柴田大翔先生にインタビュー〜ICT活用と働き方〜

みなさんこんにちは!シリーズでお届けしている先生100人インタビュー、今回は大阪府の公立小学校で先生をされている柴田大翔先生にお話を伺いました!よろしくお願いします!

目次

先生の紹介

柴田大翔(しばたひろと)先生

先生は小学校で教員をしながら、SNSなどで教育について様々に発信されています。インスタグラムでICTの利活用や教員の働き方改革などを紹介することからスタートし、先生個人としても残業時間を約9割減らしながら教育の質を担保するという取り組みをされてきました。最近では音声配信サービス「Voicy」において子育てや働き方、学校現場での気づきなどを中心に発信されています。

インタビュー

業務改善について

残業時間を大幅に減らされたとのことですが、その方法を教えてください

「足し算仕事」から「引き算仕事」への転換をしました。学校の先生は「あんなこともしたい」「こんなこともしたい」と色々なことに手を伸ばしがちですが、自分のキャパを超えて自身が崩れてしまったら周りにも迷惑をかけてしまい、意味がありません。何かを足したら何かを減らすという考え方で取り組んでいます。「子供の成長につながるのか」という点を基準として、必要のないものを削減していきました。1つ例を挙げるとするならば、宿題の丸付けです。もちろん今後一切宿題をチェックしないという訳ではございませんし、定期的に教師の方で進捗状況や理解度もチェックします。ただ、今後子どもたちが教師のもとから離れても自立して学習を進めていけることを目標に、ある程度子どもに任せることを始めました。

「子供の成長」とはどのようなことだと考えておられますか?

これからの社会で自立して生きていけるということです。現代は情報や状況がどんどん変化する中で、自ら課題を発見して立ち向かって生き抜いていける子どもになっていってほしいと思い、その軸のもと普段こどもたちと接しています。

SNSでの発信について

SNSなどで発信しようとしたきっかけは何ですか?

パンデミックで休校になった時に自分自身にもほんの少し時間が生まれ、これまで学んできたことを自分で整理してみようと思いました。SNS上で様々な先生が発信していることは知っていたので、自分もやってみようと思いインスタグラムをスタートしました。しかしそれは自分の認知を広めたかった訳ではなく、ただ情報を蓄積したいという思いから始めました。ありがたいことに今では多くの方にご覧いただいています。自分のアウトプットにもなるし、誰かのためになるのであれば素晴らしいと考え、今も行っています。

SNSの発信において気をつけていることはありますか?

最近ではVoicyで毎日配信をしていますが、配信を自分で聞き返すことをしています。自分の話し方が伝わりやすかったのかなどをリスナー目線で聞いてみたりしています。また発信においてはポジティブな目線を重視して発信しています。

公立の教員をしながらSNS上で発信すること自体は申請などが必要なのですか?

配信自体は私の同僚も知っていますが、特に問題ないと認識しています。ただお金が発生する場合は、きちんとその都度、兼業申請を出しています。

探求学習について

課題解決などをどのように促していますか?

「なぜ」というキーワードを大切にしています。社会につながる課題を発見することは難しいですが、たとえば国語の文章でも「このあとどうなっていくのだろう?」といった問いかけをし、根拠や情報を元に解決していくよう促しています。また今所属する学校は海に近く、SDGsの取り組みで海洋汚染を解決するために、私たちには何ができるかといった課外学習も行いました。こちらから課題を提示することもありますし、子どもから出てきた小さな疑問を引き出して一緒に考えるということも行っています。

「なぜ」という質問に対してはどのように対応していますか?

すぐに答えないようにしています。正解を知りたがっている時「この人に聞けば全て解決する」となってしまうので、「どうしてだと思う?」とか「こんな資料を図書館でみたような気がするなあ」といった形で匂わせて終わったりします。自分たちがその課題を解決しようとすることを誘発するような取り組みを行っています。

Canvaについて

先生同士で意見交換をしたりする機会はありますか?

私は大阪に4人いるCanva認定教育アンバサダーの内の1人なのですが、Canvaを使った大阪の教育者コミュニティ(Canva Educators Community 大阪)を運営しています。3ヶ月に1回程度実際に集まって、Canvaを使った教育についてワークショップを実施したり、授業者の実践を語り合う機会があります。

Canvaが他のツールと違う点を教えてください!

たくさんあるのですが、一つ挙げると直感的な操作でデザインをすることができるのがよさですね。そしてCanvaの中で様々なアウトプット作品を作れるという点もすごく便利です。

先端技術と教育について

現在の教育現場の課題を教えてください

GIGAスクール構想をきっかけに、ICT活用はここ数年でかなり進んできてはいますが、それでもやはり紙で印刷してプリントを配って、というアナログ一本から脱却できていないことが多いように感じます。もちろん、決してアナログの選択肢を無くすという訳ではないのですが、デジタルの選択肢を持ち合わせているというのは、今後の社会においてマストだと思います。例えば、今だとリンクを送るだけで資料等を共有できるなど、生産性・効率性を高めるうえでも非常に便利なので、もっと活用していくべきだと思います。

小学校現場において生成AIなどは使われていますか?

ChatGPTやGeminiは年齢制限があるのでなかなか小学生が使うのは難しいのですが、Canvaの画像生成AIは小学生でも学校現場で使えるので、積極的に活用しています。そこでたとえば国語で「オリジナルのコマの紹介文を作ろう」という授業で、紹介文とは別に自分が考えたオリジナルのコマを画像生成しました。そこでは、子ども達の多様な発想を、絵が描けない子供でも表現することができました。これまで色鉛筆などで絵を書いていた時間を他の部分(例えば、文章をより良くブラッシュアップするなど)に回すこともできます。また授業等のアイデア出しなどでも叩き台として活用しています。AIを過信しないように自分でも確認しながらやっています。

その後試しに作ってみましたが、、、意外と難しいです

最後に

将来の教育についてどのように考えますか?

僕自身は教育は魅力のある仕事だと思います。今目の前にいる子どもたちの成長を考えるのはもちろんですが、関わる先生たちがみんなでその子たちの良い将来を実現するために取り組んでいくことが大切だと思います。

今回は柴田先生に様々な貴重なお話をいただきました。改めて感謝申し上げます。ありがとうございました!


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この記事を書いた人

メディア事業部、教育事業部。
学校推薦型選抜で入学し、現在東京大学1年生です。関西出身。
高校の時は放課後に地元を散歩し、地域の人と交流したりしていました(受験の前日もやっていたことは内緒)
今年の夏休みに2ヶ月かけて日本縦断(いわゆる最長片道切符の旅)をするなど、旅を趣味としています。放課後に温泉に行ったりします。
瀧廉太郎のファンです。荒城の月を目覚ましにしています。
日本の文化を次の世代へ伝承するための地方創生に向けて大学で勉強中です。

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