東大生が語る!競技かるたの世界②〜畳の上の格闘技〜

張り詰めた空気の中で息を吐く音、その音が聞こえそうなほどの静寂の中で、読手(歌を読む人)の声が響き渡る。

その声になる前の、振動になる前の音を逃さないようより集中していく。

本シリーズでは、伝統のある競技かるたの世界について紹介します。

2回目の今回も競技かるたの競技性について詳しく解説していきます。

特に、試合が開始されるまでにどのような手順を踏んで進んでいくのかを解説していきます。

※読手:競技かるたの試合中に歌を読む人

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目次

試合が始まるまで

試合が始まるまでの大きな流れは次のようになります。

対戦相手お互い一畳分距離をおいて向かい合って座り、挨拶をする

25枚ずつ札を取り、規定の範囲内で自由に並べる

暗記時間

試合開始

             

一見すると個人戦ではない点を除けば「いろはかるた」などの他のかるたとの違いは感じられません。暗記時間を設けて行うことも、一緒に遊ぶメンバーによってはあるでしょう。しかし、細かくみていくと他の個人戦競技にはない独自性や札を使う競技ならではの特殊性を感じられます。

 使う札と使わない札

対戦相手と挨拶をする前、試合の準備段階として「札わけ」という行為を行います。をします。札わけとは、その試合中に使う札と試合中に使わない札を仕分ける作業です。試合で使う札のことを「取り札」と言います。

競技かるたは100首あるうちの50首しか取り札として使いません。試合中は変わらず100首(+序歌の1首)読むため、試合中取り札が読まれる可能性は50%となっています。

「ランダムじゃダメなの?」「選ぶのってなんかずるくない?」

さて、なぜそんなことをするのでしょうか。

ヒント:かるたは試合中に歌を読む人が必要ですが、読む人1人に対して試合は同時にいくつも行われます。

※キャプションで奥にいる人が読み手です。

答えは、他の試合と取り札を合わせるためです。

ヒントの通りで、競技かるたは一度に10試合や20試合、時には100試合なんかも同時に行われます。その中で別の取り札を使っていると、試合全体の進行が遅くなってしまう、札を並べるのが大変などの問題が発生します。

事前に札わけで取り札を合わせるようにするんですね。

つまり、好きな札を選べるわけではないんです。多くの場合、歌番号の数字で取り札が決まります。

例えば、「1の位0,1,2,3,4の札」のような指定のされ方をします。そうすると対戦相手同士で、50枚ずつ札わけをして、使う札を決定します。競技かるたの取り札には、各札にその番号が書いてあります。

※小倉百人一首では、選ばれた歌に1から100まで番号がつけてあります。

なお、大会の際にはここの部分は大会運営の方々がやってくださるためそのシーンを見ることはできません。興味がある方は地元のかるた会に見学に行ってみましょう!

(かるた会の調べ方や見学の際の注意についても本シリーズの中で紹介します。乞うご期待!)

 札の並べ方

使う取り札が決まったら50枚を積み上げて1つのタワーとします。

そのタワーを挟んで対戦相手と挨拶をし、タワーを崩して混ぜ合わせたら自分が使う25枚をお互いに取ります。

25枚はバラバラに置くわけではありません。自分の側から見て右側と左側、自分の近くから見て下段と中段と上段。合計で6つの場所に分けて並べていきます。その際も縦向きに札をおいて外側から中心に向かって角を揃えて真っ直ぐ綺麗にします。

なお、縦の大きさは縦に並べてた札3枚とそれぞれの間にある畳の目2マス分、横の大きさは札の短い方の辺で16.5枚分になります。

お気づきの方もいると思いますが、この自分の『陣』の中では並べ方が自由であり、ほとんどの選手は事前に準備してきています。

つまり暗記時間で中心に覚えるのは相手の陣に何があるのかと使われる50枚は何か、になるのです。

 暗記時間

競技かるたには並べた札の場所を覚えるための時間、通称「暗記時間」と呼ばれるものがあります。通常のかるた遊びではいかに早く見つけて取るかが勝負になっています。

しかし競技かるたでは暗記時間を設けることで、見つけるという動作が無くなります。歌が読まれるタイミングでは選手は札の位置を記憶しているのです。

なので、競技かるたでは純粋な暗記力・反射神経勝負を実現させることができるのです。

そして、この部分がまさに競技かるたが疾走感のある理由の1つとなっており、競技かるたの魅力そのものに繋がっています。

いかがでしたか。

次回の記事では、試合開始してからの具体的な流れについて解説していきます。


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この記事を書いた人

東京大学では教育哲学専攻。小学校でのボランティアの経験から学校教育のあり方について模索している。趣味は旅行とドライブ。最近は高遠そばのねぎを普通は食べないことを知り、衝撃を受けた。

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