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人材不足や研究費不足等が背景に
文部科学省の科学技術・学術政策研究所(NISTEP)は5月14日、第一線で研究開発に取り組む研究者や有識者約2,200名を対象とした2023年度「科学技術の状況に係る総合的意識調査」の結果を発表しました。当調査は継続的に行われている意識調査で、意識という主観的な情報に焦点を当てることで、客観的な定量データでは見えない点も含め包括的に把握することを目的として行われているものです。
発表によると、大学教員の約8割が研究時間の不足を実感しており、その結果として論文をはじめとする成果物の作成・公表、実験・分析の実施、研究の構想など、まとまった時間が必要な活動が十分にできていない傾向が見られました。背景には、人材不足や研究費不足、入試の多様化や多様な学生ケアの必要性、手続き負担の増加などが挙げられ、それに伴って大学教員一人当たりの業務量が増加しているという構造的な課題が示唆されました。
解決案として、基盤的経費の拡充、研究の重要性への合意形成とそれに基づく改革の推進、煩雑な管理方針からの転換、大学間の競争から協働への転換等が提案されました。詳しい調査結果は文部科学省科学技術・学術政策研究所ライブラリから見ることができる。
学校法人先端教育機構「大学教員の8割が研究時間の不足を実感、文科省調べ」先端教育オンライン、2024年5月16日(最終閲覧日:2024年5月28日)