大学の「ゼミ」ってなに?具体的な特徴から実際の活動まで紹介!

大学に入ると「ゼミ」というワードを聞く事が必ずあると思います。実際にゼミとは何か説明できますか?この記事では、大学のゼミとはどんなもので、何をするところなのかを、東大生や慶應生にインタビューしてまとめました。ゼミのことが気になっている方はぜひご覧ください!

目次

ゼミとは何か?

ゼミとはドイツ語のSeminar「ゼミナール」の略称です。辞書で調べると、

大学の教育方法の一つ。
教授などの指導のもとに、少人数の学生が特定のテーマについて研究し、報告・討論するもの。

と出てきます。ゼミの活動の特徴を一言で表すと、「能動的で専門的」です。通常は授業や講義で教授から知識を一方的に教えてもらうのですが、ゼミではそうではありません。自分の学びたい分野の教授につき、同じ志をもった学生と、より具体的かつ専門的な内容を扱っていきます。

ゼミは、授業とは別の時間に設定され、単位も別で認められていることが多いです。一般的には週に1〜2回程度、ゼミの仲間と集まり、特定のテーマについて学ぶというイメージです。

3つの特徴

大きな特徴を打ち出すとすれば、「少人数制」「学生が主体的に勉強する場所」「専門分野を学べる」の3つがあげられます。

少人数制

ゼミは一斉授業と異なり、少人数で行います。具体的な人数には幅がありますが、イメージとしては1学年10人〜30人程度です。少人数で行う理由は、研究内容が専門的になるほど、自分の学びたいことが具体的になり、自分と同じことに興味を持つ人が減っていくからです。また、人気な分野のゼミであれば、意図的に人数を制限することも少なくありません。人数を制限することで、より教授と学生、学生と学生が近い距離で意見の共有をしたり、ディスカッションしたりしやすくなります。

学生が主体的に勉強する場所

ゼミで学ぶ学生の態度は、受身ではなく主体的です。自分たちの研究内容は、自分たちで決めることができます。活動内容も、普段の授業と異なり、討論や情報の共有、プレゼンテーションなどが多いです。また、どんどん専門的になり、自分が「面白い!」と思ったことに力を注いで勉強できるようになります。

専門分野を学べる

ゼミでは、教科書やネットの情報から知識を得るだけにとどまりません。ゼミの教授が研究している分野の最前線ではどのようなことが起きているのかを学べます。これらはGoogleやYahooなどで検索しても、ヒットしない内容です。学問の最前線に触れられるというのが、大学やゼミの醍醐味(だいごみ)でもあるといえます。

授業とゼミの違い

授業とゼミの違いは、例えると「屋台で食べ歩きする」「予約してお店を訪れる」かの違いで表せます。授業では食べ歩きのように、いろいろな種類の学習内容に触れます。深掘りはできませんが、幅広い知識を身に着けられます。一方、ゼミでは自分の好みを専門店を予約して、ひたすらそれを食べます。つまり自分が興味を持った分野の研究をとことん深めることができるのです。

ゼミと研究室の違い

簡単に説明すると、文系の人はゼミ、理系の人は研究室に入ります。ゼミが勉強会だとすると、研究室では文字通り研究をするという違いがあります。しかし、理系でもゼミを行うことはあります。その場合の活動内容は文系のゼミと同じように、情報を共有したり、ディスカッションをしたりします。

卒業論文とは

「卒業論文」という言葉も聞いたことがあるかもしれません。卒業論文は、大学を卒業する時に、大学の学びの集大成として書く学術論文のことです。卒業論文のテーマは、ゼミで1〜2年間深く学んだ自分の研究についてまとめることが多いです。

ゼミの種類

ゼミには大きく分けて、教養系と専門研究系にわかれます。どのような違いがあるのでしょうか。

教養系

教養系では、論文など参考文献を調べたり、教授と学生、学生同士が討論をし、研究内容を深めていきます。経済、歴史、社会科学、法律、メディアなど、文系のゼミの多くがこの教養系です。

専門研究系

専門研究系では、実際に実験を行います。理工学部などの研究をイメージすると分かりやすいかもしれません。理工、数学、物理、化学、地球惑星など、理系に多く見られます。また、ゼミよりもさらに少人数になることがあります。

ゼミの活動内容

実際にゼミではどんな活動をするのでしょうか。あるゼミの活動を、いくつかのステップに分けて説明いたします。

テーマ決め

まず、研究にはテーマが必要です。テーマは教授が与えるのではなく、自分で決めることがほとんどです。教授の専門分野と大きくかけ離れる場合、助言をもらうこともあります。

調査

テーマが決まったら、情報を集めます。ただネットで検索するのではなく、大学図書館にある書籍や、専門家しか入れない論文データベースなどにアクセスし、過去の研究を調べます。また、ゼミによってはフィールドワークや取材などの調査をすることもあります。

ディスカッション

調査の結果をゼミ内で共有します。この時、過去の研究内容の確からしさなどについても討論します。研究内容は教科書のように絶対正しいわけではなく、これまで未知であった事象を解明しようと立ち向かっているものなので、内容を精査する必要があります。

レポート作成

調査とディスカッションを経て、文章としてまとめます。これを教授に提出します。学術論文は書き方が厳格に定められているので、学術的な文章を書く練習にもなります。

発表

これらの工程を踏まえて、ゼミ内で発表をします。いわゆるプレゼンです。質疑応答にも備えて、準備をします。ゼミ外の、ビジネスコンテストや大会などで発表をするゼミもあります。また、ゼミ合宿などで、似たテーマを研究する他大学のゼミの学生と交流したり、発表したりすることもあります。

現役大学生のゼミ体験談

前述の通り研究内容は自分で決められるので、一口にゼミと言っても、研究テーマは無数にあります。そこで、実際にゼミでどんなことを学んでいるのか、現役大学生にインタビューしました!

東京大学 一類法学総合コース チャクラ・ティナさん

私は法学総合コースで、現代法過程論の平野・フットゼミというゼミに所属していました。ビジネスの交渉や仲裁を、模擬問題を通して実践形式で行うゼミです。ダニエルフット先生という、ハーバード出身の先生に教わっていました。少し特殊なケースでレポートがなく、あくまで実践で学ぶ形式のゼミです。

前半は交渉のしかた、契約のしかた、契約書を英語に訳す方法などを、講義形式で学び、チームでその内容についてディスカッションをします。それらの講義を経て、一橋大学、中央大学、上智大学、東京大学が集まって練習大会を行います。後半は、世界の人たちを相手に、交渉・仲裁のコンテストに出ます。コンテストでは、背景情報がぎっしり書かれている50ページくらいの長文問題を扱います。私が実際に取り組んだ問題は、ワイナリーとリテイラーの問題でした。比較的忙しいゼミで、まるで部活のように、朝から晩まで1日中ロジックを組み立てたりしていました。

ゼミに入るメリットは、企業に入ってやることを実際にやって耐性がついたり、キャリアにつながったりすることが挙げられます。弁護士や他校の学生との幅広い人脈も得られました。デメリットは、作業量が膨大で、犠牲にするものが多かったこです。ただ、前述の通り、その分得るものも大きかったです!法学部は卒業論文がないので、3・4年と別々のゼミに入る友達もいました。

慶應義塾大学 商学部 M.Hさん

私は慶應義塾大学商学部の大野由香子ゼミに所属しています!都市経済学、計量経済学に興味のある学生が集まって活動をしています。私は、不動産、立地問題、地理的要素が関わる経済現象に興味を持ってこのゼミに決めました。週2回活動しています。

実際の活動内容は輪読(同じ書籍を数人が読み、お互いに意見を交換しあう活動)やデータワークをしたり、複数ゼミで論文の展示会などをしています。また、研究や講義だけでなく、商学部ゼミ対抗バレーボール大会など、レクリエーションもありました。

ゼミに入ったメリットは、就活に役立ったことです。ゼミで深めた専門的な知識を生かして、内定をいただくことができたことす。サークルなど個人的な活動との両立もできて、いい経験になりました!

ゼミに入るメリット

お2人もゼミに入ったメリットを教えてくれましたが、ゼミに入って得られるメリットはどんなことがあるでしょうか。ここでは3つの観点から紹介します。

専門知識の獲得

1つ目は、ゼミの特徴でも紹介した通り、単純に専門知識をつけられるということです。正確にいえば、学問の最前線で議論されているような「ホットな」専門知識です。このような知識は、本を読めば必ず得られるわけではありません。

大学生活の充実

大学生活をより充実させるために、ゼミは大きな役割を果たしてくれるでしょう。同級生だけでなく先輩や後輩も在席し、教授との関係も築くことができます。一緒に勉強を頑張ったり、遊びに行ったり、相談したりするための人脈ができるという、とても大きなメリットがあります。

就職活動

就職活動においてもメリットがあります。専門職に就く理系学生の場合、ゼミや研究室で学んだ実績が役に立つことがあります。また、ゼミに所属した経験が、チームワークやプレゼン発表のスキルがあるという証明にもなります。その他にも、入社したい企業の先輩とコネクションができる場合もあります。ただし、ゼミに入っていないからといってマイナス要素になるわけではなく、あくまで加点要素です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。もし「ゼミについてもっと知りたい」と思ったら、大学案内やオープンキャンパスに足を運んだり、先輩から話を聞いたりして、より理解を深めてみてはいかがでしょうか。将来にも影響するものですので、自分が何を学びたいか、じっくりと検討して選び、楽しいゼミライフをおくりましょう。


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この記事を書いた人

慶應義塾大学理工学部1年。小学校から音楽活動に勤しみ、現在はオーケストラサークルでチェロを演奏している。「これ面白い!」と思った事に全力投球!

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