【試し読み】「数字のセンス」と「地頭力」がいっきに身につく 東大算数

※本稿は、西岡壱誠(著)『「数字のセンス」と「地頭力」がいっきに身につく 東大算数』(東洋経済新報社)の一部を再編集したものです。

「算数」のすごさを知るために

突然ですが、皆さんは次の問題について2秒で答えられるでしょうか?

あなたは、アパレルショップのお店の店長で、今日は7つの商品が売れた。
さて、今日の売上を計算しているが、次の計算式は正しいだろうか? 間違っているだろうか?

22000円+4400円+6600円+858円+1067円+363円+8282円=43263円

普通に計算してみることはそれほど難しいことではありません。小学生の「算数」でも、数字の合計自体を出すのは簡単でしょう。

しかしこの問いの答えを、「2秒」で出すためには手計算だと時間がかかりすぎますね。暗算が得意な方ならば可能かもしれませんが、この問いにすぐ答えるためにはもっと簡単な方法が、つまり計算する以外の方法があります。そしてそのような思考法の重要性こそが、本書がもっとも皆さんにお伝えしたいことの一つなのです。

数字の力で生活を豊かに

この問いの答えは、「間違っている」です。

「2秒」でこの答えを出す方法の一つとして、整数における偶数と奇数の性質を利用することが挙げられます。1の位に着目すると、7つの商品の値段は左から順に、偶・偶・偶・偶・奇・奇・偶となっていることがすぐにわかります。そして、このことから値段の合計は偶数になっていなければおかしいことがすぐにわかるのです。

この考え方自体には、特に難しい数学的な概念は出てきません。それこそ、小学生の「算数」で習うようなことばかりです。しかし、これらを用いて適切な応用を施すだけで、日常生活は劇的に快適なものになる可能性があるのです。

数字を用いて効果的に人を説得できるようになれば、勉強や仕事でも大きな武器になるでしょう。数字を用いた効率的な思考法や計算法を身につければ、煩雑な作業がスムーズに遂行できるようになるでしょう。そして多くの場合、そこで用いる数学的な知識は、小学校の「算数」の範囲で十分なのです。

本書は多くの東大生たちが当たり前に身につけている、このような「算数」的思考法を余すところなくお伝えします。この本を読み終えたころには、あなたの日常生活は「算数」でもっと豊かなものになっているはずです。


「数字のセンス」と「地頭力」がいっきに身につく 東大算数

著者:西岡 壱誠
出版:東洋経済新報社(2024/5/29)


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この記事を書いた人

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