大学受験において、現役生・浪人生問わず、受験する学校に必ず提出しなくてはならない「調査書」。現役の高校生であれば、学校側から調査書申請用の紙をもらえたり、もらい忘れていても先生が催促してくれたりしますが、浪人生はそうはいきません。卒業した高校に自分で申請して手に入れる必要があるのです。
この記事では、浪人生が調査書を手に入れる方法や注意点について、東大生ライター碓氷明日香が詳しく解説します。

調査書とは?
そもそも調査書とは何なのでしょうか。
調査書は、大学側が、受験する生徒がどのような高校生活を送ってきたのか、3年間の様子や実績を見るための書類です。在籍していた高校の先生が評定や普段の生活態度などから作成してくれ、それを受け取った受験生が出願時に他の書類とまとめて提出します。
調査書には次のような項目が書かれています。
- 各教科・科目などの学習の記録(学年ごと・教科ごとの5段階評価と習得単位数)
- 各教科の学習成績の状況(教科ごとの評定平均と全体の評定平均)
- 学習成績概評(全体の評定平均を踏まえたA~Eの成績段階)
- 総合的な学習の時間の内容・評価(探究活動の評価)
- 特別活動の記録(委員会・生徒会活動・学校行事での役割などについて)
- 指導上参考となる諸事情(部活動・ボランティア活動・取得資格などについて)
- 備考(その他大学側に伝えたいこと)
- 出欠の記録(学年ごとの出席日数・欠席日数)
調査書の中身を受験生が見ることは基本的にできません。調査書が入っている封筒の封を切ると無効になってしまうため、1枚余分にもらうなどしない限り、自分の調査書に何が書かれているかを知ることはできないのです。気になるかもしれませんが、基本的に悪いことは書かれていないはずなので、我慢しましょう。
浪人生が調査書を手に入れる方法
では、実際に浪人生がどうやって調査書を手に入れるのかについて見ていきましょう。高校にもよりますが、基本的に方法は2つあります。
直接高校に出向いて申請する
まず1つ目は、直接高校に出向いて申請する方法です。卒業したあとも高校の近くに住んでいる場合は、直接学校に取りに行くのが手っ取り早いでしょう。
事前に高校に電話して、氏名・卒業年度・申請理由・必要枚数を伝えておくと受け取りがスムーズになります。いきなり高校に出向いて、パッと出来上がるような書類ではないので、事前に連絡するのが礼儀です。また、その際に1枚あたりの手数料や受け取りまでどれくらい時間がかかりそうかなども確認しておくといいでしょう。
電話やインターネットで申請する
2つ目の方法として、電話やインターネットで申請して郵送してもらう、というものがあります。地元から遠く離れた予備校に通っている場合などは、わざわざ高校に出向くよりも電話やインターネットを活用する方がやりやすいでしょう。
申請の方法は学校のホームページに書かれていることが多いです。電話やインターネットで申請が可能なのか必ず確認してください。また、その際に必要なものもそこに記載されているはずなので、よく読むようにしましょう。
手に入れる際の注意点
浪人生が調査書を申請する時に注意すべきことがいくつかあります。ここでは、その注意点について説明していきます。
期限が設けられている学校も
学校によっては、卒業後5年間しか調査書が発行できないところがあります。その場合は、代わりに卒業証明書・成績証明書・単位取得証明書などを提出する必要があるようです。自分の卒業した高校が何年後まで調査書を発行してくれるのか、もし期限を過ぎていたら何の書類を発行してもらわなければならないのか、高校のホームページや受験校の入試要項などで確認するようにしましょう。
手数料がかかる
現役高校生の時に一度発行してもらっていればわかるかと思いますが、調査書の発行には手数料がかかります。学校によりますが、1通200〜600円が相場だそうです。申請する時に学校にしっかり確認して、発行枚数に応じて準備するようにしましょう。
卒業証明書も一緒に発行してもらおう
大学に提出するのは調査書ですが、大学入学共通テストの出願に必要なのは「卒業証明書」です。別の書類ですが、これもそれなりに発行に時間がかかります。調査書の発行を申請するタイミングで、卒業証明書も一緒に申請しておくと二度手間にならずに済むのでおすすめです。受験直前期はできるだけ勉強に時間を割きたいはず。まとめられるものはまとめてしまいましょう。
代理人が受け取ることもできる
実際に高校に出向いて調査書を受け取る場合は、受験生本人でなくても大丈夫です。例えば、その高校に弟や妹が通っている場合は、代わりに受け取ってもらうこともできます。代理人を立てる場合は、受験生本人の身分証明書が必要なので、準備して渡しておきましょう。
高校によっては、代理人ではなく本人が受け取りに来るよう指定しているところもあるようなので、注意してください。
何枚もらえばいい?
調査書の発行枚数についてですが、1回の出願につき1枚提出することが求められるので、基本的には自分の受験校の数だけもらえばいいということになります。1つの大学の中で複数学科受験する場合も、同じ入試制度を利用し一度にまとめて出願するなら、必要な調査書は1枚です。ただ、一度出願した後に、別の学科を併願する場合は新たに1枚調査書が必要になるようです。
先に述べた通り、調査書は封が切れてしまうと無効になってしまうので、必要枚数より少し多めに申請しておくと安心でしょう。ただ、学校によっては、受験校を記入してそれに応じた枚数を発行するシステムになっているところもあるので、その場合は余分にもらうことはできません。もらった調査書は厳重に管理しましょう。
いつまでにもらうべき?
調査書の発行には時間がかかるので、出願の1ヶ月以上前に申請するのが望ましいです。私立大学の入試は1月頃から始まるので、12月頃から準備しましょう。国立の二次試験の分もまとめて申請しておくとあとで楽です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。大学受験において、書類ミスは命取りです。確実な準備を早めにしておくようにしましょう。ホームページを確認したり、実際に電話で聞いてみたりして、ミスなく出願の準備をした上で、安心して受験に臨めるようにしておくことが大切です。

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