【学期末事業レポート】宇都宮短期大学附属高等学校 アカデミックマインド育成講座 2024年度前期

【学期末事業レポート】宇都宮短期大学附属高等学校 アカデミックマインド育成講座 2024年度前期

カルぺ・ディエム講師の橋本講師(教育学部4年)を中心とした講師が、宇都宮短期大学附属高等学校の1年生を対象に「アカデミックマインド育成講座」という講演会・ワークショップを開催しました。

2024年6月から2025年3月まで講義を行う予定で、今回のレポートでは、経過報告となる、4月から7月までの講義について紹介していきます。

アカデミックマインド育成講座とは?

AIなどさまざまな技術が発達する中、これからの世代に求められるのが「思考力」です。共通テストや大学入試でも「自分で考える力」が試されるようになっています。本講座では、現役東大生と一緒に「身の回りにあふれる疑問」と「五教科の勉強」を結びつけた課題に取り組み、自ら問いを立て、仮説を作り、検証する一連の思考法「アカデミックマインド」の獲得を目指します。

勉強がより楽しく、身近な存在になるだけではなく、獲得した思考法を大学受験の問題に応用していく講座です。

本記事では、講義の様子を講師の橋本が紹介します!

目次

「あの」食べ物は「どこ」から運ばれている?

「みなさんが飲んでいる牛乳の産地はどこでしょう。」

生徒によっては毎日飲んでいる牛乳ですが、産地表をまじまじと見つめたことはあまりないかもしれません。

でも、この講義はアカデミックマインド育成講座。知らないことも自分の持っている知識をフル活用して問いについて考えていきます。

「牛乳は牛から取れるということは牛の飼育数が多いところだから、、北海道!」

もちろん北海道産の牛乳もありますが、実はこの回答は正解とは言えません。関東地方のスーパーで並ぶ多くの牛乳の産地は北海道ではないのです。

それではどこで生産されているのでしょうか!

隣の生徒同士で議論しながら出てきたのが、「なぜ北海道ではいけないのか」「距離が関係しているのではないか」という仮説です。距離が遠いとどんな問題が出てくるでしょうか。

「運ぶ過程で腐ってしまう。」

「他の商品よりも賞味期限が短くなってしまう。」

「運ぶのにお金がかかってしまう。」

さまざまな意見が出てきました。どれも大正解です!

これは「近郊農業」と言われ、栃木県や群馬県など大消費地により近い場所で生産すると、運送コストや鮮度の面で有利になるのです。

皆さんも身の回りにある「近郊農業」で生産されている食べ物がないか、探してみてください!

普段気にしていないことに問いを立てることで、記憶に残りやすかったり、興味関心が広がります。それがアカデミックマインドの醍醐味でもあります。

講師と話す生徒の様子

どこまでが事実?どこからが意見?

「私の身長は低いです。これが事実だと思う人は手をあげてください。」

多くの手があがりました。

ところが、「身長が低い」ということは事実ではなく、意見なのです。

私は「あなたより」身長が低い、私は「平均よりも」身長が低い、と言葉がつけば事実になります。生徒さんに投げかけた「私は身長が低い」という言葉もどこかで「平均よりも」「175cmよりも」と変換されて、そこから事実と感じてしまったのでしょう。

コピー用紙だけで頑丈な建物を作るというワークショップでは、他の班よりも高さがあって重さにも耐えられる建物を建てようとチームで協力している様子でした!

この考え方はアカデミックマインドの「問い」「仮説」「検証」について考えるときだけでなく、英語の選択問題など受験の場でも役立ちます。普段は事実と意見をそこまで気にせず生活しているからこそ、いざという時にこの考え方を知っておくと、どれが事実に基づいた文章かを見分けられやすくなるのです。

紙の建物を作るワークショップ

受講した感想

先生方からの声

「このような講座を受けること自体初めてのことで、とてもありがたい経験ができた。生徒には、日常の中との接点を常に意識しつつも、勉強にも接続できるようになってほしい。学校で行っている探究学習ともうまく接続できるようにしたい。」

アカデミックマインドは考え方のスキルです。それを体得した生徒の皆さんが勉強や探究学習に活用していけるように私たちもサポートしていきます!

生徒の皆さんからの声

また、各回の講義では、講義後にアンケートを実施しています。そこでの生徒個人の感想を、一部抜粋して紹介します。

「楽しかったし、問を考える楽しさを知ることができた。今日の講義で、早場米という米を初めて知った。」

「分解して考えることが身についた。勉強も分解して考えればそこまで大変じゃないと思い、モチベーションが上がった!」

まとめ

7月末までの3回で、問い・仮説・検証の基礎をお伝えしました。アンケートでも3つの過程を意識しながら回答してくれている生徒さんが多いように感じ、とても嬉しかったです。

来学期からは基礎を実践する演習に入ります。「考えの型」を身につけるには、知って頭に入れるだけでなく、アウトプットしながら使っていくことが重要です。8月からも一緒に頑張っていきましょう!


公式サイトにて、カルぺ・ディエムが提供している具体的なサービスを紹介中!

カルペ・ディエムでは、学校や保護者のみなさまが抱える懸念やニーズに応える形で、講演・講座・ワークショップを提案し、それらを実施しております。

生徒の皆さんの大学選びや学部選びのワークショップ、モチベーション向上を目的とした講演、独自の探究学習授業、長期休暇中の学習合宿、難関大学合格を目指した通年プロジェクトなど、さまざまなプランをご用意しております。

私たちの講師は現役東大生で 偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠をはじめ、地域格差や経済格差などの多様な逆境を乗り越えた講師たちが、生徒の皆さんに寄り添って全力でサポートいたします。

ご質問やご相談だけでも結構ですので、お気軽にお問い合わせください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

東京大学では教育哲学専攻。小学校でのボランティアの経験から学校教育のあり方について模索している。趣味は旅行とドライブ。最近は高遠そばのねぎを普通は食べないことを知り、衝撃を受けた。

目次