みなさんは、海外に旅行したことはありますか? 円安の昨今では厳しいかもしれませんが、海外旅行が趣味である方もたくさんいらっしゃるでしょう。
コロナも落ち着いて、日本の物価安が注目されている現在、日本は海外から見て人気の観光地となりつつあります。治安が良くて、料理もおいしく、日本人は礼儀正しいと有名で、さらに物価が安い。確かに、安全に楽しく旅行ができそうです。
みなさんが海外旅行するときはきっと、現地の友達などに「人気のスポットはどこ?」と尋ねるでしょう。それでは、みなさんが「日本の人気観光地はどこ?」と聞かれたとき、どのように答えますか?
東京ならば「スカイツリー」「浅草」、京都ならば「金閣寺」「清水寺」などが挙げられるかもしれません。ですが、これらは「超」がつくほど有名すぎる観光スポット。どのガイドブックにも掲載されている場所です。
みなさんが海外の友人に人気の観光地を聞くようなとき、きっと「現地の人しか知らないようなスポットってあるのかな」と期待しているのではないですか? それは海外から日本に来る人も同じ。それにもかかわらず、「東京観光ね、浅草とかスカイツリーでも行けばいいんじゃない?」と答えが返ってきたら、興ざめしてしまうでしょう。
実は、日本には数多くの「外国人しか知らない」有名観光地が存在しています。我々日本人よりも、実は海外の人のほうが、日本の隠れ観光地に詳しいのです。7月23日発売の『外国人しか知らない日本の観光名所』には、47都道府県に存在する「日本人には知られていない隠れ観光地」が掲載されています。
今回は、その中でも東京に位置する隠れ人気スポット「豪徳寺」に、カルペディア取材班で取材に行ってきました!
休日にも関わらず外国人でいっぱい!
豪徳寺は小田急線沿線の駅。各駅停車しか止まらない小規模な駅で、周囲には閑静な住宅街が広がります。駅前にはコンビニやパン屋、スーパーなどがあって、生活をするうえではかなり便利に感じられそうです。
駅名にもなっている豪徳寺は、駅から歩いて15分程度の場所にあります。寺までは、住宅街の小さな道を歩いていくので、人によっては「この道であってるかな?」と不安に感じてしまうかもしれません。
私たち取材班も同様の心配をしていたのですが、同時に「たぶんこの道だろうな」という確信も持っていました。なぜならば、住宅街には似つかわしくない外国人の観光客グループが何組も一緒の道を歩いていたからです。
豪徳寺は都内にあるとは思えないほど広大な敷地を持ったお寺でした。遠めに見ると小さめの森のように感じられるほど鬱蒼と生い茂った木々が印象的で、きっと周囲の小中学生の遊び場になっているのだろうと推察できました。
お寺は清掃が行き届いていて、道も広く、観光地としてよく整備されているように感じられました。びっくりしたのは、その人口密度。我々が訪問したのは土曜日の午前中で、特にイベントなどが開催されている様子もありませんでしたが、人々でにぎわっていました。さらに、訪問客の大半が外国人であったことも印象的で、体感では80%~90%の観光客が外国人のようでした。聞こえてくる会話も外国語によるものばかりで、まるで日本ではないかのような体験ができました。
豪徳寺の見どころは?
豪徳寺の一押しポイントといえば、大量の招き猫。なぜこれほどまでに猫が推されているのか? その理由は、江戸時代にまでさかのぼります。
近江彦根藩藩主であった井伊直孝がタカ狩りに出かけた際に、小さなお寺の前を通りかかると、一匹の白猫が。直孝に手招きしたその猫は寺に消えていき、彼もその後を追って寺へ入りました。すると、外はすぐに雷雨が。猫のおかげで雨をかわした直孝は、寺を改築して1633年に再興しました。そして、この寺を井伊家の菩提寺にしたのです。何を隠そう、この時改築された寺こそが、豪徳寺。この出来事のきっかけになったから、今でも白猫が大切にされているのですね。
この猫は、お寺の中にある販売所で購入することができます。取材班ももちろん購入して帰りましたが、大変混雑していました。
猫のサイズはこのように、大きいものから手のひらサイズまで。もちろん種類ごとに値段が異なります。
まめサイズは顔もデフォルメされていて、とってもかわいい! 境内の棚に安置して帰るのが通例のようですが、我々は持って帰ることにしました。東京都内観光ですが、いいお土産ができて満足です。
豪徳寺からは東急世田谷線の宮の坂駅へもアクセスできます。世田谷線は京王電鉄の下高井戸か、三軒茶屋まで出られるので、渋谷や新宿へもスムーズに出ていけます。もちろん、豪徳寺駅まで歩けば、小田急線を使って新宿へ一本でアクセス可能。
世田谷線沿いにはおしゃれなカフェなども多く、休日に足を運んで近隣をぶらぶら散歩するだけで、楽しめるでしょう。次の休日には豪徳寺参りから始まる世田谷散歩はいかがでしょうか?