医学部受験で多浪生や女子は不利?合格を掴み取るポイントを解説!

医学部は難易度が非常に高く、最も入るのが難しい学部の一つです。その医学部に入るために、複数年浪人を繰り返して何度も受験する「多浪生」がいます。

実際、文部科学省のデータによると、全国の医学部医学科を設置している公私立大学81校において、2018年度の入試の受験者の年齢による内訳は以下の通りです。

18歳19歳20歳21歳22歳以上
2018年度37,634人36,353人20,230人10,247人20,709人

出典:医学部医学科の入学者選抜における公正確保等に係る緊急調査の結果速報について

18歳は現役生、19歳が一浪、20歳が二浪……というようになっているわけですが、このデータを踏まえると、二浪以上(20歳以上)が受験者のうち約4割を占めています。もちろん、社会人受験生もいることでしょうから、全員が全員、多浪と言えるわけではありませんが。

つまり、医者になるという夢を叶えるために、何度も医学部受験にチャレンジする人が多いのです。

しかし一方で、「多浪生は医学部受験において不利だ」とも一般的に言われています。今回は、本当に多浪生は不利なのか、また女子は医学部受験において不利なのかについて、東大生ライター碓氷明日香が核心に迫ります!

目次

医学部受験において多浪生は不利?

多浪すると医学部には受かりにくくなってしまうのでしょうか?不利と一般的に言われていることは本当なのか、考えていきます。

合格を掴んだ多浪生の割合

まず、多浪生の男女別医学部合格率を見てみましょう。それぞれ、受験者数のうち合格した人の割合を示しています。

18歳19歳20歳21歳22歳以上
2018年度13%10%15%12%12%10%9%6%6%5%
2017年度13%11%14%12%11%8%8%7%6%4%
2016年度13%11%14%10%10%8%8%6%6%4%
2015年度14%11%14%12%10%8%8%6%6%5%

出典:医学部医学科の入学者選抜における公正確保等に係る緊急調査の結果速報について

18歳(現役生)から19歳(一浪生)にかけては、合格率が上がっている年が多いようですが、二浪から先は徐々に割合が落ちていっているようです。

これが、「多浪は不利」と言われている根拠なのでしょう。合格者の割合が歳を重ねるごとに低くなっていく。数年かけても合格を勝ち取ることができないかもしれないというのは、大きなリスクなのかもしれません。ですが、夢を叶えている人も一定存在することは間違いありません。その分かれ目になっているのは何なのか、記事の後半で解説します。

多浪生や女子受験生には点数が入りづらい?

では、どうして多浪生の合格率が低くなっているのでしょうか?浪人生は合格できないようにする仕組みがあるのでしょうか。

実際のところはわかりません。受験生の答案の採点方式や面接の点数の付け方は大学に委ねられているからです。実際、数年前に浪人生や女子の受験生の点数を低くつけている大学があったことがわかっています。

しかし、その一件をきっかけに大学側の不正は減ったとされています。最近では、現役生と浪人生、男女の間に点数の付け方の差はなくなってきていることでしょう。

とはいえ、大学によっては多浪生の合格率が低い大学、女子の合格率が低い大学もあるようです。医者という夢を追い求める上で、どの大学を受けるべきかはデータを分析して決める必要がありそうですね。

多浪してしまう要因

医学部受験で合格を掴めず、何度もチャレンジしなくてはならない原因は何なのでしょうか?何か共通点があるのでしょうか。ここでは、多浪の要因となりそうなことをいくつか挙げていきます。

自分に合っていない勉強法を続けている

1つ目は、「自分に合っていない勉強法を続けている」です。長時間机に向かっているのに、成績が伸びない。試験で力を発揮できない。それは勉強効率が悪い証拠です。

成績を上げたいのなら、勉強の量と質のどちらも必須です。今一度、勉強法を見直してみましょう。すでにわかっている単元や範囲ばかり勉強してはいないか、間違えた理由を考えずに放置して間違いを繰り返してはいないか。ただダラダラと問題集を解いているだけで合格できるほど、医学部受験は甘くはありません

持論に固執しすぎている

浪人生であり続けると、受験の経験が豊富になり、勉強法や参考書ルートなどを「わかった気」になってしまう、ということがよくあります。この単元は出ない、この問題集さえやっていれば受かる、といった持論に固執してはいませんか?そうして、塾の先生、講師などのアドバイスを無碍にしてはいませんか

その持論は正しいのでしょうか。結果の伴わない持論は、机上の空論です。一度客観的に自分の考えを見直してみるといいかもしれません。

人に頼ることができていない

医学部受験では、記述対策や面接対策が必要になってきます。それを1人でこなすのは非効率的です。合格した人、何人もの受験生を見てきた人に頼り、添削をしてもらったり、面接練習をやってもらったりしましょう

合格者の道筋を辿ることで、必ず合格できるとは言えませんが、少なくとも自力本願で我武者羅に突き進むより確率は上がるのではないでしょうか。

合格を掴み取り、多浪を抜け出すために

では、合格を掴み取り、多浪から抜け出すためには、どうすればいいのでしょうか。多浪の要因を踏まえて考えてみましょう。

しっかり分析して受験校を選ぶ

まず、受験校を丁寧に選ぶことが大切になってきます。自分が受けたい学校、入りたい学校はもちろんあることでしょう。ですが、その学校は多浪から抜け出すことができる学校でしょうか

前述の通り、学校によっては多浪生の合格率が低いところがあります。信じたくはないですが、もしかしたら多浪生には点数をあまり与えない仕組みがあるのかもしれません。

また、自分の得意科目、苦手科目もあるでしょう。苦手科目の配点が高い学校で勝負を挑んでも、いい結果は望めません。

多浪生の合格率、各科目の配点、問題形式など、その大学についていろんな観点から分析してみましょう。自分が合格しやすそうな大学を選ぶのも一つの手です。

先生、講師のアドバイスを素直に聞く

すでに合格をもらっていたり、たくさんの受験生を見てきたりした人のアドバイスは貴重です。持論でアドバイスをはねつけるのではなく、批判的に見つつも、一回素直に聞き入れて試してみましょう。大切なのは、否定的になるのではなく批判的になることです。

また、記述問題が出る学校を受ける場合は、添削をお願いしましょう。自分では正解だと思っている解答でも、実際は点数が入らないかもしれません。プロの視点で見てもらうのが合格への近道です。

面接対策に力を入れる

意外と見落としがちなのが、面接対策です。医学部受験ではほぼ必ずと言っていいほど面接があります。ですが、ある程度何を喋るか考えたら、それ以上は対策しない人が多いのです。

しかし、浪人を重ねるほど、面接対策に力を入れる必要が出てきます。なぜなら、多浪している理由をしっかり伝えられるようになっておかなくてはならないからです。どのような理由で再受験をするのか、また、再受験に至るまで何をしてきたのか、なぜその大学を選んだのか、熱意をもって説明できるようにしておけば、きっと面接官にも想いが伝わるでしょう。

まとめ

多浪は医学部受験で不利なのかどうか、そしてどうすれば多浪から抜け出すことができるのかについて、詳しく解説しましたが、いかがでしたでしょうか。

医者になりたい、医学を学びたいという強い意志を持って医学部を目指している人が多いことでしょう。その目標を叶えるためには、何が必要なのかじっくり考えて再受験に挑んでください


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この記事を書いた人

大学では教育学部基礎教育学コース所属。世界史が好きだったことを踏まえ、教育の国ごとによる違いやその歴史に興味を持っている。趣味はアニメ鑑賞、読書。

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