「やさしい日本語」自動変換ツール開発に向けてトヨタ財団が助成

「やさしい日本語」自動変換ツール開発に向けてトヨタ財団が助成(出所:eboardプレスリリース)
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生成AIを活用して

NPO法人eboardは、公益財団法人トヨタ財団による助成を受けて、生成AIを活用した「やさしい日本語」への自動変換ツールの開発や、日本語指導が必要な子をとりまく学習・コミュニケーション環境の改善に取り組みます。

海外から日本に帰国した、外国で生まれて日本に来た、日本生まれだが保護者の母語が日本語ではない等の理由から、日本の学校においても、日本語の支援を必要としている子どもたちがいます。文部科学省の調査では「日本語指導が必要な児童生徒」は年々増加し、2021年度には約5.8万人に達しています​​。

eboardは2020年より、団体が提供する約2,000本の映像授業に対して「やさしい字幕」を付ける活動を進めてきました。この字幕は、「やさしい日本語」の考えを元に、文章構造や語彙の簡素化が図られており、聴覚障害のある子や外国につながる子にもわかりやすいよう編集されています​​。

eboard「トヨタ財団からの助成を受け、生成AIを活用した教育現場での『やさしい日本語』の活用実証を開始」プレスリリース、2024年6月27日(最終閲覧日:2024年6月29日)

東大生の考察:教育における「やさしい日本語」

「やさしい日本語」とは、普通の日本語よりも簡単で、外国人にもわかりやすい日本語のことです。1995年の阪神・淡路大震災で多くの外国人が被災し、日本語も英語も十分に理解できなかったために必要な情報を受け取ることができない人もいました。そこで考案されたのが、「やさしい日本語」の始まりです。

言葉がわからない環境での暮らしは、子どもにとって非常に負荷のかかるものです。周囲の人とコミュニケーションが取れるようになることで、社会からの孤立を防ぐことができ、子ども自身の健全な発育だけでなく、社会全体の秩序維持にも有効です。しかし、現状では、子どもたちへの支援の多くは自治体や学校に委ねられています。

日本語指導のできる人材が学校教育現場に求められる一方で、待遇面の課題などから日本語教師の数は伸び悩んでいます。そのため、各学校が日本語指導ができる人材を確保するのは難しい状況にあります。AI等の活用によって「やさしい日本語」へのアクセスが容易になれば、人材やコスト面での課題が解決でき、全国の子どもたちに必要な支援が行き渡るかもしれません。

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この記事を書いた人

東京大学法学部卒。司法試験の勉強をしていたはずが、いつの間にか麻雀プロになっていた。日本プロ麻雀協会に所属。初恋の相手はイーサン・ハント。映画鑑賞、スポーツ観戦、料理が好き。

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