような場所なのか?」について、生徒に分かりやすいように高校と大学を比較しながら説明していきます。

「人数が多そう」「キャンパスが広そう」などとなんとなくのイメージを持っている生徒はいるものの、具体的に「大学はこのような施設だ」と説明できる生徒はあまりいません。そんな生徒の皆さんに対して、クイズ形式で大学のさまざまな情報を伝えていきます。この講義では、「5W1H(What,Where,When,Who,Why,How)」を利用し、それぞれの観点で説明します。大学は何を学ぶのか、どこにあるのか、いつ授業が行われるのか、どんな人がいるのか、なぜ学ぶのか、そしてどのような手段で学ぶのか。

6項目全てについて、講師陣の具体例を添えながら話していきます。

大学と高校の違いは?

大学の授業の時間割を作ってみよう

実際に授業の時間割を組んでみよう!

「大学はどのような場所なのか?」に関しての説明をしたら、その後は実践編!ということで、実際に大学の時間割を生徒一人一人に作ってもらうワークを行います。

カルペディエムの大学生メンバーが協力して、実際に大学である授業をリメイクした授業タイトルと、その内容、講義日程などを考え、それをまとめたシラバスを作成しています。この講義では、その特製シラバスを使って、「自分が実際に大学に入学したらどんな授業を取りたいか」を考えながら生徒さんに「自分だけの時間割」を作ってもらうのです。このワークの時間が、この「大学体験プログラム」の目玉と言っても良いでしょう。

実際に授業の時間割を組んでみよう!
アニメ工学入門

特製シラバスには、それぞれの授業についてその授業の「タイトル」と、「開講時限」、「開講学部」が掲載されています。上の写真を例に挙げると、このシラバスから工学部の教授が開講している「アニメ工学入門」という授業が、月曜4限に行われる、という情報を得ることができるのです。さらに、一部のシラバスには「QRコード」をつけています。このQRコードを読み取ると、我々がこの授業の内容や注意点などについて簡単に説明している動画を見ることができます。実際に大学の授業の時間割を決める上でも、このような参考動画があるパターンは多いので、「リアルな履修登録」を体験することができるのです。

シラバスを見ながら実際に時間割を作ってもらうと、人によって全く違う時間割が出来上がります。どの曜日も3コマ程度満遍なく授業を入れる人もいれば、月曜日は1〜5限全て授業が詰まっているけど、次の火曜日は1コマも授業を取らない、というふうに偏りをつける人もいます。実際に我々大学生メンバーも、授業を同じ日に固めて空いている時間でバイトやサークル活動をしたり、宿題が重い授業がある場合は前後のコマを空けておいたり、さまざまな工夫をしながら人それぞれの時間割を作っているのです。この講義を通して生徒には、「周りを気にせずに、自分が学びたいことや理想的な時間の使い方を考えて時間割を決める」という経験をしてもらいます。また、実際の大学の授業の説明文章や動画に触れることで、学問に興味を持ってもらい、「この授業を理解するために高校までの勉強を頑張ろう」というふうに勉強へのモチベーションを高めてもらうことを目的としています。

大学生に悩んでいることをぶつけてみよう

この「大学体験プログラム」は、こちらから提供する講義やワークだけで構成されているわけではありません。前半部分で講義やワークを行った後は、生徒をいくつかのグループに分けて、それぞれに1人ずつ大学生講師がついて生徒からの質問に答える、という「座談会」の時間を設けています。この「座談会」では、受験勉強についての質問はもちろん、大学での実際の生活についての質問や、大学の授業以外でのサークルや部活、アルバイトでの話についての質問、将来やりたいことについての質問など、幅広いジャンルの話を大学生メンバーになんでも聞くことができます。

生徒の興味はもちろん人によって全然違うので、時間を区切って参加している大学生メンバーが次のグループへ移動して、より多くの大学生に生徒が関われるための工夫をしています。

実際に生徒からいただいた質問を、一部共有します。

・将来は理系の仕事に就きたいと思っているが、理系科目の勉強に苦手意識がある場合、どうすれば良いか。

・文系選択には決めたけど、その先にやりたいことが固まっていないから学部が決められない。

・勉強に集中できない時はどんな息抜きをしたかを教えてほしい。

それぞれの質問に対しての大学生メンバーの回答も、人によって全く異なります。

例えば僕は高校時代は数学が大得意で理系を選択しましたが、大学に入ってから教育に強い興味を示して教育学部へと進学しました。大学生メンバーも悩みながら今の選択をしているからこそ、生徒の悩みに寄り添って回答することができるのです。

時間としては1時間に満たないくらいですが、生徒さん一人一人の悩みにより深く寄り添えるという点で、とても満足度の高い時間となっています。

参加した生徒の声

・知りたいことを全部聞けて、想像していた10倍以上もの返答が来たので、とても満足させてもらえました。Take a class(つかみ取る)ことができました。

・普段大学生の方にお話を聞くことはなく、自分一人では勉強の効率の良いやり方などがわからずに高校生活を送っていたので、東大に行った皆さんから具体的な勉強方法や考え方などを楽しく教わることができた

・初めは長い時間話を聞かなきゃならないと思っていたけど、話の内容や話し方が面白くて、楽しい時間を過ごすことができた。

参加した先生の声

皆様のお話を受けて生徒の意識に大きな変化がありました。何より1番に、勉強に前のめりになりました。これはいただいたお言葉をそのまま素直に受け取り、実践しています。また、志望校についても恥ずかしがらずに言えるようになりました。そして口だけでなく、実際に学習に熱心に取り組んでいます。皆様にいただいた生徒の変化を活かしていきたいと思います。勉強の仕方から大学生活についてまで、すべてが勉強になりました。また、お話の仕方を私自身、大変学ばせていただきました。

最後に

こちらの「大学体験プログラム」は、勉強を教えるプログラムではありません。大学生活を実際に送っているメンバーがその中身を共有したり、生徒さんからの悩みに応えることで、間接的に勉強に前のめりになってもらうプログラムです。そのため、今は勉強にあまり積極的になれていない生徒も、ぜひ受けて欲しいと思っています。

このプログラムを通して、大学の魅力やそのための勉強の大切さが1人でも多くの生徒さんに伝われば幸いです。


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講師は現役東大生!偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠をはじめとして、地域格差・経済格差など、さまざまな逆境を乗り越えた現講師たちが、生徒に寄り添って対応します。

ご相談から受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

理系で東京大学に入学したが、教育をより深く学びたいと思い現在は教育学部に所属。高校まではずっと野球部に所属し、大学でも野球を続けている。趣味はピアノと旅行で、旅先のストリートピアノで流行の曲を弾くことが一番の楽しみ。

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