子どもの勉強にご褒美は効果的?東大生が実際にもらっていたご褒美も紹介!

子どものやる気を「ご褒美」で引き出そうとしたことはありますか?「ご褒美をあげてもいいのかな…」「ご褒美目当てで勉強するようになってしまうのではないか」など、さまざまな悩みを抱えている親御さんや先生も多いでしょう。今回は、主に小学生に向けたご褒美について紹介します

目次

ご褒美はあげてもいい?

勉強に対する「報酬」として、ご褒美を与えても良いのでしょうか。このテーマは、論争の的にされてきました。
たしかに、ご褒美をあげることが子どもの成績を高めたという研究結果は、多く存在します

たとえば「勉強したらお金を払う」という教育方法は有効であるという研究結果が出ています。

リチャード・ホールデン経済学部教授「Why we should (carefully) consider paying kids to learn」2000年、ニューサウスウェールズ大学http://research.economics.unsw.edu.au/richardholden/assets/verticalvshorizontal_wtables_2016.pdf
https://theconversation.com/why-we-should-carefully-consider-paying-kids-to-learn-111624

ただし、多くの論文が条件を提示したり、落とし穴も同時に言及したりしているので、どんなご褒美でも与えればいいというわけではなさそうです。

ある研究では、目に見える形の報酬は、自発的なモチベーションを損なうことが示されています(英語論文)。なぜこのような結果が生じかねないかというと、「ご褒美がある勉強」をする子どもは、勉強する意味を、勉強そのものの価値よりも、外部からの報酬に結び付けてしまうからです。

学習というものは、それが自律的である時、つまり、学習テーマそのものに対する興味が動機となっている時に、最も効果があると証明されています。だから、自律的ではない報酬を動機とした学習は、効果が薄いという論点です。

これらの話をまとめると、

💡ご褒美はたしかに子どもの勉強の「動機」にはなる
💡ただし、ご褒美が目的の勉強は、自分の興味からの学習に比べて、学習効果が薄い

例え理由がご褒美を得るための勉強であっても、子どものモチベーションになることはたしかです。子どもが勉強を始めるきっかけづくりとして、ご褒美制度を設けることは、決して悪いことではありません。例えきっかけはご褒美のためだったとしても、勉強していくうちに内容そのものに興味を持って、自発的な動機を生み出す可能性も十分にあります。

どんなご褒美なら効果的?

では、ご褒美をあげる場合、どんなご褒美が効果的なのでしょうか。子どもの勉強に対するご褒美の種類は、大きく2つに分けられるようです。

1 ドリル演習や通塾など、勉強する努力に対するご褒美
2 成績や順位など、勉強して出した結果に対するご褒美

皆さんは、どちらの方が効果的なご褒美だと思いますか?
この問題は、ハーバード大学の有名な研究で科学的に証明されています

フライヤー教授「The Power and Pitfalls of Education Incentives」2011年、ハーバード大学

https://scholar.harvard.edu/files/fryer/files/092011_incentives_fryer_allen_paper2.pdf

正解は、1の努力に対するご褒美。例えばドリルを3ページやったらおやつをあげる、勉強を1時間したらゲームができる、などです。

これに対して、テストで良い点を取ったら、お小遣いをあげる、塾のクラス変更でSクラスに上がったら、ゲームソフトを買ってあげる、など成果に対してご褒美を設定しても、子どもは動かなかったそうです。

努力に対するご褒美は、成果を出すまで計画的に勉強を進めて得るご褒美よりすぐに手に入ります。また、努力さえすれば結果に関わらずご褒美がもらえるので、より「手に入りやすい」感覚があります。これによって、実際に勉強を始めるまでのハードルが低いのも特徴です。

実際に東大生がもらっていたご褒美

最後に、ご褒美の具体例を紹介します。カルぺのメンバーに、もらっていたご褒美のアンケートに回答してもらいました!

努力に対するご褒美は、こんなものがありました。

​​​​​​​​公文に1回行ったら50円もらっていた。近くの駄菓子屋さんでお菓子を買って帰った。教材のレベルが上がるにつれて金額も上がっていって、達成感につながった。

問題集を2ページやると、8分ゲーム「問題集を2ページやると、8分ゲームができた

小学校の時通っていた公文の室長は、前回の宿題をやってきていてかつ教室で5枚セットのプリントを終わらせたら、携帯を貸してくれてゲームを少しだけさせてくれた

また、結果に対するご褒美をもらっていた人もいました。

算数のテストで100点とったら夜ご飯好きなものリクエストできた

小テストで満点を3つ取れたら、可愛いシールをもらえた

アンケートでは、ご褒美があることでモチベーションが上がった例も、あまりいい効果を発揮しなかった例もありました。また、もらったことがないという人も一定数いました。子どもの特性を考え、どんなご褒美が1番効果的なのか、見つけてみてください

おわりに

ご褒美がある勉強には良い面と悪い面がありますが、子どものモチベーションにつながることもあります。ご褒美を上手に使って、楽しい勉強を目指してみてください


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この記事を書いた人

早稲田大学商学部2年生。イノベーションとデザインに興味がある。好きなことは実家の犬とひなたぼっこ。

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