みなさんこんにちは!
教育事業部の橋本です。大河ドラマ、面白いですよね〜!
物語も盛り上がりを見せて、どんどん熱くなってきています。
そこで、普段講義で古文を教えたり、趣味で競技かるたをやっていたりする自分が、「光る君へ」の魅力に迫っていきます!
今回はドラマに登場した『宗』についてフォーカスしていきます。
光る君へとは
光る君へとは、2024年現在、NHKで毎週日曜20時から放送されているドラマです。この枠は、特に歴史上の人物や出来事に基づいて作成されているドラマシリーズである大河ドラマとして放送されています。
今回は、1000年以上前の平安時代の日本が舞台で『源氏物語』を著した紫式部を中心に物語が展開していきます。
紫式部、中国行っちゃうの!?
最近のストーリーでは、登場人物の周明が紫式部との関係を深めている様子がみられましたね。周明の謎めいたキャラクターに少しドキドキしてしまいます。
周明は紫式部を宋(=中国)に一緒にくるよう声をかけます。夢の国だと憧れを抱く紫式部はその提案に惹かれます。
結局物語では、京に戻る決断をしてしまいましたが、もしそこで中国に行っていたらどんな物語が待っていたのか、気になります。
では、この宋とはどんなところなのでしょうか。
そして、宋に憧れる紫式部の感情にはどんな背景があるのでしょうか。
歴史を紐解きながら一緒に考えてみましょう。
憧れの土地、中国
日本は、中国の影響を多く受けて歴史を紡いできました。
一部朝鮮半島を経由しながら、稲作や鉄などさまざまな文化が入ってきたのです。
それは、日本で律令国家と呼ばれる法治国家に近い国家体制が作り上げられた時でも変わりません。
例えば、10人の話を同時に聞くことができた伝説が残っていることで有名な聖徳太子の時代には、中国に使節を送りました。この時の中国の国名が隋だったので、遣隋使と呼ばれています。
使節の目的は当時最先端を走っていた中国の文化を勉強したり、珍しい物品をもらったりすることです。
そう、ビジネスをしている人にとってのシリコンバレー、アジア人にとってのシンガポール、ラグビーをしている人にとってのニュージーランド。人によってさまざまですが、いずれにしても憧れる場所にいくことは当時も今も嬉しいことです。
しかし、平安時代になると、この中国への使節は中止されるようになります。当時は唐と呼ばれていたので、遣唐使が中止されるようになります。
そこには、中国の文化をある程度吸収できたという理由もありましたが、何よりその使節の旅に危険が多くあったからです。成功するかどうかもわからないのに、そのさきで得られるものが少ないとリスクにあっていません。
こうして、紫式部の時代になる頃には中国との関わりは使節がいた頃に比べると薄くなっていたのです。
当時の中国はどんな状況だったの?
周明が住んでいたという宋はどんな国だったのでしょうか。
唐の時代が終わり、戦乱の世の中になっていたところを、一国の武将であった趙匡胤なる人物が始めた国です。漢民族の統一国家であったが、それゆえに他の民族の攻撃を頻繁に受けていました。
最終的には、腐敗した政治に反対した農民の乱と、北方民族の攻撃により滅びてしまいました。そんな危ない状況の国家に、危ない目に遭いながらいくほどではないことがわかりますね。
だからこそ、紫式部をはじめとした当時の日本人が夢の国と考えていたのも納得です。
多くの文化や珍しいものがある理想郷、でもそこに行き着くには危険であふれており、たどり着くものはごくわずか。
その希少性が夢だと思わせていたのかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたか。
中国への使いの派遣を停止した日本も、その心の奥では憧れの気持ちが残っていたんですね。裏には複雑な事情があるでしょうが、憧れながらその関係を断つ、その側面だけを見ると身近に感じられますね。
また次回の記事まで一緒に光る君へを楽しみましょう!
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