20年ぶりの新紙幣!新しい顔は誰?〜東大生の声付き〜

2024年7月3日より、新しい紙お札が発行されます。
20年ぶりに一万円札・五千円札・千円札のデザイン変更され、新しい肖像に変わります。
新しいお札に描かれる人物はどんなことをした人なのか? 新紙幣発行に関しての東大生の考察も一緒に、簡単にご紹介します。

目次

一万円札:渋沢栄一

新しい一万円札の顔は、「近代日本経済の父」と称される「渋沢栄一」です。

生い立ち

1840年に埼玉県で生まれ、幼い頃から学問に励み、貨幣経済の発達した土地で家業の手伝いをしながら商才を磨きました。
青年期には、一橋家の徳川慶喜に仕え、慶喜の弟である水戸家の徳川昭武のフランス派遣に随行し、渡仏。これが人生の転機となります。ヨーロッパ視察で近代化社会や文明を目の当たりにし、フランス経済の仕組みを学びます。
その後、明治政府大蔵省の役人となり、貨幣制度改革、租税制度改正など多くの施策に関わりました。
官僚を辞めた後は、多くの企業創設に携わり、民間人として経済による近代的な国づくりを目指しました。

知っておきたい功績

日本で初めての銀行「第一国立銀行」を創設!
現在の「みずほ銀行」である、日本最古の銀行を創設した人物です。
長期間の借り入れが可能な低金利の融資を行い、経済振興を後押ししました。

② 生涯で500社に近い企業の設立や経営に関与
現在のみずほ銀行、イオン、サッポロビール、東京海上保険、王子製紙、帝国ホテルなど、約500の企業の設立や経営などに関与していたと言われています。銀行や保険会社などの金融機関だけではなく、小売業か、製紙業など、幅広い業種に携わっていました。

五千円札:津田梅子

新しい五千円札の顔は、日本初の女子留学生の1人であり、女性教育の基礎を築いたと称される「津田梅子」です。

生い立ち

1871年、津田梅子が6歳のとき、岩倉使節団に加わり、日本で最初の女子留学生として渡米。アメリカでキリスト教の洗礼を受け、ランマン夫妻のもとで、現地の初等・中等教育を受け、11年間をアメリカで過ごします。
1899年、18歳のときに日本へ帰国し、日本女性の地位の低さや、学校が勉学ではなく花嫁修行の場所になっていることに驚いた彼女は、再び渡米。ブリンマー大学で教育を受けます。
そして、1900年、29歳のとき、現在の津田塾大学である「女子英学塾」を開校します。

知っておきたい功績

津田塾大学の創立者!
私立女子高等教育における先駆的機関のひとつである「女子英学塾」を創立した人物です。
はじめは津田梅子自身の住宅に生徒10人の状態で始まり、英語教員の育成を主な目的として、少人数での授業を実施しました。
女性にも「学ぶ力」や「社会を変える力」があると証明しようと継続的に呼びかけ、最初は10人だった生徒も徐々に増え、8年後には150人にもなりました。「教育改革」により、女性の社会進出に大きく貢献した人物です。

千円札:北里柴三郎

新しい千円札の顔は、国内外での伝染病予防と治療に貢献した「北里柴三郎」です。

生い立ち

1874年に、現在の東京大学医学部である「東京医学校」に入学。医学を学びながら、「医者の使命は病気を予防することにある」と考え、予防医学の道に進みます。
卒業後は、内務省衛生局に入力した後、1886年からドイツに留学。原微生物学研究の第一人者、ローベルト・コッホのもとで研究に励みます。
そして世界初となる、破傷風菌の純粋培養に成功します。

知っておきたい功績

破傷風菌の純粋培養
世界で初めて、破傷風菌の純粋培養に成功。菌の毒素を投与した動物の血清中に、毒素を無毒化・弱体化する「抗毒素」があることを発見しました。、それを応用して「血清療法」を確立しました。伝染病に対して有効な原因療法がなかった当時は、画期的な手法でした。
現在では、細菌やウイルス等の感染症予防や、治療のために、人の血液から取り出された抗体が医薬品として使用されています。
血清療法をジフテリアにも応用し、純粋培養に成功したことで、国際的な研究者として名前を残しました。

東大生の声

一万円札の顔が交代することで、「諭吉」という言葉が「1万円」を表す単位や代名詞として用いられなくなってしまうのが寂しいです。人名をミーム化すること自体が失礼だという議論はあるでしょうが、金銭という生々しい話題を「諭吉が溶けた!」などとポップに表現できる趣深い言い回しであったと思います。この表現がこれだけ浸透したのは、「諭吉」が他の文脈に登場しにくい文字列であるために、文章中に埋没しにくく存在感を示していたからだと感じています。もし新紙幣の導入によって「栄一」がその地位を代替したとしても、「栄」も「一」も他の文脈で使われやすい文字なので、「諭吉」ほどの存在感を文章中で示せないのではないかと懸念しています。

 

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この記事を書いた人

教育事業や出版事業での取り組みを様々な媒体を通して発信しています。自社メディア「カルペディア」では、「人生を”ちょっと”前のめりに」をテーマに、教育・学習を取り巻く様々な疑問・関心について記事を掲載しています。

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